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からだと病気のしくみ講義 NHK出版 学びのきほん|仲野 徹|病気になる前に押さえておくべき体の中の4つのシステム

手軽に読めて笑って学ぶタイプの体と病気の仕組み講義。押さえておくべき体内の4つのシステムとは?その繋がりから体と病気の仕組みを学びます。なぜ風邪をひくのか?腸内フローラって?一般の方に向けた超入門書。

肺炎と風邪を見分けるには

肺炎の症状は、咳や 痰、発熱、 悪寒、息切れ、胸の痛みなどです。症状が似ているので、風邪と勘違いして放置してしまうケースがあります。風邪なら1週間程度で自然に治ります。2週間以上、咳や発熱が止まらなければ、肺炎や他の病気を疑って、お医者さんに行ったほうがいいでしょう。

風邪の咳や痰は、上気道の炎症が原因でおこるので、比較的浅い位置から出されます。肺炎の咳は、もっと奥にある肺からなので、ゲホゲホと激しくなるのです。痰も、黄色や緑色のどろどろしたものが胸の奥から押し出されるので、吐き出すのが大変です。

ただし、高齢者はこういった典型的な症状が出ない場合もあります。なんとなく元気がない、食欲がない、動きが鈍いと思ったら、肺炎だったということもありえます。

風邪やインフルエンザが引き金になって肺炎に進展するケースもあって、特に高齢者によく見られます。風邪やインフルエンザで上気道が炎症をおこし、繊毛が十分に働かなかったり、粘液の分泌が悪くなったりで、肺炎をおこす細菌が侵入しやすくなるためと考えられています。

肺炎の治療には抗生物質が有効ですが、風邪やインフルエンザには効きません。なので、単なる風邪に抗生物質を出すのは全く意味がありません。それどころか、耐性菌を増やす可能性があるので、やってはいけないことです。ただ、風邪と肺炎は素人には見分けにくいこともありますから、おかしいと思ったらお医者さんにかかったほうがいいですね。

僕も小さな頃、肺炎にかかったことがあり救急外来にかかろうと病院に連れて行かれたことがあるが、病院側に断られ自宅で安静にしてくださいと言われたことがある。抗生物質を処方されそれを飲んで治った記憶があるが、親にとってはなんでこんなに高熱で咳もひどいのにと不満があったと聞く。肺炎の症状は分かりにくいので自己判断ではなくすぐに医者にかかることということだ。

「腸活」に効果はあるのか?

最近は「腸活」と称して、腸内環境をよくする取り組みがメディアを賑わせています。「乳酸菌が生きたまま腸に届く」などと 謳ったヨーグルトを食べるのは、その典型です。腸内の細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分けられることもありますが、そう単純なものではありません。

腸内では、膨大な種類の細菌が絶妙なバランスを保ちながら共生しています。それに、個人の腸マイクロバイオームはかなり安定しています。だから、1種類の菌をたくさんとったからといって、簡単に根付くものではありません。多少はバランスが変わるかもしれませんが、大きく変化することはないはずです。いろんな会社から叱られそうな気がしますが、少なくとも現状ではそう考えるのが妥当です。

クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患では腸マイクロバイオームの影響が大きいと考えられていて、 糞便 移植 による治療が有効ではないかとされています。「人のウンコを食べるんかい!」と青ざめてはいけません。大腸内視鏡を使って投与したり、カプセルに入れて内服するという方法です。

便くらい移植しても健康被害などないだろうと思っていたのですが、米国では糞便移植による死亡例が報告されています。これには少し驚きました。本人に合わない細菌があったのか、何らかの免疫反応を引きおこしたようです。人間と腸内細菌たちは共生関係にあって、双方が利益を得ていると考えるべきなのでしょうか。だから、無理やり変えるとアカンのかもと思ったりしています。

他にも本当にいろんなことがわかってきています。たとえば、肥満の人とそうでない人の腸マイクロバイオームが違うということ。ただ、その腸マイクロバイオームが原因で太ったのか、太った結果としての腸マイクロバイオームなのか、ということまではわかっていません。大腸がんの人と、そうでない人の腸マイクロバイオームにも違いがあって、もしかすると、その違いで大腸がんの早期診断ができるようになるかもしれないとされています。

一流のアスリートと腸マイクロバイオームに関係があると言われたらびっくりしますよね。ところが、そんな報告があるんです。ボストンマラソンを走ったランナーとランナーでない人の便が調べられました。そうすると、マラソン後の選手の便にはある属の細菌が増えていて、それらの菌は運動の疲労によって増加する乳酸を消費するための遺伝子を備えていることがわかったのです。

ここまではよしとしましょう。なんと、マラソン選手の1人から単離されたその属の細菌1種をマウスに投与したところ、そのマウスの運動能力が10%以上も上がったというのです。ホンマですか? あくまでも動物実験ですが、細菌の働きで運動能力が向上するって、なんかすごすぎませんか?

腸内まで届く乳酸菌や腸内で増える菌まで様々な腸内フローラを最適化する食品やサプリメントのようなものが増えている。中には効果を実感する人も多くリピーターも多いことから各メーカーこぞって開発に力を入れている。

体と病気の常識を知ることで予防や素早い回復が期待できる。知っておきたい病気や体の知識、人生100年時代の身体管理術が身に付きます。

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