『遠慮しないで幸せになる方法』関口ちえ

2020年12月29日

あなたは「幸せになる」ことは難しいことだと思いますか？簡単だと思いますか？本当の幸せは自分で創ることができます。この本は、私が幸せを見つけたストーリーです。

今が幸せの罠

例えば、いつでも買い物ができて好きなものが食べられる。例えば、家族と家で話をしている。例えば、布団の中で安心して眠る。例えば、洗濯も食器洗いも水を気にせず使う。例えば、嫌いな上司先輩でも、会って話ができる。どれも日常の当たり前の光景で、あえて感謝したことがありませんでした。東日本大震災の時、私の住む茨城県も震度６強の揺れがありました。本気で自分が死ぬかもしれない、家族と二度と会えないかもしれないと思った瞬間でした。水道から水がでない。スーパーには水がない、食料もほとんどない。お金があっても、何も手に入らない状態でした。ガソリンもなく、自転車で行ける範囲で行動しました。とても不便でした。でも、不幸ではありませんでした。幸い、私は家族も友人も失わずにすみました。物はなくても、すごく不便でも、家族と会話できることが「幸せ」でした。そして、あの時から私の価値観は明らかに変わりました。人は失ってはじめて本当の意味で、ありがたさに気づけるのかもしれません。しかし、失う前に気づきたいものです。それには、頭と心のトレーニングが必要です。

震災など極限状態を経験すると普通の日常がいかにありがたいことかがわかるように。僕の場合は二度の自殺未遂から生還した自殺サバイバーなので、今の状況も幸せに感じる。住む場所には困らないし、お金もそこそこ自由に使える。統合失調症の症状で幻聴が聞こえたり、思考停止状態になってその場から動けなくなってしまうことはあるけれども、それでも生活に困ることはない。ありがたいことだ。

あなたの幸せを邪魔するもの

ネガティブな感情と向き合えたら、次に、その感情を解消していきます。ネガティブな感情はある「基準」があって、それを越えたり、あるいは満たないとふつふつと湧いてきます。その基準とは、あなたがもっている「価値観」です。私たちは、成長する段階で価値観というものを手に入れます。世間一般の常識というのもその一つです。社会人として働くとその価値観も私たちを支配します。学生の時には、様々な規則があり、集団行動という価値観も私たちは持っています。子どものころは親の価値観、おじいちゃん、おばあちゃんの価値観、近所の人の価値観など無意識のうちに受け継いでいます。考え方は遺伝ではなくて、後から身についたものです。もちろん、人として大切な「躾」はあります。躾は、人に不快な思いをさせない礼儀です。しかし、躾と言いながら、自分の価値観（本当はその人も他人から受け継いだ価値観ですが）を押し付けていることが多いです。

学生時代は様々な集団行動におけるルールがあり、僕はちょっと閉塞感に苛まれていた。なのでストレス発散のためにゲームセンターに入り浸って格闘ゲームに興じていた。大学に入ったら入ったで、ゲーセンでアルバイトに勤しみ、大学は中退。店長にまでなった。そんな僕も歳をとりゲーセンの店長でいるにはちょっと年齢を重ねすぎたこともあり、統合失調症の発病とともに退職することに。そのあと2度の入院をへて今があります。幸せになると決めて様々なことにチャレンジをするときトラウマが邪魔します。僕の場合、女性関係のトラウマが今でも消えません。女性なんて所詮こんなもんという価値観が植えつけられているので女優やアイドルのなかに可愛い子を見つけてドラマやミュージックビデオを見るだけで満足してしまいます。

スピリチュア

トラウマは、自分で癒すことができません。これは専門家に依頼することをお勧めします。表面的なトラウマは、まだ癒しやすいですが、ラスボスは奥深くに潜んでいます。そしてとても強固です。よく急激な変化は、元に戻りやすいといいます。ダイエットとかメンタルトレーニングもそうです。それは表面的な部分を変えたので、結果もすぐに表れやすいですが、根本が変わっていないので時間がたつと元に戻ります。根本の部分を変えるには、実際はある程度時間がかかります。内面を急に大きく変えようとすると心に負担がかかり、苦しくなるからです。急に走って息切れするようなものです。自覚がないくらいの変化が、確実に定着していきます。トラウマを癒すと自分にまとわりついていたネガティブな感情とは永遠にお別れできます。不安や不満、イライラや嫉妬などの感情が自然と湧き上がらなくなり心身共に軽くなり、新しいステージを進めるようになります。

トラウマとの戦いよりはダイエットの方が簡単なように感じます。食事制限は辛いですが、トラウマよりは立ち向かうのが簡単。

今すぐにでも始められる幸せになるための新習慣！自分に愛を持つことで様々な困難を乗り越えることができます。トラウマの癒し方やなんかにも触れていて、専門家の力を借りることについても言及。怪しいトラウマ解消法ではなく専門家に助力を求めることを推奨するあたりは好感が持てます。

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