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リピート率90%超! あの小さなお店が儲かり続ける理由|中谷 嘉孝|集客するな価値を売れ。

労力、時間、お金の無駄となる小手先のマーケティング手法とは訣別。ユニークな成功事例に加え、失敗事例も包み隠さず紹介。リピート率90%超の伝説の店のブランド戦略を披露!!リアルブランディングスキルでシンプルに。

売るとは教えること

売るとは教えること。教えることは人を安心させてあげることである。そして、決して大げさではなく、教えるとは人を幸せにすることだ。

プロとしてはあたりまえの専門知識を、素人であるお客様にわかりやすく伝え、正しい知識をお客様に植えつけていくことは、絶対的な信頼を生み出す。よく、信頼はお金で買えないというが、裏を返せば信頼はタダで買える。ここでお金云々を持ち出す輩は、あたりまえの情報を出し惜しみしているか、伝える努力を怠っているだけのように思えてならない。あなたのお店にいながら「他所ではこの店と同じサービスを受けることができない!」と、お客様が潜在意識で感じた瞬間、それは浮気のできないお客様、つまりあなたのお店のファンが誕生した瞬間だ。

売るとは教えることとはよく言ったものだ。確かに商品知識のない素人の買い手に物を売る際、自社の製品のどこが優れているのかどのような使い道があるのかをきちんと表現できれば購買につながる。お店はさまざまな工夫をして商品やサービスを教えることを心がければファンは必ずつく。例えば、食材の料理の仕方をレクチャーしてくれる食料品売り場、それだけでは弱いがそれが簡単で尚且つお店で食べるプロの味だったらどうだろう。リピーターを増やすコツはそんなところにある。

優越感の3つの定義

なんとか2度目の来店をしてもらうところまで漕ぎつけたら、今度はお客様の優越感を徹底的にくすぐる。優越感をザックリ定義すると次の3つになる。

1 私のことを覚えていてくれる

2 私のことをわかってくれている

3 私のことを特別に扱ってくれる

1 私のことを覚えていてくれる

ちょっとイメージしてみてほしい。2度目の来店で、カフェのお姉さんが自分の顔を見るなり、「○○さんお久しぶり」と満面の笑みで名前を呼んでくれたら、おそらく震度三以上心がバイブするはずだ。このグッドバイブレーションこそが優越感である。

もちろん顔と名前だけではなく、前回話した内容まで覚えておくことも重要だ。

2 私のことをわかってくれている  

これも重要なキーワードのひとつだ。お客一人ひとりの好み、生活環境、さらには職業、置かれている立場、歴史などについてどれくらい認識できているかがポイント。

つまり、「○○さんはコーヒー、ブラックでよかったですよね」とか「××さんはピーマン苦手だったよね?」というように、この最後の「ね」が優越感をくすぐる。

自分の嫌いな食材を知ってくれているレストランなら安心だし、自分のコーヒーの飲み方まで把握してくれているカフェなら当然、常連になってしまうだろう。

3 私のことを特別に扱ってくれる

そして、究極の優越感はこれ。特別待遇。年齢、性別を問わず、誰もが必ず、深い優越感に浸れる。レストランなら、VIPルームや、できるだけ景色のいい席に案内するとか、お客の帰り際に必ず外まで見送るなど、たいして難しいことをやるわけではないのだが、これがこの上なく優越感をくすぐる。

注意するポイントは、わざとらしくなりすぎないこと。そして、他のお客にわからないようにやること。こっそり感がキーだ。

どれも接客業では基本となるが3の特別扱いは注意が必要。ここにも書いてあるとおり他のお客にわからないようにこっそりやることが大事。あからさまな優遇措置は他の客の不快感を煽ることになる。ついつい常連客とは他の客より笑顔の接客になりがちだが、それを見たあまり喋らない隠れた常連は嫌な気分になることだろう。

リピート率を上げるため、お店のためにやってきたことの中から正解不正解を吟味して披露。お店の経営で役立つ点を事細かに解説していく。運用する際の注意点と一緒に書かれているのですぐさま実行に移れる点も評価できる。

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