わたしたちは、フランス革命を導いたルソーの代表作である本書と『社会契約論』に繰り返し立ち戻ることで、国民がほんとうの意味で自由で平等であるとはどういうことなのか、どうすれば国民が真の主権を維持できるのかを、自分の問題として問い直すことができるはずである。
動物は全て精密な機械
わたしは動物というのはすべて精密な機械だと考えている。自然はこの機械に、感覚器官というものを与えた。この器官によって機械は、自分で自分のネジを巻く。そして自分を破壊したり調子を狂わせたりするものから、ある程度は身を守れるようにしているのである。人間という動物の機械にもまったく同じ機構がある。ただ動物という機械では自然がすべてを定めるが、人間は自由な行為者として自然に協力するという違いがある。動物は本能によって選択し、拒否するが、人間は自由な行為によって選択し、拒否するのである。だから動物は、たとえそれが自分の利益となる場合にすら、自然の定めた規則から離れることはできないし、人間はみずからを損ねる場合にも、規則に反して行動することが多いのである。こうして鳩は極上の肉が盛られた皿の前で飢え死にするだろうし、猫は果物や穀物を山のように与えられても飢え死にするだろう。鳩も猫も試してみさえすれば、それまで見向きもしなかった食べ物で、生き延びることができただろうに。これにたいして放埒な人間は不摂生に走り、そのために熱病にかかって死んでしまう。精神が感覚を変質させ、自然が口を 噤むときにも、意志は語りつづけるからである。
病気したりそれが治癒したり、人間というのはとても精巧に作られた機械である。そう、心まで持った。欲求に素直なところも生きていく上で重要な計算し尽くされたところであるう。そう考えると皆同じ人間なのにどうして世の中は人によって格差が生じるのかという疑問が起こるが、生存していく上で強いものが権力を持つのは自然の習わしだと思えば納得がいく。
「言語」という卓越した技術
この[言語という]卓越した技術は、すでにその発生の源から遠く隔てられているが、哲学者たちからみると、まだまだ完成の域には達していない。そして言語という技術の完成のためには、[奇蹟のような出来事が必要だろう。たとえば]時間の経過とともに必然的に起こる天体の運行が停止されるとか、[言語を研究する]学者たちの集まりからすべての偏見が消え去るとか、偏見がそこにとどまってはいても口を噤んでいるとか、何世紀ものあいだ学者たちが休むことなく、言語を完璧なものとするために献身するとかいったことが必要だろう。しかしそうした[奇蹟のような]ことが起きたとしても、いつかはこの言語という技術が完成の域に到達すると断言できるほど大胆な人は、誰一人としていないのである。
人間は唯一言語を喋る動物。犬がワンワン泣いたり猫がニャーと泣いたりするのも一種の言語ではないかと思うかもしれないが、人間のように表現豊かにというわけにはいかない。人間に与えられた言語を使い、僕たちは日々の生活を謳歌しているわけだが、他の動物と比べて奇跡のようなこの言語をもっと大事にしようと思う今日この頃である。
である自由
貧しい者には自分の自由しか失うものがないのだから、自分に残された唯一の財産[である自由]を、 何の代価もなしに自主的に放棄するとすれば、それは狂気の沙汰 としか言えないだろう。反対に富める者は、いわば財産のどの部分を攻撃されても打撃をこうむるのだから、彼らを傷つける方がはるかにたやすいことである。だから富める者は貧しい者よりも、攻撃されないようにさまざまな予防措置を講じる必要を強く感じたのである。そして最後にどんなものでも、それを発明したのはそれによって被害をこうむる人間ではなく、利益をえる人間だと考えるのが妥当なのだ。生まれつつある統治制度は、まだ安定した形式も、規則正しい形式もそなえていなかった。人々は哲学にも経験にも欠けていたから、実際に困った問題が登場するまではそれに気づかず、新たに不都合が登場するたびに対処するしかなかったのである。賢明な立法者たちがさまざまに努力したが、国家の状態はいつまでも不完全なままだった。この国家状態はほとんど偶然の産物であり、最初の出だしがまずかったために、時間の経過とともに、さまざまな欠陥があらわになってきたのだった。どのような対策を講じたとしても、体制そのものの欠陥は、どうしても是正できなかった。
僕は病気によって、社会から遠ざかって10年以上たつ。普通の人が働いて得るお金と比べて微々たる収入しかないが、代わりに有り余る時間を手に入れた。だからこうして誰の役に立つわけでもないブログを毎日更新し、1日1冊本を読むという習慣が行えるように。
人間不平等だと思い始めたらきりがない。もともと人は平等であるなんていうのは幻想な訳だしどこをみても格差は存在する。底辺にいる僕が持つものってなんだろうと思った時、この本の真の意味が想起される。
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