うつ病や不安障害など、心の病は脳内の神経伝達物質のインバランスによって発生する。薬を服用すれば症状は回復するが、薬には副作用がある。脳に恒久的なダメージを与えてしまいかねない。薬に頼らない治療法はないものか――。本書は、心の病を正しい食生活、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸をうまく摂取することで治す「分子整合精神医学」という方法を紹介する。「なぜフライドポテトはダメなのか」「なぜ精製白パンよりもライ麦パンのほうがいいのか」など食生活についての基本的な認識から、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどのサプリメントを活用した摂取方法まで具体的に解説。健康な精神生活を送るために必要な知識を満載。
心の病とは何か?
まず、心の病とは何かを明確にしておこう。気分の落ち込みや悲しみ、やる気の出ない日々がずっとつづくのは、うつ病。はっきりとした原因がないのに、どうも気になってしかたがない、安心できないのが、不安障害。なんども手を洗わないと気がすまないなど、馬鹿馬鹿しいと自分でもわかっているのだが、あまり意味のないことにこだわるのが、強迫性障害。ありもしないものが見えたり、友だちが自分の悪口を周囲に広めているように思えてならないのが、精神分裂病(統合失調症)である。ここにあげた、うつ病、不安障害、強迫性障害、統合失調症は、心の病の代表で、現在、自分自身が苦しんでいたり、過去に苦しんだ経験を持つ人は多い。そして家族や親戚にそのような心の病に苦しんでいる人を持つ人を数えれば、国民の半数近くになるはずである。うつ病が「心のかぜ」と呼ばれるように、わが国にはうつ病者が五百万人いると推定されている。また、統合失調症は、民族や国にかかわらず人口の一パーセントが発症することがわかっているから、わが国には百万人の統合失調症者がいるはずである。心の病は珍しいものではない。
僕はこの「心の病」という表現があまり好きではない。心という曖昧なものさしで測るとしばしば、頑張りや根性が足りないといったことを言う人が出てくるからだ。実際は脳の働きやなんかで行動が抑制されたり、幻聴や幻覚まで見えたりするからだ。僕の場合、統合失調症の寛解に近づいてきた実感はある、しかし今だに幻覚こそ見なくなったが、幻聴や幻臭まで発生することがある。これが心の作用だとは到底言えず、明らかに脳に何かが作用しているからだ。
不安定な脳
もしかしてあなたは、あなたの不安定な脳のために、元気、気迫、喜び、自信といったあなたの財産を見失っているのではないだろうか。しかし、あなたは、精神科医を訪ねることに抵抗感がある。また、悩みに苦しむあなたがすぐれた心理カウンセラーと話すだけで、こうした心の問題が解決するという考えは、二十世紀の大間違いである。あなたの惨めな話を心理カウンセラーに聞いてもらっても、それだけでは、あなたの心の病は根本的な解決に向かうことはない。かつて人間行動は心理的なものとされ、その分析と治療は心理カウンセリングや精神分析が主流であった。しかし一九八〇年以降、アメリカを中心に人間行動を科学によって追跡する研究と治療が始まり、今ではこんなことが明らかになっている。
- 心理的な問題は、ある家族に集中的に発生する。
- 脳に物理的なダメージが発生すると、心理や行動に障害となって現れる。
- 怒りによる暴力、いわゆるキレることは、脳の異常に高い興奮性から起こる。
- 脳内でやり取りされる物質のインバランスによって、うつ病や不安障害などの心の病が発生する。
以上のことからもやはり「心の病」は脳の不具合から来ているのがお分りいただけただろう。この書籍では脳にバランスよく必要な物質を送れるよう、様々な栄養分を摂取するための目安が書かれている。例えばタバコはガンを発生させる死の薬物であることは周知のことだ。低血糖症者が知らなければならないことは、カフェインと同じくニコチンも副腎を刺激し、アドレナリンを放出させる。これにより心臓の鼓動が高まり、血圧と血糖値が上がる。タバコをやめるのは、カフェインを立つよりも数倍難しいが、食事を低GI食品中心のスローフードに変えることによって、感情が安定し、ニコチンへの渇望が下がる。血糖値が安定かするので、1日に吸うタバコの量は楽に減らすことができるだろう。
要は色々な栄養分をバランスよく食べること
亜鉛は、免疫系のはたらき、脳の発達やその働きに重要な役割を果たしている。だから、亜鉛が不足しようものなら、脳の発育や性的な発達が遅れ、食欲不振、味覚異常、嗅覚異常、イライラ、疲労、無感動、健忘症、うつ病、といった多くの感情に関わる障害が発生する。
ビタミン群なんかも偏ると、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、メラトニンが十分に生成できない。メカニズムは解明されていないが、脳の興奮が足りなくなり、やる気が失せ、うつ病が発症する。
「心の病」における脳の反応を制御するためにはどのような食品が効果を見せるかという観点から書かれた書籍。だからと言って、精神科や心療内科を受診せずこの本に書いてある食品を摂り続ければ治るといった類のものではない。医師の診断を仰ぎ薬を処方してもらった上に、副次的に利用するのがいいだろう。
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