「本離れ」が叫ばれて久しい昨今ですが、おそらく多くの人が本を読まななくなった理由の一つは「読んだそばから忘れるから、何のために読んでいるかわからない」ことにあるのでしょう。本書で紹介する「アウトプット読書」は、そのむなしさを払拭するものであり、「話す」「伝える」「書く」力など、仕事に必要なあらゆる能力を一気に上達させる読書法です。
「2割読み」飛ばし読みする
「最初から最後まで、極力、一言一句の〝読み漏らし〟なく読み切らなければ、その本を読破したとは言えない」という思い込み。そうではなくて、こう考えてください。「2割読んで、その本全体で言いたいことの半分以上をつかめたらOK。読破したこととし、つかんだ内容をしっかり記憶に留めよう」こんなふうに言うと、「えっ、たったの2割?のこりの8割にすごく大切なことが書かれているかもしれないじゃない。そもそもそんな読み方は、読書の邪道だよ」とあなたは反発するかもしれません。けれども、せっかく買った本をろくすっぽ読まず、あるいは本の内容を何一つつかめず、ほぼまっさらな状態で放置するよりも、2割でも読んだ方がずっとマシだと思いませんか?
僕は結構な割合で飛ばし読みをする。まず目次であたりをつけて、自分が気になるキーワードが出てくる箇所を重点的に読んで、あとは飛ばし読みします。それでも大まかな内容は掴めますし、自分にとって面白い本かどうかの判定はできます。じっくり読みたいと思える本ならば、後日読み返したりもします。中には本の冒頭から僕の心を鷲掴みにして最後まで一気に読ませるような作品に出会うこともありますが、10冊読んで1冊そういった本があればいい方でしょうか。読書の習慣をつけるためにも一言一句隅々まで読もうとせず、読み飛ばしてもいいのだよと言う姿勢で本と向き合えば、読書習慣というのは意外と簡単に身につくものだと思います。
読む順番についても同じことが言えて、目次を読んだら、好きな項目から順に読んでいくというのも全然あり。ビジネス書やハウツー本などでは特にこの方法がオススメ。仕事で忙しくても、空き時間に興味のある項目から順に読んでいくことで知りたいことに最速でアクセスできます。過去に最後まで読みきらなかった本を引っ張り出して、興味のあるところを読み返してみよう。
1テーマで5冊読む
仕事をするなかで、まったく知らない分野の知識を要求されることは、よくあります。「専門知識さえあれば大丈夫」というほど、仕事は甘くないのです。たとえばあなたが「未開拓の海外市場に販路を開と命じられた」場合、そこがどんな歴史・習慣のある国なのかをある程度勉強しなければなりません。また近ごろは、セクハラ・パワハラ・精神障害などの知識がなければ、あなたは上司失格とされないとも限りません。どんなテーマにせよ、それが仕事に必要なもの、あるいは自分の知的好奇心から知りたいものであるなら、本を読んで勉強するのが一番です。
理想的な本の読み方としては、一つのテーマで5冊チョイスして読んでみる。少なくとも3冊は読んでおきたいものです。そして読み終わって8割がた忘れてしまってもOKという緩さも必要かと思います。同じテーマで複数冊読むことで、同じような内容のことを言っている箇所が必ずいくつか出てきます。その最大公約数的なところがそのテーマで肝とされるところです。5冊読めばかなり詳しい部類に入ることが可能でしょう。
アウトプットするためのSNS活用法
もっともシンプルなSNS活用法は、読んだ本に関する話題を発信することです。前に述べたように、読書においては「読んでいるそばから忘れる」ことが起こりがち。その逆をいき、「読んでいるそばからコメントをアップする」のです。たとえば、「いま、本屋さんでこんな本買ったよ」(本の表紙の写真付き)「さっそく読みはじめたら、いきなりいい言葉に行き当たったよ」(いい言葉の引用付き)「1章分読んだよ。こんな内容だった!」(簡単な要約付き)といった具合に、あなたの読書体験を〝ライブ配信〟するのです。SNSでは「コメントをもらったら、レスをする」のがある種のマナーですから、発信した相手から何らかの反応を得ることできるはず。
SNSは地道に運用していけばある程度のフォロワーは獲得できます。自分の興味の対象と同じ方向性の人を見つけたらどんどんフォローしたり「いいね!」したりしていきましょう。フォロワーが増えるとコメントをいただける回数も徐々に増えていって承認欲求も満たされたりします。有名人をフォローするのも良いですが、同じ趣味趣向を持った素人をフォローすると思わぬ発見があったりします。僕もInstagramで表紙の写真とともに、短い書籍紹介文を投稿していますが、たまにこの本を紹介、共有してくれてありがとうという声をいただきます。励みになりますしこれからの活動のモチベーションにもつながるのでオススメです。
本を読んだらSNSなどを使ってすぐにアウトプットすると良いでしょう。友達にいいなと思った本を紹介するのもアウトプットの一つです。古典と呼ばれる本と向き合うのも人生の深みを知るのに役立ちます。いますぐ始める読書後のアウトプット術の重要性を説いた書籍。
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