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なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略|冨山 和彦|人類史上発の巨大なパラダイムシフト

GDPと企業の売上が緩やかに減少傾向にある中、極度の人手不足が問題となっている。日本経済復活へのシナリオをこの巨大なパラダイムシフトが起きる労働市場から考える一冊!

新陳代謝を促すのは労働市場の規律

人手不足に陥ったローカル経済圏のマーケットで穏やかな退出を促進する鍵は、労働市場にある。

一般的に、市場の規律には資本市場の規律、製品市場の規律、労働市場の規律という三種類がある。資本市場の規律の代表例はコーポレートガバナンスだが、どんな企業もガバナンスを推進して損になることはないので、積極的に取り組むべきだ。ただ、ローカル経済圏での穏やかな退出を促進するうえで、その効果はほとんどない。第一、ほとんどがオーナー経営のLの世界で、資本市場の規律と言ってもナンセンス。株主と経営者は同じ人なのだから。加えて、低金利政策で金利による規律も働きにくい。

次に製品市場を見ると、繰り返してきたように、ローカル経済圏の産業の多くは密度の経済が働いていて、非常に分散的なマーケットである。そのため完全な競争が働かず、製品市場での規律はなかなか働かないと考えたほうがいい。そうなると、穏やかな退出を促すためには、労働市場での規律を厳しくすることが唯一の有効な方法になる。

具体的には、サービス産業の最低賃金を上げることだ。あるいは賃金がどんどん上がってきて、弱い事業者が悲鳴を上げてきたときに、そこに救済の手を差し伸べないことだ。

完全競争が働く製造業で最低賃金を上げると、空洞化を加速してしまう。賃金が上がっても雇用数そのものにはマイナスに作用するリスクもあり、これにはかなり危険が伴う。一方、サービス産業の最低賃金を上げても、基本的に空洞化は起こらない。なぜなら、最低賃金を上げようが、岩手県にあるバス会社がベトナムに移動して営業することはできないからだ。

むしろ、最低賃金を上げると生産性の低い会社は人を雇うことができなくなる。ただでさえ低い生産性はさらに落ち込み、人手不足が加速することで顧客に対するサービスの質も低下する。その結果、やがては退出するしか選択肢がなくなるはずだ。

そもそも、生産性が高い会社は最低賃金よりはるかに高い賃金を払っている。最低賃金が上がっても影響を受けることはない。かえって、最低賃金が上がることで退出する企業が増えれば、労働生産性も賃金も高い優良な企業への労働移動が促進される。

労働監督、安全監督を厳しくすることも有効だ。

製造業、特に大手企業に対しては、労働監督や安全監督はかなり真剣に取り組まれている。むしろやり過ぎなくらいだ。少なくとも、それなりの規模のまともな製造業で、労働環境が崩壊していることはほとんどない。

ブラック企業と噂されるのは、圧倒的にサービス産業のほうが多い。労働監督や安全監督を強化しなければならないのは、むしろサービス産業のほうだ。しかも、労働監督や安全監督の基準は、どちらかといえば中小企業に寛容な傾向があった。中小企業を潰さないことが、人手余りの時代の社会政策だったからだ。これを機に中小企業についても容赦なく取り組み、その基準をクリアできない企業には、退出を迫ったほうがいい。

サービス業はアルバイトや非正規従業員の数が多くブラックになりがち。歳をとってくると会社に残れる人の数も少なく精神的に追い込んで辞めさせるマニュアルがあるなんて会社も少なくない。時給アップを望んだりステップアップをするシステムがない会社は要注意。

「コト」消費の時代の到来で「GもLも」戦略に追い風が吹き始めた

私はインターネットチケット販売で最大手のぴあ社の社外取締役も、七年間にわたり務めている。ライブ・エンターテインメント産業も、「楽しむコト」を提供している点で、サービス産業の一つである。じつはライブ・エンターテインメント市場も、リーマンショックや東日本大震災を挟んだこの期間、基本的に一貫して緩やかに成長してきた産業である。

ここにきて、その成長が加速する気配が出ている。そのドライバーの一つが、時間に余裕が出てきた団塊の世代を中心とする中高年層だ。同じく「楽しむコト」を提供する旅行・観光産業も好調で、ここでもやはり中高年層がその牽引役になっている。退職モードのお客さまが増えたおかげで、国内の観光旅行も平日稼働率が少しずつ改善し、稼働率商売の旅館や交通機関の収益改善にはいい影響を与えつつある。

実際、ここ数カ月の経済統計を見ると、経済成長を引っ張っているのは内需、それもサービスセクターである。この傾向を現場でずっと見てきた私の実感として、これは決して一過性ではない。

日本は明らかに「モノ」の消費市場としては成熟段階に入っている。皆、既にたいていのモノは持っているし、多くの消費財の価格はグローバル競争で相対的に安くなっているので、その気になれば手に入る。一般に消費社会が成熟段階に来ると、人々の消費はより文化的なもの、より無形の体験的なものにシフトするが、日本もいよいよ本格的にその段階に入りつつある予感がある。歌舞伎のような古典芸能であれ、ポール・マッカートニーのような洋楽ロックであれ、ライブ・エンターテインメントサービスの経済的な本質はLの世界である。生である以上、その場所で、その瞬間でしか楽しめないのだから。

ライブ・エンターテインメント産業の伸びが著しい。SNS各社もLIVEに特化したサービスを提供して一般の人々がLIVE配信をすることで人気を博す事例が数多く見られる。こうした需要に目をつけたライバー事務所が雨後の筍のように発生中で人気の配信者を囲い込もうとスカウトの手が伸びる。LIVE配信をやっているとこうしたスカウトのDMが頻繁にくるようになる。しかし、さまざまな名目で事務所がライバーから搾取する事例が後を立たず問題となっているので、一般人の皆さんは事務所からのスカウトに心奪われるのはわかるが注意が必要。9割の事務所が悪質な業者と言われています。中には有名なライバーを有することで信用を獲得して悪行を働く事務所もあるので気をつけて。

日本再興を労働市場から!人手不足を補い経済を回すための施策を提起する書籍。まずは内需による回復を狙いローカル経済を動かすことから。

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