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大富豪が実践しているお金の哲学|冨田 和成|一般の人は時間、小金持ちは運、大金持ちは仕組みで稼ぐ

食事や消耗品、教育や住むところに至るまで、お金を支出するときはそれ以上に稼ぐことにつながるかどうかを吟味する。消費によってキャッシュを得ることができない場合は1円たりとも使わないマインドが大富豪のお金の哲学。

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富豪のイメージが悪い原因として、真っ当にお金を稼いでいる人には世間が興味を持たない世俗的な背景もあるでしょう。実際は真っ当な商売人の方が圧倒的に多いにも関わらず、マスコミで大富豪が話題になるのは、富裕層ランキングが発表されるときか、嫌味な成金キャラを演じている「自称セレブ」がネタにされるときか、悪いお金の稼ぎ方をした人がつかまったときがほとんどです。これでは世間の大富豪に対するイメージが悪くなる一方です。まっとうなことをするだけで、大富豪になることはできます。私の知る大富豪を見ても、または世の中で成功したビジネスモデルを見ても、結局のところ誰よりも早く消費者のニーズを読みとったか、誰よりも早く行動を起こしたか、誰よりも完璧なサービスを提供できたか、のいずれかです。以前とあるIT長者に事業成功の極意をたずねたところ、こう言われました。 「インターネットが伸びることは誰でも容易に想像できたはずです。伸びると分かっている市場であれば、当たり前のことをやるだけで当たり前のように結果は出せるはずなんですよ。ただ、それを人よりも少しだけ早く気づいて、少しだけ早く動いて、人よりたくさん努力しただけです」パナソニックを創業した松下幸之助氏の言葉で「成功の秘訣は、成功するまで続けること」という名言もあります。私が最も好きな言葉のひとつです。どんなに失敗を重ね、暗いトンネルの中で心が折れそうになっても、成功するまでやり続ければ最後は必ず成功する。当たり前のことをただ愚直に実践することの重要性を教えてくれる、とても重い言葉です。

これからのびる世間の流行などに乗ることで財をなす人は多いが、同時にちょっと外れたものやサービスをこれはいけると勘違いして起業し、資金繰りがうまくいかずに力尽きる起業家も多い。富豪たちのその派手な生活が報じられるせいで、羨望や妬みの感情からお金のイメージは悪くなりがち。なのでまっとうに稼いでいる人よりも不当なお金の得かたをした人にスポットが当たりがちなのが残念なところ。クリーンな富豪、生活がさして派手でない普通の人も多いが、そうした人たちの暮らしはあまり報じられないのでイメージが悪くなりがち。

稼ぐ目的

冒頭の節で取り上げた年収2000万円のサラリーマンと違って、すでに何十億円もの資産を築いた大富豪からすれば、コップから溢れた水を飲んでいる限り出費は痛くもかゆくもありません。つまり、そこは趣味の世界。豪遊すること自体を否定的に捉える理由はありません。ただ非常に興味深いことに、若いときに豪遊三昧だった人でもどこかのタイミングで必ずと言っていいほど我に返ります。 50 代を過ぎて遊びまくっている人はたいてい遅咲きだった人で、若いときに成功を収めた人はその年齢にもなれば遊び尽くした感覚を持ち、派手な生活に虚しさすら覚えるようになる人もいます。好き放題やってきた人が、家庭に回帰したり、自分が得た利潤を社会や地域に還元しようという意識が湧いてくるのです。企業経営でも似た現象があって、成長期の間は経営者も規模拡大ばかり考えますが、会社が大きくなるとCSR活動(会社の社会的責任を果たすための活動)を強めていきます。社会貢献の形として最もわかりやすい例が財団でしょう。大企業、またはそのオーナーで財団を持つことはよくある話で、日本ではサントリーやベネッセなどが有名です。世界で最も有名な慈善基金団体はマイクロソフト創業者のビル・ゲイツが家族とともに立ち上げたビル&メリンダ・ゲイツ財団で、基金の規模は396億ドル。貧困問題やエイズ、マラリアなどの根絶、教育の拡充などに貢献しています。ちなみにその基金の半分は、同じく世界を代表する大富豪のウォーレン・バフェットからの寄付でなりたっています(奥様へ資産を譲渡するつもりだったのが奥様に先立たれたため、この財団を選んだそうです)。

何のために稼ぐのか大富豪ともなると、社会貢献のためという究極の承認欲求のためという人も多いのではなかろうか。散財する時期もあるかもしれないが、そうして豪遊した人たちも、年齢を重ねていく過程でそうした遊びは飽きてくるものなのだろう。しかし、若いうちに豪遊していると怪しい人が近づきがちなので、身の安全のためにも派手な遊びは避けて通るのが賢いやり方。

打ち合わせにポルシェやフェラーリで乗りつける大富豪もいます。働かなくても十分蓄えがある超富裕層や、自分自身のブランド力でお金を稼いでいる芸能人たちであれば、趣味と実益を兼ねられるのでそういった選択肢もあるでしょう。ただ、ビジネスの最前線で戦っている大富豪にはその発想がありません。事故のリスクも当然ありますが、なにより車を自分で運転していると、その間、仕事ができないからです。タクシーを使うにしろ運転手を雇うにしろ、一日のなかで占める比重が決して少なくない移動時間を、自分の好きなように使えることが最大のメリットです。「時間を買う」という発想がその根底にあります。仕事はもちろんのこと、移動時間を活用して昼食を取ったり仮眠をとったりする経営者もおおぜいいます。大企業の役員がハイヤーを使うのは見栄のためではなく、生産性を上げるためです。年収が2000万円で、年間の労働時間が2000時間だとすると、その人の1時間当たりの価値は1万円です。この計算さえできれば電車に乗って1000円節約するより、タクシーに乗って 15 分(2500円)を買ったほうが高利回りだと気付くでしょう。

富豪や成功者ほど自分自身で高級車を乗り回したりしないもの。運転中は仕事やその他のことができないからだ。時間は皆に平等なのでそこをわかっている富豪はタクシーを使うのだ。

年収を上げるための大富豪の考え方を学べる書籍。読んでみると自分が一般人なのがありありとわかる。

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