人が幸せを感じながら生きていく上で必要なこととは何か?哲学が生み出した「幸せ」の形。ソクラテスの「対話」、ハイデガーの「可能性」、ニーチェの「永遠回帰」など。哲学者が考え抜いた思想の「エッセンス」から、人がしあわせに生きるために必要な考え方を提示します。
「承認」を求めて生きる
1.親密な場面……友人関係、恋人関係、家族といった、親密な関係。そこでは「自分を受け入れてくれている安心感」「ふざけあう楽しさ」「気持ちの交流」というような言葉が出てきます。
2.社会的な場面……同じ目標のために活動する関係。学生ならば部活や授業。社会人なら「仕事」が挙がるところでしょう。
3.義務からの解放、趣味……「試験が終わった後のごろ寝」のように、リラックスすること自体を楽しんだり、旅行に行ったり、読書や音楽鑑賞や美術館巡りのように、新しいことや興味のあることを積極的に味わおうとしたりする。
1と3はわかりやすいですね。みなさんもイメージできると思います。そこで2の「社会的な場面」について、さらに「あなたは部活のなかにどんな喜びを見出していますか」という質問を投げかけてみました(ちなみに部活の多くはスポーツです)。すると、出てきた答えのなかには、 上達 や 勝利 をめざして努力し、その成果が出たときの、 達成感 の喜びや、一つの 目標 をめざす 一体感 の喜び、部活での役割(部長とか)をまわりが 評価 してくれる喜び、というものがありました。
この部活での喜びは、社会人でいえば仕事の喜びととても近い。企業研修で仕事の喜びについてたずねてみても、やはり、上達、達成感、一体感、評価などが同じように出てきます。
このように、「喜び」とか「意義」のような言葉をキーワードにして、自分のふだんの体験を見つめ直して言語化したり、お互いに突き合わせてみたりすると、「人は何を求めて生きるのか」という問いの答えが鮮明に見えてきます。 各自の体験の言語化と交換 というやり方による以外、この問いを解明していく方法はありません。
なんのために生きるのか「喜び」とか「意義」を考えると答えが出る場合が多い。あなたは仕事や趣味の何にそれを感じますか?その問いかけに言語化で対応することで自分自身に問いかけてみて!そうすると答えが朧げだったものもハッキリするはず。
人生を肯定するには
まずは、「親しい人が自分のことを大事に思ってくれていると実感したとき」。たとえば、小学生の子どもが、親である自分の誕生日に自分宛に書いた手紙を読んでくれた、とか、友だちが自分の困ったときに親身になってくれた、という例が挙がってきます。私の言葉では「愛情的承認」になりますね。これはきわめて一般的なことで、幸福を感じるエピソードをたずねると、ほとんどの人から挙がってきます。
また、「評価的承認」の例もあります。他者に心から感謝されたり、がんばって成し遂げた仕事が評価されたとき、とてもうれしくて幸福を感じた、というものです。
いろいろ話を聴いてみると、次のようなものが出てくることもあります。仲間と活動をするととても息が合い、打てば響くような高揚した状態になる。スポーツでパスを出しあったり、バンドでセッションをしたりするとき、いつもと違った特別な集中感があり、超能力者のように相手のやろうとすることがわかる、というようなことです。
私も昔バンドをやっていたときに、ほんの数回ですが、ドラムやサックスが何をしたいかわかり、自分もすぐさま対応できる、という感覚をもったことがあります。私はこの感覚を「呼応性」と名付けています。チームプレイの場合もありますが、恋人と二人で話していて、互いの言葉と気持ちとがすごい勢いで通いあうこともあるでしょう。「承認」ということの根幹には、じつは、この呼応性(呼べば応える)があるのかもしれません。
そのほかにも、美しいアートや素晴らしい自然に触れて「うっとりすること」があります。このような非日常的な体験のさいの幸福感もあります。また、忙しい仕事が一段落して、温泉につかる。「あー、しあわせ!」という場合も、非日常とまでは言えなくても、この仲間に入れることができそうです。
さらに、これらとはかなり違う種類の体験例もあります。地震や災害のような状況にある人のニュースを見て、「お気の毒に。申し訳ないけれど、私も妻子も元気で、いつもどおりの生活を送っている。これが幸福ということなんだなあ」とあらためて認識する。こういう「幸福体験」もあるのです。
コミュ力の高い人はこれをうまく使っている気がします。相手に大切に想っているんだよということを伝えるのが上手い。いわば相手に居場所を与えてくれる能力。それゆえ恋愛などでは相手を沼らせる技術みたいなものに長けている。恋愛経験が少なかったり今までに良い恋愛をしたことがないところっとそういう行為に落ちてしまう。僕もそう(笑)学生時代はそれなりに恋愛をしてきたけれども歳を重ねるごとにそういう機会は減ってきて気がついたら周りは皆結婚、育児となっている。
人生を肯定するための幸せの哲学。こういうアプローチで物事を考えるとプラス思考になりやすいといった実例をもとに幸せについて考えます。
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