いま、3大メガバンクをはじめとした金融機関が、生き残りをかけて、あなたを「投資」に誘い込もうとしています。マイナス金利政策をはじめとする日本銀行の無謀ともいうべき金融政策で、銀行など多くの金融機関が運用難に陥り、真綿で首を絞められるように収益が悪化しています。多額の内部留保を抱えた企業には融資が難しく、住宅販売低迷で個人の新規ローンも増やせず、日銀の当座預金も封じられ国債買いもままならない。そんな状況の中。今あなたのお金が狙われています。
真実+真実が嘘になる〜外貨建て保険
「日本の銀行ではほとんど利息がつかない」というのは「真実」です。「この商品なら運用利回り3%以上」というのも「真実」です。両方とも「真実」なので、多くの人は「日本の銀行ではほとんど利息がつかないが、この商品なら運用利回り3%以上」ということも、本当のことだと思ってしまう。けれど、ここにまず第一の落とし穴があります。それは「真実」+「真実」が、必ずしも「真実」になるとは限らないということです。なぜかといえば、「日本の銀行ではほとんど利息がつかない」というのは、「預金」の話です。もう1つの、「この商品なら運用利回り3%以上」というのは、「生命保険」の話です。そして、「預金」と「生命保険」は、同じ商品設計ではありません。
外貨建て保険のこのケースのうたい文句は、分けて考えるべき「貯金」と「保険」を同列に並べて「日本の銀行ではほとんど利息がつかないが、この商品なら運用利回り3%以上」と説明している。これは貯金が増えないことを心配する心理をついて、「保険」が有利だと思わせるテクニックなのです。また「この商品なら運用利回り3%以上」の中にも嘘が含まれている。確かに運用利回りは3%以上なのですが、払った保険料全てが3%以上で運用されるのではなく、保険料の中から様々なもの(保険の外務員のマージンや保険会社が「保険」を維持・管理するための手数料、「保険」本来の機能である「死亡保障」や「入院保障」)が引かれ、残りが運用されることに。
貯金なら1万円預けると0.001%であっても利息がついていくのでいつ解約しても1万円を割り込むことはありません。しかし、「保険」の場合1万円の保険料を払うとそこから「保険」の運営費や保障のお金が差し引かれます。つまり「この商品なら運用利回り3%以上」は嘘ではないが、預けた保険料がそのまま3%で運用されるわけではないのです。なので契約してすぐに解約すると元本割れしてしまいます。僕が契約した保険商品でも契約から数年立たないとプラスにならない仕組みでした。放っておけるお金ならば良いですが、そうでない場合あまりお勧めできません。加えて、日本にある保険会社で入った「外貨建て生命保険」は日本でしか引き出せないので、引き出す時必ず為替の影響を受けます。
必要のない保障にお金を払い続ける可能性
大学まで行かせると子供1人約1000万円かかると言われています。これだけのお金は、妻のパートではなかなか稼げないので、夫に保険金として残してもらわなくてはなりません。ただ、この「子供1人約1000万円」の死亡保障も、子供が社会人になったら必要なくなります。子供が社会人になると教育費がかからなくなり、妻もパートなどに出やすくなるからです。さらに、夫がサラリーマンだと、死亡した場合にもある程度まとまった死亡退職金が入り、妻には遺族年金もあります。ですから、通常は子供が社会人になった時点で死亡をカバーする保険をやめて、払っていた保険料を老後のために貯蓄していくというのが合理的な方法です。
僕の祖母は父方も母方も保険の外交員だったので、保険に関しては丸投げでしたが、病気にかかって2回の入院(3ヵ月)で元を取った感じです。保険で払うはずだった入院治療費が丸々浮いたので貯蓄に回しました。そのおかげで現在何不自由なく暮らせているので感謝です。保険の外交員といえばライフプランに合わせた保険のアフターフォローを思い浮かべる方も多いのでは?しかし、定期的に訪れて新しい保険に入らせるのはアフターフォローではなく、外交員のマージンのため。保険のマージンは契約後2〜3年で切れることから定期的にやってくるのです。
「投資に向かない人」チェックリスト
①よくわからないので、みんなが「投資」しているものに「投資」する。
②細かい文字は苦手なので、専門家に商品説明してもらいたい。
③インターネットは苦手。電話で頼めるものがいい。
④損得を、電卓で計算するのは苦手。
⑤恋愛でズルズル引きずるタイプ。割り切りが悪い方。
⑥絶対に損したくない。自分が損をするとは思えない。
⑦これから子供に教育費がかかるので、お金を増やしておきたい。
⑧とにかく毎日忙しいので、手間のかからない「投資」をしたい。
⑨他人から素直な性格と言われ、世の中を斜めに見るのが苦手。
⑩勝負事に熱くなりやすい。宝くじを買うくらいなら競馬をする。
チェックリストに当てはまる数が多い人は投資には向いていないかも。
銀行、証券、生保あらゆる手段であなたのお金が狙われている。そう自覚して世の中を生きていくぐらいの賢さが、大切なお金を失わないためには必要なのだと思い知らされる書籍でした。自分のお金のこと他人に丸投げするようではお金を失いかねません。
【サブスク】 Kindle Unlimited
僕が利用している読書コミュニティサイト
【本が好き】https://www.honzuki.jp/
【シミルボン】https://shimirubon.jp/