長い経済の低迷や不祥事が絶えない政治、日本全体が決して明るい未来とは言えないような状況下で数々の災害が起きています。自信を失いかけた日本人に日本の凄いところをあらためて再認識してもらい自信回復してもらうための書籍。
権利意識が低い日本人
サンフランシスコに住んでいる友人から、由々しきことを問きました。電車の乗り換えがわからず、インフォメーションで駅員さんに尋ねようとしたら、足を机に載せたまま、携帯電話で話しながら「ちょっと待って」と言われたというのです。そんな怠惰な勤務態度は、日本では許されません。しかし彼のような人は、外国では珍しくありません。しかも、権利国家のアメリカでは、どんなにいい加減でも、「自分は給料をしっかりもらう権利がある」と堂々と主張します。それがヒートアップすると、不公平や経済格差に不満をもった市民が公平を求め、「ウォール街を占拠せよ」のようなアクションが起こったりするのです。しかし、それはアメリカ人の本来の姿ではありません。アメリカ人は、もともとは自分たちの力でフロンティアを開拓し、栄光をつかみとろうとするスピリットをもっていたはずです。それが、「わたしはこんなに頑張っているのに、なぜあの人は自分よりも厚い待遇を受けているのか?」などと、受け身な要求ばかりするようになっています。アメリカにとって、非常に危険なシグナルだと思います。
こんなに頑張っているのにあの人との待遇の違いにうんざりするといったことはしばしば起こる。それはあなたの持っているスキルの市場価値が低いからかもしれません。僕のようにブログやSNSで発信する人の中には同じPVやフォロワー数でも稼いでいる人とそうでない人で明暗が分かれます。僕は書評ブロガーというレッドオーシャンに飛び込んだので覚悟はしていましたが、これがなかなか稼げない。Google AdSenseやAmazonアソシエイト等でも1000PV/1日=7000円〜1万円程度と思っていただければ想像しやすいかと思います。ちなみにブログだけでSNS等を使わないと1000PV稼ぐのにも時間を要するでしょう。趣味でやる分には全然問題ないと思いますが、ブログをやっている人なんて星の数ほどいるので、そこで輝ける人は限られてきます。動画編集のバイトでもやった方がよっぽど稼げるでしょう。
継続に価値を置くエブリワン主義
日本企業のトップは、学生が困難な仕事に対しても、前向きな精神で取り組めるか?忍耐力があるか?に価値を置いているように思えます。一方、アメリカの場合は、困難な危機に直面したときこそ勝負をかけ、勝利を勝ち取るハートをもった人間が高く評価されます。アメフトのクォーターバックが、いい例です。練習で決められたプレイを途中で捨ててでも、危険があったときやチャンスのときには、独断で瞬間的に自主的な行動をとり、点を獲得する。例えリスクがあっても、時には他のプレイヤーやコーチがついていけなくても、結果を出せばそれでいい。その姿勢が評価され、英雄的選手として賞賛を得るのです。個人を優先するアメリカをワンマン組織とするならば、日本の経営者は、言ってみればエブリワン(全員)のチームワークを求めます。そして、エブリワンでうまくいくためには、企業の継続性に対する忠誠心や仕事に対する忍耐強さが貴重になるのです。日本の学生も同じマインドをもっており、履歴書には「毎日の犬の散歩を欠かさずに行っている」とか「同じところでアルバイトを継続し、接客業を学んだ」などを強調してアピールする人たちがたくさんいます。最初わたしには、面接で犬の散歩をアピールする学生の気持ちがさっぱりわかりませんでした。
よくコミットするとかいう言葉を聞くようになって久しいが、日本人はこの言葉を気軽に使いすぎだという海外の人がいます。コミットするなら必達目標に届かず失敗したときに自分が首になってもしょうがないと思うようにしろというのが海外的考え方らしいです。その点日本人は失敗や目標到達できなかったのに今まで通りしれっとしていてどうかと思うということです。
会社は社員のためにあるという考え方
短期間に会社を転々とする人より、同じ会社に長く勤務する人のほうが評価されるようになってきた」との報告がありました。日本的な経営のあり方をリスペクトしているわたしからすると、やっと他の国々もこの原点に戻ったなと感じて、うれしくなりました。ただこれは働く人だけでなく、経営者にもいえることです。オーナーに雇われて社長を務める人のなかには、一つの企業の経営に時間をかけてじっくり取り組むのではなく、報酬を重視するためか、短期間で利益を出して企業を渡り歩くようなタイプの人が多くいます。しかし、そういう経営者は、その企業が抱える本質的な問題を見つけることができなかったり、真剣に改善しようと努力しなかったりする傾向があります。どうしても短期的な視点になりがちなのです。これに比べて、日本の経営者の多くは、長期的視野に立って、企業の問題を見据え、どうすれば少しでも自分の会社がよくなるか、社員の生活を守れるかに心を砕いています。日本の経営トップは、社員に対して忠実で強い責任を感じています。これは、すばらしい価値観です。
会社は株主のものという考え方よりは日本的な会社は社員のためにあるという考え方の方が国民性にマッチする。しかし、現在は欧米流の株主主体の考え方にシフトする企業も増えているようです。
僕たちの知っている日本は海外の人には奇妙に映ることも。そんな日本を再発見できる書籍。あなたは「日本の凄いところは?」と海外の人に聞かれていくつ凄いところをあげられるだろうか?
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