日本人は、日本の医療は先進国でもトップレベルだと信じているかもしれません。しかし。こと眼科手術医療に関して言えば、世界のトップレベルから見ると圧倒的に遅れており、むしろ低レベルと言ってよいと思います。日本には優秀な「眼科外科医」が極端に少なく、手術料が高い、できる眼科外科医は、10人程度。そんな実態をみなさんが失明しないために訴えていく書籍。
患者の認識も変えるべき
患者の側も、大学病院や総合病院という「研修病院(練習病院)」で治療を受けることが最高の治療だと勘違いしているため、診療のための長い待ち時間に耐えさせられたあげく、古い方法の手術や、時間稼ぎの治療に従っています。患者の情報不足だけでなく、認識不足も問題なのです。手術を受けるなら、できるだけ多くの情報を至急得るべきです。インターネットや口コミなどを総動員して調べなければなりません。「お任せします」だけでは駄目なのです。
しかし、かかりつけの病院で診断の結果、手術が必要なのでと大学病院に紹介状を書いてもらい、そのままなんの疑いもなく、大学病院で手術を受ける人は多いだろう。このステップがそもそも悲劇を生む原因だと著者は言います。大学病院や総合病院は研修病院、手術の数が多いのは、同じ患者を1回の手術で直せず、なんども手術を行うからだと指摘しています。特に眼科手術医療は医師の腕が術後の視力に大きく影響を与えるものなので、視力を失いたくなければトップクラスの眼科外科医を自分で探し手術を受けることをお勧めします。著者の深作眼科(横浜と六本木)が近い方は受診して見るのも良いでしょう。治療費がきになる方は巻末にある病状ごとの料金がわかる点数表がありますので参考にして見てはいかがでしょうか。
網膜剥離担ったスポーツ選手でさえ復帰できる
当院では、子どもだけでなく、後でも述べますが、多くのスポーツ選手の網膜剥離も治しています。初めから深作眼科で手術をしたスポーツ選手は皆、現役復帰しています。
ボクシング選手などに多い網膜剥離。網膜剥離になったらもう引退と思っていたので、現役復帰できるまでの視力に戻るというのには少し驚きました。古典的なバックリング手術では、手術後激しいスポーツには復帰できないのが普通ですが、最新の手術技術と医師の腕があれば、現役復帰もできると言います。バックリング手術では、網膜剥離の根本的原因である眼の中の硝子体線維の牽引が残るため術後思うように視力が回復しないのだと言います。
広まる眼内レンズ移植手術
「日本の眼を救うためには、日本全体の医師の技量を上げることがなんとしても必要だ」との思いから、超音波乳化吸引術と眼内レンズ移植術の方法を、習いたい人には誰でも教える講習会を自前で行いました。毎回300人以上が参加し、計10回おこないましたので、のべ3000人以上の眼科医が参加したことになります。
徐々に、近代的な白内障手術を行う機運が高まったものの、大学病院では相変わらずでした。教授は若造だった著者から意見されるのが面白くないらしく「勝手にやりたいのなら自分の施設でしろ!」と言われることに。これを機に1987年小さな診療所を横浜に開業することに。アメリカでは超音波乳化吸引術と眼内レンズ移植術は日帰りが一般的。深作眼科でも白内障手術は日帰りで行なっていましたがそういった記事が新聞に出た時は、問い合わせの電話とともに、地方の眼科医会のボスが「日帰り手術なんて危険極まりない」とやっかみの誹謗中傷を受けることに。素人感覚だと、良い手術方法があったらすぐにでも実践レベルまで技術を高め導入すべきだと思うが、そうは簡単に行かないのだなと感じるエピソードだ。
技術向上のため豚の眼600眼で手術練習
私自身は研修医時代には、解体施設からもらってきた豚の眼(豚の眼は、人の目とよく似ています)を使って、約600眼もの練習手術をしました。この練習のおかげで、私は白内障手術では、人間の患者さんでの1例目から、裸眼で1.0という良い視力を出す手術結果を残しました。つまり人間の目では練習しなかったのです。
これは大学病院などで人間の眼を実験台にするよりも絶対に患者にとって良い結果を生むので、取り入れてほしいものだ。失敗の数も減らせるし成功して良い結果を残せれば大学病院の評判も良くなるのだから。
目はむき出しの臓器
「目はむき出しの臓器」です。みなさんが、目に良いことを考える時は、これが非常に大切なポイントです。むき出しですから、外からの刺激に弱いのです。
学校のプールの設置された眼洗い場や水道水で眼を洗うのは厳禁です。よっぽど目にゴミが入ったということでもない限り目は洗ってはいけません。角膜保護成分が流れ角膜が傷みます。同様にプールや海水浴ではゴーグルは必須アイテム。
最近目に優しいと謳ったコンタクトレンズが流行っていますが、着用は8時間以内が賢明だと言います。他にも僕たちの眼に関する間違った知識を治すための情報が詰まった書籍となっております。大事な視力を失わないためにも正しい知識を。
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