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他人の10倍仕事をこなす私の習慣|和田 秀樹

精神科医、大学講師、ベンチャー企業経営者として活躍するなかで年間数十冊の著書を出版、新聞や週刊誌で連載を持ち、月刊誌に多くの論文を寄稿する―本書では、驚異的な生産力を誇る著者が自らの仕事術・習慣を赤裸々に公開!「『時間』ではなく、『量』で目標を立てよ」「書店で発想がひらめく」「勝てない勝負はしない」など、サバイバル時代を生き抜く、目からウロコのノウハウが満載の一冊。

「時間の読めない遊び」は避ける

趣味や遊びでも禁欲的な生活はよくないと述べたが、「時間の読めない遊び」は気をつけたほうがいい。 無尽蔵 に時間を使いそうな遊びである。たとえば映画なら、仮に年間三〇〇本観ても六百時間だと計算できる。ところがギャンブルや恋愛は、どれだけ時間がかかるかわからない。麻雀でも競馬でもそれだけで終わればいいが、だいたい負けたときの尾の引き方はすさまじく、精神的なダメージも大きい。私は、ギャンブルは時間が読めないからやらないようにしている。時間が読める遊びだったら我慢する必要はないと思うが、時間の読めない遊びに関しては、自分をコントロールする自信がない。二時間だけ麻雀やゲームをしたら、スパッとやめてすぐ仕事にかかれるかといえば、なかなか途中でやめられない。熱中しすぎて、気がついたときには膨大な時間を浪費していることがある。そのあたりは、それぞれの性格やバイオリズムにも左右されるのでいちがいにはいえないが、あまりおすすめできない。

麻雀とかだと負けてる相手がもう半荘と迫ってきて、ズルズル続けるなんてことも。パチンコなどももう一万円突っ込んだらやめにすると言いながら有り金が尽きるまでうち続ける人も。こうなってくるともう依存症である。僕は幸いにも初めてやったパチンコで3000円が泡のように消えるまでにかかった時間数分で、これはコスパの悪い遊びだと思いハマることはなかった。

勉強したものはできるだけアウトプットする

書くことも話すことも仕事をすることもアウトプットのひとつといえると思うが、人間は自分の学んだことをアウトプットする機会をそれほどたくさんもてるわけではない。だから、インプットを重視するばかりではなく、アウトプットを増やすことも心がけておいたほうがよいと思う。理想をいえば、インプットとアウトプットの比率は一対一がよいと考えている。しかし、自分の知っていることを全部上手にアウトプットできる人はいないし、それだけのチャンスもないだろう。だからこそ、限りなくその差を埋めていくことが必要なのだ。つまり、チャンスを与えられたときには、自分のもっているものをフルに出せるようにしておくということだ。日本では「能ある鷹は爪を隠す」のがよいといわれ、ものすごくたくさんのことを知っていて、氷山のほんの一角だけをしゃべるのが理想的と思われているが、私はそうは考えない。現実には知らなくてもよいことを脳はずい分覚えていてくれるものだが、私は人間は脳の余裕をそれほどもつ必要はないと思う。能ある鷹が爪を隠す必要はないし、自分のなかにあるかなりの部分をうまく出せたほうが本当は賢いのではないだろうか。

アウトプットの手段としてSNSの利用をオススメします。本を一冊読んだら内容や感想をSNSで共有する。短い文章の投稿でも構いません。すると思わぬところからコメントがあったり、同じ本を読んだ人の感想と出会ったり読了後のアウトプットで世界が広がります。

一回限りのセミナーには行かない

私が講座などを受けるときに自分自身で決めている原則がある。それは、できるだけ系統的なセミナーに行くということだ。一回かぎりの講演なら聞きに行かないほうがよいくらいだと思っている。一回かぎりの講演会では本の要約程度の話しかしてくれない人もいるので、それならば本を読んだほうがいいし、一生懸命に話してくれる人でも、やはり一~二時間では語りきれないことが多いだろう。私も講師として企業などからよく講演を頼まれるが、一回の講演では話せることに限界がある。系統的、体系的にわかりやすく伝えたいと思っていても、時間の限界があって話せない。「長期スケジュールを組んでもらっていれば、それなりのポイントを網羅して話せるのに」と残念で、申し訳なく思うことも多い。おそらく聞いてくださっている社員の人にとっても、体系的な説明のほうがはるかにわかりやすく、頭に残るはずだろう。もちろん体系的な研修のほうがコストはかかるが、一回の講演で社員の頭の中を素通りさせるよりは、コストパフォーマンスもはるかによいのではないだろうか。

実際にセミナーを数多く開催する著者が一回の講演では語り尽くせないと言っているのだからそうなのだろう。僕はセミナーに行くぐらいだったら書籍を買います。そのほうが圧倒的にコスパがいいし、日程を調整したりする必要もどこかに出向く必要もありません。

数多くの著作を世に送り出し続ける著者だからこそ説得力がある仕事をこなすための習慣がぎっしり。全て真似しようとすればきついですが、できそうな所から実践すれば効率的にタスクをこなすことができるでしょう。

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