人に嫌われているのではないか、誰からも評価されないのではないか……。心の中にそんな恐怖感があると、10キロの重さの嫌なことが、100キロの重さの嫌なことに見えてしまう。悩みが膨らんでエネルギーがなくなり、自信をなくしてしまう。「心の整理」とは「事実の整理」。いるものかいらないものか、自分にとって大切かどうかをはっきりさせ、漠然とした不安の実体を知れば、悩みをスリム化できる。本書は、「最悪を考えておくと、それと比較して今の悩みがどの程度かわかる」「事実そのものが不快なのか、事実に対する自分の解釈が原因なのか、と考えてみる」「あれもこれもと欲張るのをやめて、優先順位をつける」「八方美人をやめて、自分に合う人とつきあう」「嫌なことはやらない」「自分が幸せになるために、意識的に捨てる」など、心を整理する方法を具体的にアドバイス。心の整理は悩みの解決に不可欠。生きることに疲れた時、是非手にとっていただきたい一冊です。
比較して考えると、苦しみの位置が見えてくる
例えば騙されて一〇〇万円を取られてしまったとする。すると悔しくて夜も眠れない。しかし「ガンになるのと、騙されて一〇〇万円を取られるのとどちらを取るか?」と考える。日本人の死因の第一位はガンである。我々は誰でもガンになる可能性はある。ガンに苦しんでいる人は多い。アメリカ人の死因の第一位は心臓病である。第二位はガンである。あまりありそうもない突飛なことではなく、自分に起きそうなことを今の悩みと比較して考えてみる。その比較で今の苦しみを考える。 「今悩んでいるこのことと、つきあっている恋人とイザコザがあることとどちらが苦しいかな」と考えてみる。 「このことと、三年分の給料をなくすこととどちらが苦しいかな」と考える。 「このことと、親友に裏切られることとどちらが苦しいかな」と考える。次々にいろいろなありそうなことと比較していく。すると今自分の直面している苦しみの位置が見えてくる。位置とは自分にとっての位置である。いろいろと比較して位置が見えてくれば、「あー、このことは自分にとってこれだけのことか」と理解できる。こうしていくとものすごいことに思えていたことが、「何でもない、取るに足らないこと」に思えてくるときもある。 「もう生きていけない」と思っていたことが、「何だ、これだけのことか」と思えてくることもある。そのくらい人間というのは勘違いをする。人はよく自分の意識、注意を向ける場所を間違える。注意を向ける場所が違うことで、「生きるか死ぬか」というほどの問題が、「心配するほどのことでもない」と思えることもある。
僕も統合失調症の症状で誰かに監視ストーキングされているような感覚に陥って、外出が億劫になっている。それでも外出する場合はできるだけ慣れた場所のチョイスが必要で、行動範囲は発病前と比べ圧倒的に狭くなってしまった。電車にも乗れないので日々の生活はAmazonやZOZOなどが欠かせない。それでも外に出るときはこう思うようにしている。「芸能人のようにリアルに世間から注目、監視されている人もいるのでそれに比べれば楽な方だ」と。比較して考えると僕の今の境遇は大したことはないと思えるように。
嫌いなことはエネルギーを消費する
嫌いなこととは、その人のエネルギーを奪うことである。その仕事に対するエネルギーだけではなく、その人の生きるエネルギーを奪っていく。嫌いなことをやめることは、生気を取り戻すことでもある。 「あー、明日はあの仕事がある、大変だなー」と思うときに、それは実は簡単なことだけれども、「嫌い」というだけのことかもしれない。もしそうなら「嫌い」と割り切って立ち向かえば、思ったよりも簡単にできるかもしれない。そしてその仕事の「どこが嫌いなのか」ということが分かってくるかもしれない。そうすれば、その部分をどう克服するかも分かってくる。仕事そのものではなく、自分の価値観に問題があるということだって考えられる。怖くないものを怖いと錯覚するように、その仕事をすることが怖くはないのに、それをすることが怖いと思い込んでいるのかもしれない。
嫌いなことに挑むにはエネルギーを使う。ならば極力ストレスのかからない形で生活すればいいだけだ。自分にとって何が大切かが明確になっていれば、やらなくてもいいことは結構無数にあったりする。心の整理とはいわば焦点を絞る作業。出世と健康どちらが大事か?仕事と家族どちらに重きをおくか?自分の価値観に問題があってうまくいかないことだってある。気持ちを楽にがキーワード。
生きることが辛くなったら、自分が持って生まれた素質と育った環境から自分の立ち位置を客観的に見てみよう。自分のしたことを再評価することで行き詰まっていたことに思わぬ解決策が見いだせることも。自分がダメな人間だと思ったら、「いや、違う。よくここまできたなー」と思えば良い。
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