言葉にも、サッカーと同じように、勝ち・負け・引き分けがあります。言葉の使い方で、好かれる人と、そうでない人に分かれます。×の言い方をすると嫌われます。△は嫌われないだけで、好かれるところまでは行きません。好かれる人は、○の言い方をしています。×の言い方が悪いことは、みんなわかっています。○の言い方を知らないと、とりあえず△でお茶を濁します。そこに、あと1歩で好かれる人になるチャンスが残っているのです。仕事や人間関係がうまくいく58の言い回しを紹介する書籍。
「公務員です」より「小学校で体育を教えています」
ラスベガスのショーでも、マジシャンがお客様とやりとりする時は、「どちらからいらっしゃました?」と最初に聞くのです。仕事のことを聞くよりもプライバシー度が低いからです。「どちらから?」と聞いて、狭い範囲で答えてくれたら、話す気がある人だなと思って「仕事は?」と聞きます。「どちらから?」と言われた時に広い範囲で答えたら、それ以上は聞かれません。狭い範囲で答えないと、好かれる関係は生まれません。「お仕事は?」と聞いた時に、「OLです」「販売です」と言われてもよくわかりません。「販売です」というよりは、「〇〇を売っています」と言ってくれた方がわかります。
1回のチャンスで相手ともっと仲良くなりたいと思うなら、「公務員」や「OL」という抽象的な答え方ではなく、より具体的な「小学校で体育を教えています」などと言った方が、その後の会話の総量は増えることになります。会話により広がりを持たせるためにも質問には具体的に応えることが大事。「出身はどこですか?」という質問に対し「中国地方です」というのでは話になりません。「山口の岩国基地の近くです」と答えれば会話に広がりを持たせることができるでしょう。
誘いを断るときは理由よりも、「残念」だという感情
断り方が上手い人は、「なぜかと言うと」という理由をいっさい挙げずに、「残念!いけない」と言います。「残念」という感情だけの方がリアルです。理由がある方が、ウソっぽいのです。理由より感情を伝えるほうが、断られた側も、本当は行きたかったんだと感じます。理由をグジグジ言って行けない人間より、理由を言わない人間の方が好かれるのです。「残念!予定入ってた」というだけで、なぜ行けないかという理由は言う必要がないのです。
確かに理由を並べて断る場合、その予定と誘ったイベントを比較してしまい、自分の誘いは優先順位が低いのかと残念な気持ちになってしまいます。しかし感情を表現すれば、こちらの誘いに来れなくて残念だと思ってくれているのが伝わり、気分を害することは少なくなるだろう。しかし、これは諸刃の剣で、毎回「残念です」と連発していると化けの皮が剥がれるので要注意。本当に残念ならば、数回に1回は誘いに乗らなければ帳尻が合わない。もう誘って欲しくない場合にはしっかり、相手が納得できる理由を挙げ断るべきだと思います。
「いらっしゃいませ」より「こんにちは」
一流ホテルは「こんにちは」と言います。二流ホテルは「いらっしゃいませ」と言います。一流ホテルであればあるほど、お客様がホテルマンに挨拶をします。フロントの前を通って出かける時は「行ってきます」、帰ってきたら「ただいま」と言うのです。フロントマンは、それに対して「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」と返します。
ディズニーランドでもアトラクションの場所を教えてくれたスタッフは別れ際に「行ってらっしゃい」と言います。スターバックスでも来店時は「いらっしゃいませ」ではなく「おはようございます」だ。そしてほとんどの客はそれに返答するかのように会釈や挨拶を返します。
スターバックスでは接客がマニュアルフリーで個々ののスタッフが自由にサービスできるようになっています。きちんとした研修プラスアルファということ。スタバの場合は、カスタマイズされている分、顔よりもオーダーで覚えるようです。「この人は、これをオーダーする」ではなくて、「このオーダーをする人は、この人」と行った具合に。スタッフからすると、全てのお客の〝いつもの〟を覚えるのはしんどいですが、「今日は何になさいますか?」なら「いつものも覚えてくれているけど、今日は違うものを注文しますかと聞いているのかな」と解釈することができます。こういった言葉の選び方が相手に好かれる方法の一つ。
「できません」より「〇〇ならできます」
嫌われない断り方は、「〇〇はできません」と全否定するんではなくて、「〇〇ならできます」と代替案を出すことです。相手も、「〇〇ならできます」と言ってくれたらいいわけです。
「できません」というと、じゃあなんならできるの?ということになるので先回りをして、代替案を出すと仕事はスムーズにいき、上司からの評価も落とさずに済むでしょう。
日常において、言葉の選び方で損をしているかもと思って読み始めたが、なるほどと思えるものから、そこまで必要か?と疑問に思えるものまで。言葉の選び方で相手の反応が変わる。この本に書かれていることを自然に実践できれば人間関係も少し良い方向に向かうかも。
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