2016年3月、米グーグル系の英ディープマインドが開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁」が、世界でトップ級の棋士を破った。それを機に、「今後、AIの能力は人を超えるのか」といった議論が大いに盛り上がったが、それから1年ほど経った今、すでに多数のAIが職場に浸透している。そんな身近になってきたAIをご紹介。
自己肯定感を育むには?
【松尾】プロ野球選手は4月、5月生まれの人が多いという。早く生まれているから同学年の中で少し身体が大きく、他の人よりうまいからだ。そこで自信がついて、さらに練習してしまうというフィードバックがかかるところがポイントだ。二八の法則でいうと、集団の作り方を工夫することによって、そのフィードバックがよりかかるように設計することも可能かもしれない。
【山口】小学生のクラス替えも、科学的に月齢や性格を考慮すればいいのではないか。社員をマネジメントしていて思うのは、活躍する人は圧倒的に自己肯定感があることだ。だから、教育でも子供に自己肯定感をもたせて、どこかで承認欲求が満たされることが必要なのだろう。
早く生まれた人の方が身体が大きくスポーツをする上でアドバンテージになるのと似たことで、美人や、イケメンは承認欲求を満たされ自己肯定感が強いことが多い。なので、学校生活における学習や部活で成果を上げやすいと僕は勝手に思っている。僕はそういった集団に入れなかったので、同じような境遇の人間で形成されたグループで承認欲求を満たしていた。今思えば、仲間に変なあだ名をつけたりしていじったり、軽いいじめのようなことも。それでも僕から離れていかなかった彼らはそこにしか居場所がない状態だったのかもしれない。
コミュニケーションの場が本質
シミュレーション空間の中で他者とコミュニケーションするためには、自分の分身である「アバター」は必要だ。アバターの見た目は自分と同じである必要はなく、さらに言えば人の形をしている必要もない。ブランド物のバッグの価格を見ればわかるように、「価値」とは相対的なものであり、人に認知されることで発生する。VRの中でアバター同士がコミュニケーションするようになれば、自分の分身であるアバターを他者に認知させるための自己表現に必要なデジタルデータに、人は価値を見出すはずだ。例えばVRでビジネスミーティングをするようになれば、その時にアバターが着るためのスーツをメーカーが有料で販売することもできるだろう。それはデジタルデータなので、無限にコピー可能であり、原価は限りなくゼロに近づいていく。そこには大きなビジネスチャンスがある。
VRもAIなどと同様に注目の技術だ。ゲームをやる人などにはすでに馴染みのある技術となっているが、果たしてアバターに着せる洋服や装飾にどれだけの人がお金を払うだろう?現在でも、ソーシャルゲームに大量課金する人がいるように、そういった層がアバター用高級スーツとかを買うのだろうか?無限に複製可能な時点でSOLD OUTがないわけで価値は薄れるような気もする。手に取ることができないのも所有する欲求を満たすには不十分。現実世界で自己肯定感が低い人が、他者からの承認を得るためにVR空間でお金をかけて賞賛を浴びようとする。それをビジネスチャンスと見るのはあまりにもバカにしているようにも思うが、需要と供給のバランスを考えるとありなのかもしれない。
JINSのAI「JINS BRAIN」を使ってメガネを購入
ジンズ(JINS)は、顔写真から似合うメガネを提案する人工知能(AI)「JINS BRAIN」を開発した。同社社員3000人はディープラーニング(深層学習)の〝教師役〟となり、メガネを掛けた延べ6万人の画像を4段階評価して学習させた。学習に当たってはJINS社員500人から顔写真を集めて、同社の主力商品のメガネ120種類をそれぞれに擬似試着させた画像を作成し、合計6万枚の画像を用意した。
物は試しということで実際にこの「JINS BRAIN」を使ってみた。僕は極度の近眼でメガネを外すとほとんど見えない。なので、眼鏡屋に行っても、度の入っていないメガネで着用感を試そうとしてもぼやけて自分が見えない。そんな悩みを解決してくれるのが「JINS BRAIN」なのだが、使ってみた印象は、結構面倒。顔写真を登録したら、1つずつメガネを試して、そのメガネが似合っているかパーセンテージで示してくれるのだが、これが結構時間を取られる。フィット率90%以上のものを自動で何個か提案してくれるというスタイルならまだしも、いちいち似合っているかどうかわからない120種類、色違いも含めると大量に試さなくてはならない。それに似合っていると判定されたメガネがどう考えても似合わない場合も。やはり家で暇な時に新たなスタイルの提案を受けると行ったスタンスで使うのが吉。
人工知能は様々なところで実装されつつあるのがわかったが、まだ発展途上といった感は否めない。これからどんな技術が世に出てきて僕らを驚かせてくれるのか期待している。ちなみにムックサイズです。
【サブスク】 Kindle Unlimited
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