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自分でつくるセーフティーネット 生存戦略としてのIT入門

会社と家族だけでは生き残れない。広く浅く「つながる」ことが、これからのセーフティーネットになる。消滅しない人間関係の築き方。

安心感を生み出すムラ意識

九〇年代の初めごろ、住友商事や三井物産みたいな総合商社に取材に行くことがけっこうありました。いつも驚くのは、どこの商社のオフィスも驚くほどに美人だらけということ。そこでいつものように、何でも知ってる事情通の先輩記者に聞いてみたわけです。「総合商社って、なんであんなに美人ばっかりなんですかね。それと比べたらわが新聞社は……いや、それは禁句ですけど」「ああやって美人を集めて、それを男性の二十代の総合職社員にひとりずつアシスタントにつけるんだよ。そうするとだいたいみんな結婚するから、社内結婚で会社の中の団結力を固められる。そういう巧妙な仕組みになってるんだよ」

なるほど、美人が多い会社にはそんな意図があったのかと感心。僕の勤めていた会社でも美人ではないがそういった動きがあった。僕が彼女と別れたという情報はがいると、アルバイトの子と付き合っちゃいなよ的な事を言う人が出てきて、今考えると、同じ社内でカップルが成立すれば待遇云々よりも強固な結びつきが生まれるだろう。こうしたムラ意識が安心感をもたらすと言うのはあながち間違っていないのだろう。

グローバル保守というパラドクス

サッポロビールの面接試験に現れた男子学生が、質問にも答えないでずーっと黙っていて、面接官がたまりかねて「どうして君、何も言わないの?」と問うと、たったひとこと。「男は黙ってサッポロビール」これで内定一発ゲットだったとか、まあ嘘だと思いますが、そんな話がまことしやかに語られてました。これ以外にも、「シャネルスーツを着て就職活動をしているお嬢さん学生がいる」なんていう噂も話題に上ったりしたことがあります。シャネルスーツは、一着五十万円以上もする女性向け高級スーツの代名詞ですよね。ところが二十一世紀の学生の就活スーツは、全員がブラックのほとんど同じデザインのものになってしまっています。男子も女子も。正社員の募集人員が少なくなってしまって、 企業は「変わったヤツ」をリスクをとってまで採用しなくなり、学生の側もそれに応じてどんどん保守的にふつうを装うようになったんですね。 世間ではやれグローバル人材だ、やれ世界に出て行くんだ、起業家増やすんだとか言ってて政府もアベノミクスでそういう旗振ってるのに、肝心の若者が前よりも保守的になっちゃってる。何というか、強烈な皮肉みたいなもんを感じますね。

「男は黙ってサッポロビール」で内定一発ゲットなんて言うのは冗談だろう。アルバイトの採用面接ぐらいだったらそれでも通るだろうが、正社員となるとそうはいかないだろう。そんなぶっ飛んだ存在は採用後、一律な能力を要求する会社組織にとってリスクでしかない。出る杭は打たれるというが、出る杭になりそうな人材は最初からお断りというわけだ。学生の就活スーツにもそれがあらわれていて、みんな同じようなデザインの黒いリクルートスーツを纏って面接に挑む。紳士服を取り扱う店舗が就活スーツとして売り出すのはどれも同じようなデザインで芸がない。面接でストライプのスーツやスリーピースのスーツを着て行ったら明らかに浮くだろう。そんな変わった人をリスクと捉える企業は少なくない。

「リア充自慢」と思われずに「いいね!」してもらう方法

みなさんは、 フェイスブックとかツイッターのようなSNSって、何の意味があると思っていらっしゃいますか。いちおう登録したけど、何に使ったらいいかわからない、って人もいるでしょう。とりあえず「今日はお昼にそば食べた」なんて書き込んでみたりしたり。最近は中高年の利用者も増えてきて、「若い女性の部下のフェイスブックに『いいね!』いっぱいつけてると気持ち悪がられるから、ほどほどにしましょう」なんていうアドバイスが雑誌に載っていたりします。他人の日々の生活が全部丸見えになっちゃうから、たしかに女性のフェイスブックをずっと眺めてると彼女の生活が丸わかりになります。でもあんまりやりすぎると、ストーカーみたいになっちゃうので、ほどほどにってのは大事なことですね。あと、あまりにも価値のないことばっかり書いてても、つながってる人たちに呆れられちゃうかもしれません。お昼ご飯に何を食べたのかを書いてもいいと思うんですが、毎日毎日、社員食堂のカレーや定食の写真ばっかりで、おまけに情報も何もないとなると、「いったいこの人は何のために不味そうな社員食堂の写真をアップしてるのか」と不審がられること請け合いです。 どうせランチの話を書くんだったら、会社の近所のB級グルメ食べ歩いて、ひとことレビューを加えてみるとか、そういう有用さがあれば、みんなに「いいね!」してもらえる確率はぐんとアップします。わたしがお勧めするのは、自分が読んで面白い、重要だと思ったネットの記事を、フェイスブックで紹介することです。自分の感想コメントもつけてね。しかもそれが自分の専門分野の話だったりすると、その分野のことを知りたいと思ってる人から「へえ、そんな話があるんだ!」と興味を持たれたり、自分の専門コメントに「なるほど、そういう分析ができるんですね」と感心されたりします。

僕はブログに読んだ本の感想をアップしているので、その宣伝を兼ねて、インスタグラムに感想の一部を抜粋して投稿しています。外食はスタバぐらいしかいかないので、料理の写真をあげたりすることはたまにしかありません。基本、読んだ本の感想がメイン。本好きが集まるアカウントとなっています。

SNSはうまく利用すればコミュニティーを作れたり、セーフティーネットとしてはたらいたりするので、好みのタイプのSNSを敬遠せずにやると良いと思います。僕もInstagramやFacebook、Twitterなどに登録はしたものの、1年前まであまり使っていませんでした。その中でもInstagramは写真とちょっとしたコメントでゆる〜く発信できるのでおすすめです。ブログはオワコンと言われる時代、SNSも活用していくと多くの人と繋がることができるので是非みなさんチャレンジしてみてください。

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