「石原新党」や「尖閣諸島購入問題」、「東京電力とのバトル」、「オリンピック招致」、「災後社会のネットワークづくり」など、東京都のマネジメントに絡む出来事をネタに、問題解決力を磨く考え方、行動の仕方、強いメンタルの保ち方などをわかりやすく説く! ◎「その日までが勝負」と「その日のみの勝負」 ◎改革とは具体的な数字を示すこと ◎決断は見切り発車で ◎ツイッターがつないだ奇跡の絆 ◎日本人に足りない言語技術力 など、世の中の最前線で闘ってきた著者ならではのメッセージが満載。ヒット作『決断する力』に続く、臨場感あふれるビジネススキル読本。
東電株主総会
六月二十七日、東電株主総会が開かれた。二〇一一年は芝公園のザ・プリンスパークタワー東京の地下の会場だった。六〇〇〇人のキャパシティーなのに株主が九三〇〇人も押しかけ、入りきれず三〇〇〇人が廊下や建物外部にあふれた。したがって今回の会場は一万人収容の代々木体育館に決まった。ただし株主総会は反原発・脱原発の意見を述べるための人たちが多数集まり、えんえんと質疑応答が五、六時間続くガス抜き大会の様相を帯びる。東京都は筆頭株主だが、わずか二・七パーセントで過半数の議決権に遠く及ばない。意見を述べるだけの自己満足では意味がないから、今回は実質的に中身を先取りする作戦に出たのである。四月二十七日の株主提案で東京電力の「定款」に、すでに示したような「経営理念」を提案すると同時に、最も重要な議案として、以下の一文を入れた。「企業再生やコンサルティングに豊富な経験を有する専門家を社外取締役に選任する」株主総会はかたちばかりのもので、実際には政府の原子力損害賠償支援機構と東京電力の綱引きで人事が決まる。こうして四月二十七日に東京都推薦の公認会計士を社外取締役に入れろと原賠機構と交渉し、五月十一日金曜日に内定を得た。 僕の盟友・樫 谷 隆夫氏と並び、記者会見に臨んだのは五月十四日月曜日であった。彼は静かに力強く言った。 「実務的にやります」
怒号飛び交う株主総会の様子はテレビでも取り上げられていて記憶に新しい。危機管理といった点では、本当にお粗末だったというしかない。これをきっかけに様々な企業でも危機管理が叫ばれるようになった気がする。原発のゴミ問題はこれからも頭を擡げる問題の一つとして今も影を落としている。原発はトイレのないマンションと揶揄されるほどだ。原発燃料サイクルはもんじゅの事故で頓挫している。これからも続いていくこの問題はいつ解決するのだろうか。
尖閣諸島問題
一九六八年の国連の調査の後、中国は尖閣諸島周辺海域の海洋資源を狙って領有権を主張したと言われる。だが、資源の問題よりも中国が太平洋の覇権を目指していることがいちばん大きい。尖閣諸島が中国の領土となれば、太平洋に出るシーレーン(海上交通路)が確保できる。南沙諸島にも食指を伸ばす中国からすると、日本はたしかに邪魔な存在に見える。そういうわけで、中国は領土問題で日本に攻勢をかけてきた。しかし、日本政府、外務省は何もしない。二〇一〇年の漁船衝突事件でも、その前の鳩山さんの政権のときに普天間問題で日本に隙間ができた。そこを中国に突かれたのに、国は何もしなかった。外交、領土というのは既成事実をつくれば勝ちなのだ。既成事実をつくろうと中国が攻めてきたのに、国は何もしてこなかった。そこで、東京都の石原慎太郎知事(当時)は、国がやらないのなら東京都ができないかと考えた。尖閣諸島は個人の所有。地権者が高齢で、いずれ相続問題が発生する。中国人が購入を持ちかけたという噂もあり、非常に不安定な状態にあった。石原知事はこの個人所有を公的所有に移管するために地権者と接触、二〇一一年の十月には、石原知事が地権者である栗原国起氏と話し合いの場を持った。
領土問題はそこに人が住んでいるという既成事実や実効支配によって明暗が分かれる。北方領土も竹島も現在は日本は弱い立場に立たされている。やはり領土問題が発生しそうな場合、韓国のように先に実効支配してしまわなければ、あとあと問題解決が難しくなる。フィリピン近郊の中国の進出も実効支配が始まった初期段階で対応が後手に回ってしまったため現在厳しい状況に。
問題解決の現場で行われる様々な対応について元東京都副知事の猪瀬直樹氏の見解を示す。問題解決の最前線ではどのような決断がなされるのか?つぶさに見ていくことで解決する力を醸成します。
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