仕事と天職とは何か?人生とは?努力と結果どのレベルを目指すのか?金か愛か?数々のベストセラーを生み出した著者が生き様を通して結果を出すための仕事論を展開。
何かに入れ上げなければ天職には出会えない
「常に熱狂し続けられる編集者という天職に、見城さんはなぜ巡り会えたのですか」とよく質問される。755でこういう質問を受けると、答えに窮する。僕が編集者になれたのは、偶然ではなく必然だったとしか言いようがない。もっと言うと、 僕にとっては編集者の仕事しか逃げ場がなかったのだ。
天職と出会いたいのなら、自分の内なる声に耳を澄まさなければ駄目だ。 変態でストッキングに異常な興味があるなら、ストッキングの会社に行けばいい。大手だとか給料が良いだとかは関係がない。これなら日本一になれるということを突きつめるべきだ。
少年時代、僕は非常に自意識過剰な人間だった。他人よりも感受性が敏感だから、人よりも余計に傷付く。感受性が強いがゆえに嫌われ、仲間はずれにされたこともある。
僕は人に想像力を働かせながら振る舞っているのに、相手は子どもだから、こちらの想いは理解してもらえない。「誰も僕のことを解ってくれない」という寂しさと切なさを常に抱えながら、僕は少年時代を送っていた。
孤独を抱えた絶望的な状況の中で、本だけが僕にとっての唯一の友だちだった。 一人で読書している時は、他人と関わる必要がない。本の世界に没入し、いつまでも自由自在に想像力の翼を広げていられる。想像力の翼を広げて飛ぶ世界は、すべて僕一人の支配下にあった。読書の時間は、僕にとってこの上なく気分が良かった。
確かに孤独な人間にとって読書は格好の逃げ道で居場所。ここにいても良いんだと思える唯一の場所。物語に没頭するという点ではゲームなんかもそれに値する。僕はどちらも好きでおじさんになった今でもゲームをやている珍しい人。大抵の人は社会人になって責任のある地位になってくるとゲームをする時間なんてなくなるのだろうが、僕はそういうのから逃げて生きてきたのでいまだにゲームをしています。
最後の親友
85 年、僕は 33 歳の時に「月刊カドカワ」の編集長に就任した。その頃、秋元康に小説を書いてもらったことがある。原稿を読んだ僕は、修正して欲しい箇所に注文をつけた。ところが秋元は、編集長である僕の注文は受けつけず原稿は直さないと言う。
僕から見れば、指摘した箇所を直したほうが小説の完成度は高まる。秋元はそのアドバイスをありがたく受け止めた上で、自分の表現の仕方としては今のままで構わないと強く決めていた。「秋元は僕とはまったく違う読者へのアプローチをするのだな」 と強い印象を受けたものだ。原稿を直す、直さないで激突した僕たちは、それ以来なんとなくギクシャクしてしまった。
そのころ秋元は、 一人の人間の仕事とは思えないほど大量のプロジェクトを手がけていた。とんねるずの「雨の西麻布」を作詞し、はたまたまったく作風が違う小泉今日子の「なんてったってアイドル」を大ヒットさせる。「夕やけニャンニャン」の放送作家だった秋元は、おニャン子クラブの曲を次々と作詞し、プロデューサーとして個性あるメンバーを売り出していく。バブル最盛期の 88 年には、空前の好況に浮かれる日本人とは対照的な楽曲「川の流れのように」を美空ひばりに贈り、この曲は 52 歳の若さで亡くなった美空ひばりの最後の歌となった。
そして近年では、秋葉原のインディーズシーンのみにとどまっていてもおかしくなかったAKB 48 を全国区にし、SKE 48、NMB 48、HKT 48、乃木坂 46 などのアイドルグループをことごとくメジャーシーンに送り出している。ジャカルタや上海などアジアへも進出しており、プロデューサー秋元の仕事ぶりはとどまるところを知らない。
さまざまなプロジェクトを次々と成功させる秋元の様子を、僕はずっと横目で見て来た。 正直に言うと、秋元のように何でもかんでも成功させてしまう人間は、嫌なやつで陰でズルいことをやっているに決まっていると一方的に決めていたのだ。
AKB48が話題になり始めた頃の秋元とは、たまに食事をする程度の間柄だった。特に親しく付き合っていたわけではない。しかし、メディアでの発言を見ていると、彼はいつもずっと変わらず僕に敬意を払い続けてくれていた。
「何でもかんでも成功させる秋元のエネルギーの裏には、とんでもない他者への想像力と分析力があるに違いない。自分が取り組もうとしているプロジェクトへの過剰な愛と冷静な目があるからこそ、秋元は圧倒的努力によってプロジェクトを成功させて来たのだ」。
人にはない嗅覚のようなものがある人が成功するのだろうなと思った良い例だ。オーディションからレッスン合宿までをエンターテインメントにした最近のアイドルグループなんかも上手い売り出し方だなと思ったりする。デビュー前からの古参ですと言いたい人が世の中にはいるという潜在的な需要を掘り起こした良い例。
仕事と人生に効く51の言葉。独自の嗅覚を持ち数々のヒットを飛ばしてきた人間による人生哲学。好きなこと、自分にはこれしかないと退路を立った瞬間そこに道は開ける!
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