上司になったあなた。部下にどれだけの時間を割いていますか?毎朝、個々の部下たちに60分時間を割くことで部下の意識改革へ。本当に強い組織を作るには部下の育成が必須項目なので実践すればあなたのチームはひとまわりもふたまわりもお大きくなるはず。
部下を朝会に引き込む
私がコンサルティングをしているあるチェーン店での話です。各店舗では毎朝、朝礼があると聞いたので、その朝礼の場で、社員全員に1人1分の発表をしてもらいたいと提案したのです。 発表の内容は、前日にあった自分以外の人、出来事、組織、会社に関して、よかったことを1つ、悪かったことを1つ話すというものです。悪かったことについては、「どうやったらよくなるか?」という提案も添えてもらいました。発表の内容は何でもあり、としましたが、その代わり、発表のなかでは「わかりません」「特に今日はありません」は一切許さないことを徹底しました。もし、それを許してしまうと、「今日はいいや」と思考が停止してしまうからです。この発表には、大きな効果が4つありました。1つ目は、自分がいいたいことを必ず伝えるという場が提供されていること。2つ目は、よいことに対して職場のみんなで承認をする場が設けられているということ。3つ目は、よくないと思うことに対して、「どうしたらよくなるか?」という日々改善の意識が生まれること。最後が、同僚や会社・組織に対して、強く関心を寄せるようになるという効果です。さらに、1店舗あたりの従業員数が 10 人なら、毎日 10 個の改善提案が挙がることになります。 10 店舗なら100個、1月で3000個以上の改善提案が自然に集まってきます。それを1つひとつ改善することで、店舗自体の業績もどんどん上がっていきました。スタートは1人の社員の小さな気づきに過ぎなくても、積み重ねていけば大きな成功につながるのです。
朝礼ってなんだか宗教みたいで嫌い。上司と差しで就業前にコーヒーでも飲みながら雑談や仕事のことに対する話をする機会を持つぐらいがちょうどいいのではと思う。朝礼で店舗ごとの売り上げ報告をしたり叱咤激励するのはもう時代遅れかも知れない。ちょっと間違うとパワハラやモラハラまがいのことが普通に行われている朝礼はどんどん廃止すべき。代わりに従業員一人ひとりとの時間を上司が取ることで会社の考え方や上司の思いを伝えた方が部下には響くのではなかろうか。
アイメッセージ・ユーメッセージ
心理学の世界で、「アイメッセージ・ユーメッセージ」という言葉があります。アイメッセージとは、「I(私の)メッセージ」、つまり「私は~です」「私は~してほしい」と、常に私が主体のいい方のことです。ユーメッセージは「YOU(あなた)」が主体ということです。内容は同じことでも、主体をどこに置くかでいい方に大きな違いが生まれます。たとえば、報告書の提出が遅れている部下に対して、上司がこういったとします。 「お前はいつになったら報告書ができるんだ。早く提出しろ!」これは、YOUメッセージです。相手が主体になるので主張が強く、命令調になります。私がこういわれたら、「わかってるよ、出せばいいんだろう!」と、反抗的な態度を取ってしまいそうです。しかし、 「明日の朝までに報告書を出してくれると、俺も助かるんだけどな」といわれたら、どうでしょうか。「そうか、上司も困ってるんだな」と思い、報告書の作成を最優先事項にして取りかかるでしょう。これがアイメッセージです。上司が主体となって、困っている自分の気持ちをそのまま表現した結果、相手の心を強く動かしたのです。
アイメッセージを心がければ自然と自分の言葉で喋るようになり理解を得られるようになるのかも知れませんね。自分の気持ちを言葉にのせることで説得力が増します。
これからの社内コミュニケーションを考える
知り合いの外国のご婦人が、「夫婦は、一生わかり合えないものよ。わかり合えないからこそ、会話することをやめてしまったら、夫婦なんておしまいよ」といっていました。彼女は、「夫婦」とはいいましたが、国籍の違いや、男と女の違いというより、わかり合おうとする努力があるかどうかが重要であるということなのでしょう。夫婦を上司と部下に置き換えてみてください。そもそも、上司と部下はわかり合えないものなのです。この前提を持っているかいないかで、お互いの関係は変わってきます。上司は、このくらいはわかっているだろうと「勝手に」判断して仕事を任せる、部下は、このくらいはわかってくれるだろうと「勝手に」判断して締切を守らない。 お互いの「勝手な」思い込みが、お互いの理解を遠ざけてしまうのです。上司と部下はわかり合えない前提で相手と接していれば、余計な期待も失望もありません。いわなくても伝わっているなどと思わず、必要なことを必要なタイミングで、具体的に話せばいいのです。
他人とわかり合おうなんて事は思わなくてもいい。そう考えればコミュニケーションがうまく取れないと悩む事はなくなるのではないでしょうか。人は人自分は自分という考えの上に関係が成り立つわけです。
朝60分部下のために費やしてみれば、部下はみるみる変わっていく事でしょう。部下を持ったらどのようにして部下と接すれば良いのかというのは永遠の課題です。
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