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進化する企業のしくみ|鈴木 貴博 , 宇治 則孝

業界を跨いだ生き残り線が繰り広げられている昨今、大容量のデータが飛び交うようになって、通信もこれからは変わって行くだろう。5Gも導入され動画がサクサクダウンロードできる時代に。より情報は消費される時代へ。知の戦いは血の戦いの様相だ。

変わりゆく時代

企業の経営環境はこれからどう変貌していくのだろう。この5年で業界の常識は大きく変わった。いくつかの実例を見れば、そのことがよく理解できる。以下の質問と答えを見比べてみよう。

問: 電子マネーに強い企業はどこか?

答: 従来はVISAとマスターカードがグローバルな答えだったが、現在の日本ではJR東日本、NTTドコモ、セブン&アイなどの金融業界以外からの新規参入企業である。

問: 音楽業界で最も注目されている企業は?

答: 従来はエイベックスやソニーだったが、現在ではiPodのアップルである。

問: リテール分野で収益性の高い銀行は?

答: 以前は3大メガバンクだったが、現在ではセブン銀行の収益性のほうが高い。

問: 世の中に情報発信する主体は?

答: いままではマスコミや企業だったが、いまは何千万人の消費者がネットで発信し社会や企業に影響を与えている。

これらはほんの一部だが、なぜ、このような従来の常識を覆すような変化が出てきているのか。その背景には企業が「Web 2.0」等のITの影響を受けていることが、理由の一つとして挙げられるのではないか。

電子マネー最近は取り扱いも増えてきて便利になりましたよね。僕はスイカとApple PayのiD払い、スターバックスのアプリなどを使っています。スマホ一つあれば財布を鞄から出すことなく時にはスマホさえ出さずにApple Watchでなんてシーンも増えました。便利になることはいいことです。

進化しない企業は生き残れない

元来、銀行にとってATMというのは収益を生み出すものではなく、あくまでも預金サービスを円滑に進めるためのツールであり、コストにすぎなかった。もともと、人手で行なわれていた窓口サービスが、人件費や店舗コストがかかりすぎるという理由で機械化されたのである。メガバンクの本来の銀行業務は、貯蓄と投資。ところが、セブン銀行はこのATMこそを収益源としている。というのも、セブン銀行がどんなに預金者を増やしたところで、個人の預金者が預けられる金額は知れているのだ。そもそも、セブン銀行に数百万の預金を預けている人は稀だろう。したがって、預金者から調達した資金を企業に貸し付けて、その利ざやで稼ぐという通常の銀行のビジネスモデルがメインビジネスにはなり得ない。もちろん貸し倒れもある程度発生するから、ますます儲からないと考えられる。それよりも、セブン銀行に口座をもたない他の銀行の預金者がセブン─イレブンのATMから現金を引き出してくれたほうが、よほど儲けになるのである。セブン銀行の 19 年3月期の業績は、経常収益(銀行における売上高に相当する数字)が754億円、経常利益が250億円。これは銀行業として考えればものすごい利益率に相当する。セブン銀行のATMは、この書籍を書いている時点の同社からの最新のディスクロージャーによれば全国に約1万2000台ある。1日ATM1台当たりの利用は 98 件。1回当たりに他行からもらえる手数料が100円だとすると、単純計算でも預金を引き出すための手数料収入だけで年間400億円を超える。これがセブン銀行の利益源の大半に相当するわけだ。

セブン銀行は着想が良かったので成功した。コンビニというインフラに乗っかった形で全国にATMを設置し利用者の利便性を確保し本業であるコンビニ商品の売り上げにも貢献している。

Suicaの進化

Suicaがいつの間にかクレジットカードに替わる決済手段になっているといったものが代表例だろう。同一業界での同質競争から、異業種間での異なるビジネスモデルをもつ企業間での戦いへと、時代は確実に動いているのである。ここで異業種格闘技経営の定義をしておこう。

●異なる事業構造をもつ企業が

●従来とは異なるルールで

●同じ顧客ないし市場を

奪い合いながらどちらが最強かを争う競争のことである。そして異業種格闘技の場合、どの「ビジネスにおいても違法でない」「倫理的道義的に問題のない」という前提においては、「それ以外は何でもあり」ということになる。

スイカは交通系電子マネーからコンビニや至る所で使えるように進化を遂げてきました今では持ってない人がいないのではないかと思えるくらい普及しています。会社用とプライベート用の二枚を駆使する人も多いのではなかろうか。

進化して成功した企業の仕組みを解説。生き残りをかけた「知の闘い」はこれからも激化していくだろう。とりあえず電子マネーはどこが勝つのかが最近の興味の対象である。

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