世界への飛躍をめざす日本人に必須なのは「捨てる力」。ソニーを経てグーグルのトップを務めた著者が語る新しいビジネスルール。圧倒的な意思決定のスピードは、どこから生まれてくるのか?処女作『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』から3年半、グーグル日本法人元社長がついに待望の2作目。
「捨てる」ことが苦手な日本人
私の考えは、すでに時代の流れに追随できなくなって、世の中に新しい価値を提供できなくなった企業はむしろ自然に 淘汰 されたほうがよい、というものだ。こう言い放つと、ずいぶん乱暴で失礼な言い方に聞こえるかもしれないが、考えてみてほしい。たとえば、ソニーが設立されたのは一九四六年だから、今年で六十八歳である。人間であればとうに定年退職を迎えて余生を過ごしている年齢だ。パナソニックにいたっては、もうすぐ百歳を迎えようというご長寿だ。べつにこうした企業を老人扱いして、排除しようということではない。私が言いたいのは、こうした「高齢企業」にばかり期待して、やれ「復活」だの「再生」だのと周囲が 煽るのは酷であり、むしろ失礼なのではないか、ということなのだ。これら企業はすでに戦後の日本の経済発展に多大なる貢献をしてきた。日本の進むべき方向やビジョンを示し、豊かさを実現し、世界に日本ブランドのすばらしさを知らしめ、他国の経済成長にも 著しい貢献を果たしてきた。そういった意味では、もうその役割を十二分に果たし終えた存在であるともいえる。それなのに「もっとがんばれ。引きつづき日本経済の牽引役になれ」と言うのは、まさにご老体にむち打つようなことではないだろうか。
ソニーやパナソニックがご老体とは面白いことを言う。確かに不採算事業を切り離したり、大きくなりすぎたその体は筋力と見合っていないような気がする。まさしくご老体。下手に体が大きいものだから、後発で新しい事業に乗り出したりするスピードも心なしか遅いような気がする。投資家は「復活」「再生」などと過度な期待を寄せるのではなく、今までの成長に感謝して老後の生活を楽しんでもらうぐらいのスタンスが良いだろう。
「世界中の情報を整理する」というミッション
「世界中の情報を整理する」というミッションのもとに、インターネット全体の広告配信をしている。つまり、グーグルのアドワーズは世界でもっとも巨大なアドネットワークといえる。グーグルもアマゾンと同じく、初期のころは収益は二の次で、まず圧倒的多数のユーザーを集めることに集中した。アマゾンもグーグルも、圧倒的多数のユーザーを集めることに集中してきたと述べたが、これらプラットフォーマーの意図をもう少し掘り下げて考えてみると、彼らは多数のユーザーを集めながら、同時に多数の「データ」も集めているといえる。つまり、創業当初から、アマゾンもグーグルも「ビッグデータ」を集めることを企業目的としてきたともいえる。圧倒的多数のユーザーと、そのユーザーにまつわるビッグデータを集めるため、両社は徹底的に使いやすいサイトを構築し、パートナー企業やユーザーをプラットフォームに参画させて商品ラインナップを拡充し、世界最高の検索エンジンを開発し、セキュリティを強化し、プラットフォームを支えるデータセンターやウェアハウスなどのハードウェアシステムにも大金を投じつづけているのである。そして、プラットフォームのユーザーが増えるから、そこに参画したいパートナーも増え、販売者も増えつづけるという好循環を生み出している。
グーグルやアマゾンは今では生活になくてはならないインフラのようなものとなりつつある。僕なんかはっきり言ってこの2社が明日からなくなるなんてことがあったら、たちまち世の中から孤立してしまう。情報弱者の買い物難民と化す可能性が高いです。グーグルからはブログの広告収入としておこずかいをもらっている身なのでこれがなくなると、読書しようにも本が買えないと言う事態に。
アップルの方向転換
アップルは、そもそものハードウェアメーカーという生い立ちからか、クラウドへの取り組みは出遅れていたように思う。しかし、その後、iCloudをはじめ、ビッグデータを活用するうえでの仕組みも整えている。また、音楽ダウンロードはすでに時代遅れで失速しつつあり、スポティファイなど定額の聴き放題サービスの人気が高まるなか、ビーツ・エレクトロニクスの買収を発表するなど、クラウドやデータ分析をより活かしたサービスへと軸足を移そうとしているようにも見える。
iPodの成功で一気に市民権を得たiTunesだがすでに地殻変動は起きていて、音楽ダウンロードは時代遅れのものとして失速しつつある。代わりにサブスクリプションサービスが台頭してきていてアップルもそちらに舵を切るべくApple Musicの宣伝を強化。僕はApple Loverで貧乏なので、スポティファイなど他のサブスクリプションサービスは利用していないが、それでも多くの楽曲に触れることができる。
驚異的なスピードで進化するビジネスシーン。成功体験にしがみついている企業は変化について行くことができず取り残されることに。GAFAの力が日増しにます今、その圧倒的なスピードはどこから生まれてきているのかを分析する書籍。
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