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「社会的入院」で入院期間40年。精神医療の実態とは?

「社会的入院」とは、「本来の治療目的で病院に入院しているのではなく、治療の必要がなくなったにもかかわらず、生活条件が整っていないために長期入院を続けている状態、またはその状態の患者のこと」を意味する。厚生労働省の推計では7万2千人だが、20万人に及ぶのではという調査結果もある。ノンフィクション作家が、精神科病院の「長期療養型」病棟への入院体験をもとに、「社会的入院」の内実を初めて明るみに出す。

精神科への入院

うつ病や統合失調症などのいわゆる内因性精神病の患者さんは、人間関係など社会的ストレスでその病状が増悪する傾向があります。そのため、病状が悪化したときは、社会的ストレスから離れて精神科病院に入院すること自体に治療的意義があることが多い。しかし、認知症の方の入院は必ずしも得策ではありません。というのも、精神症状や行動障害が問題となる認知症の方の認知機能障害は、軽度から中程度が多く、もし精神科病院に入院した場合、『精神科病棟に入れられた』ということを理解できることが多いのです。しかも、高齢者ともなると、若い世代と比較して、精神科病院への偏見が強い傾向があります。精神科病院に入院したことで、今後はそのことに反応して、かえって精神症状や行動障害を増悪させてしまうこともあるわけです

僕の入院していた病棟は閉鎖病棟で比較的症状の重い、もしくは一時的に閉鎖的環境が必要な患者がメインでした。認知症っぽいおじいちゃんが1人だけいたがその人の症状は軽度のものでそれよりもうつ症状の方が目立つ感じだった。閉鎖病棟といっても新しく建てられた病棟だったので、綺麗で過ごしやすく、みなさんがイメージする鉄格子に囲まれた牢獄のような環境とは違いました。(僕は医療保護入院だったので、一時的にいわゆる〝独房〟、鉄の扉で内側からは開かない仕組みになっている部屋に入れられましたがww)

精神科病院の閉鎖病棟の実態

W棟の男子病棟の入院者は約六十人。G病院の入院者総数の六分の一を占めていた。しかし、「開放」とはいっても、その病棟の実態は「閉鎖」も同然だった。そこは二十四時間体制で施錠されており、入院者の自由な外出は許されていなかった。保護者である肉親が同伴しない限り、散歩や外泊も許されない。外出といえば、週に一度、二時間程度の集団散歩があった。ただし、看護師の監視付きである。OT(生活作業訓練療法)参加者にも〝療法〟の一環として散歩が許されたが、これも看護師の監視付きだった。私はこの集団散歩とOTに一度も参加したことがない。病棟への面会者の差し入れは、原則禁止されていた。買い物は週に一度できる。しかし、買い物といっても院外に出るわけではなく、利用できるのは病棟一階の売店のみ。入院者の小遣いは会計室で管理され、買い物日には現金の代わりにプリペードカードが入院者ここに支給される。この買い出しにしても、看護師の引率のものと、入院者はゾロゾロと集団行動を強いられた。つまり、私の入ったW棟は「開放」の名を借りた完全な「閉鎖病棟」だった。このおそろしく管理的な看護システムを、私は入院する日まで全く知らせれていない。

僕の閉鎖病棟での入院生活では、管理されたお小遣いから週に2度買い物代行によっておやつかなんかを買ってきてもらうことができた。外出や外泊は担当医師の許可のもと保護者やなんかの同伴が必要だった。閉鎖病棟から出て、駅前のカフェでコーヒーを飲んで帰ってくるぐらいの外出時間しかもらえなかったがそれでも入院中の息抜きとしては貴重な体験だった。一方開放病棟は、外出が患者同士でもできるようで、開放病棟に入院歴のある患者の話だと、カラオケにいったりスマホが使える時間があったりとかなり自由がきくようだった。精神科病院での入院生活を楽しむにはとにかく他の患者と仲良くなることが必要。同世代の患者はもちろん高齢の方や女性ともおしゃべりできないと有り余る時間を消費することができない。喫煙室ではいつもたむろしている患者がなんの薬を処方されているのかとかの情報交換から世間話まで様々な会話が繰り広げられる。僕の入院した病院では男女が一緒の病棟に混在している(部屋は別だが)状態だったので、患者同士の距離が近づきすぎると強制的に退院させられたりと恋愛については暗黙の了解で禁止されていた。

統合失調症はほぼ100人に1人

統合失調症はほぼ百人に一人の割合で発症するという。不思議なことに、この比率はいつの世もだいたい同じで、幻聴や幻覚、興奮、混乱、人格変容など、が共通した症状でもある。しかし、はるか遠い昔、これらの人々はどういう存在として見られていたか。前出の石川信義医師によると、時代によっては「狂気の人」がむしろ「聖なる人」として扱われたこともあったという。「古代ギリシャの時代、プラトンなどは彼らを神から選ばれたものとして見た。なぜなら、彼らは普通の人が見たり感じたりできないものを、見たり感じたりすることができる。この能力は神から特別に与えられたものと考えたのです」

自分には神の啓示が聞こえると勘違いしたりすることでギャンブルなどに手を出し身をやつす人もいるようだ。僕も一時期、全ての株式の変動が自分の思い通りになるという妄想に取り憑かれたことがある。試しに予想を立てチャートをウォッチして見たがそんなことは起こらなかったww

精神科病院の入院患者がどのような生活を送っているかがわかる書籍。僕の入院していた病院よりもひどい環境が記してあるが、7年前(僕が入院していたのは10年以上前)の書籍なので、現在は幾分改善されている病院が多いのだろうと思う。

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