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『限界国家 人工減少で日本が迫られる最終選択』危機感を持て!

人口減少が騒がれるようになって久しい「2020年代の10年間でストーンと620万人が減る」というのはまだまだ入り口。だが、日本全体としては、全く危機感が乏しい。その理由は官僚とマスコミと企業首脳の、より正確に言えば「東京に群がる人々」の認識の甘さがある。近年の人口の少子高齢化にもかかわらず、東京とその周辺では地方からの人材流入で、人口減少の現実を感じられてないという問題も。

人口大激減時代が来る

住民基本台帳に基づく人口動態調査によれば、2015年1年間の日本人の人口減少は27万1834人と過去最大となった。しかし、これはほんの序の口に過ぎない。今後、人口減少は恐ろしいほど加速する。2010年代には273万人の人口減少が予測され、20年代には2倍を超える620万人となり、30年代には820万人、40年代には900万人、そして50年代には910万人とされているのである。

経済予測と違って人口予測は極めて精度が高いものとなっているため、大規模な戦争で難民が大量に流入しくるなどの非常事態が起きなければ、前述の通り日本の人口は減少していく。10年間に1000万人の人口が減少すると、経済問題の他にも、社会の土台を形成する様々なシステムに影響が出るだろう。1億人を切ったらそこで人口減少には歯止めがかかるという意見もちらほらあるが、人口減少は再現なく続く可能性だってある。現在はAmazonなどでネットショッピングをすると当日や翌日に配送されるという便利な状況だが、人口が減ってドライバーの奪い合いが起きると、何日か待たされることに。一度便利さを味わっているだけに、サービスが低下したと感じる人も出て来るかもしれない。Amazonの躍進を支えているのは、配送網などのインフラであることは間違いない。諸外国に比べ配送網が発達している日本だからこそなし得た当日、翌日配達で、こんなに早く荷物が届く国は他にない。

路線廃止に歯止めがかからない地方の状況

全国で見ても、民間バスの約7割、地域鉄道事業者の約8割で経常収支が赤字となっており、事業者の倒産、路線廃止に歯止めがかからない状態になっている。車がない家庭、高齢になって運転が難しくなった人々は、どのように生活を維持したらいいのだろうか。移動販売車が訪れる地域や宅配の買い物も増えている。しかし、市街地に出るには自治体が提供する数日に1回という乗り合いワゴンを利用するしかない地域もある。

僕のいとこの家などは、山間部に位置するためすでに新聞配達が家までサポートしていないという。宅配サービスなどは行き届いているのだろうが、それでも市街地に出るには車が必須。僕のように統合失調症にかかり免許取り消しになったらお陀仏だ。特に高齢になって困るのは通院。かかりつけの医者がワゴン車などによる送迎を行なっている日であれば良いがそうでなければ医療さえ満足に受けることはできない。政府もコンパクトシティ構想などにより市街地に人口を集中させる施策を打ち出しており、高齢になるといよいよ都市部への引越しを考えなくてはいけなくなるかもしれない。将来、県庁所在地や新幹線停車駅のある自治体程度を境にし、その他の地域はゴーストタウン化する懸念すらある。限界集落という言葉があるが、日本全体が〝限界国家〟となる危機を迎えつつあるのだ。

高齢出産で出生率回復?

そもそも現在の日本では、出生率が改善しても生まれてくる子どもの数は増えないことを理解する必要がある。なぜなら、第2次ベビーブーム世代(1971〜74年生まれ)がすでに40歳代を迎える一方、子どもをうむ可能性の高い20歳代、30歳代の女性の数自体が減少を続けていくからである。仮に出生率が上がっても子どもを産む女性の数自体が減るのであれば出生数の増加は望み薄である。

結婚や出産はコスパが悪いと敬遠する若い世代が増えてきて、若い頃に自分の好きなことをやってきた結果、40代を迎えいざ出産しようとしたら高齢出産というハードルが目の前に立ちはだかる。僕は1974年生まれなので第2次ベビーブーム世代。しかし、現在も独身で好きなことをやって暮らしている。そんな人が増えた結果、第3次ベビーブームは起こらなかったのだ。

移民政策を本気で考えなければいけないかも

人口減少の中にあっても、日本政府が移民政策を取らない理由は、移民に対して一般国民が持つネガティブなイメージに配慮して、国民に不人気な政策には触れないでおくということだろう。しかし、それではいつまでたっても移民政策についての客観的な議論が行われず、日本は先に進めない。

移民とは居住国を離れ、居住国以外の国に12ヵ月以上住む人という定義だ。企業の駐在員も留学生もこのくくりに入る。となると日本政府が進めている高度人材の受け入れ、2020年までに留学生を30万人受け入れるという計画は、ある意味移民政策ということになる。

一部の職能を持った高度人材の奪い合いに日本はついていけてない。日本で暮らす外国人たちの中には、母国語も日本語も曖昧という人もいる。そんな人が生活するのには外国人コミュニティーが大きな役割を果たす。これからの人口減少時代、外国人にとって住みやすい日本にするために、日本人も偏見を捨て去らねばならないと思う一方、「日本に住んでいるんだから日本語話せ!」と世界でもトップレベルに難しい日本語の習得を強要する僕たちがいる。

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