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『フェイクニュースの見分け方』精度の高い「事実」を探す。

新聞・テレビ・雑誌・書籍など「旧型マスメディア」と新興のインターネットをぶち抜いて、より精度の高い「事実(ファクト)」を探す。そのための具体的な方法を提案。インターネットの普及により信頼できる情報をマスメディアから見つけるのが困難になりました。何が事実かわからない。何を信じていいかわからない。私たちは深くて広い「情報のカオスの海」に投げ出されたのです。虚偽の情報と事実が混在する海で溺れず生き抜くためのメソッドがここに。

日本会議と安倍総理

⑴日本会議と安倍総理の政治目標が似ていても、保守的政治団体と保守的政治家が別個にいて、たまたま掲げる目標や理念が似た、一致したという可能性もある。保守系の政治団体は多数あり、掲げる政治目標はだいたいどこも似ている。保守系政治家の掲げる政治目標もそれに似ている。

⑵国会議員が加盟する議員連盟は無数にある。「和装振興議員連盟」(旧きもの議員連盟)「オートバイ議員連盟」「囲碁文化振興議員連盟」「こんにゃく対策議員連盟」等々。議員は票やカネになるなら、どこにでも加盟する。安倍内閣・自民党の政治家が多数日本会議系の団体に加盟しているからといって、それだけで「日本会議は安倍政権の政策決定に重大な影響を持っている」と結論付けることはできない。

この問題を新聞などのメディアを通しクロスチェックすると、安倍総理は過去10年間で、2回しか日本会議との接触がなかったことがわかる。安倍総理が日本会議にさいた時間は合計で49分程度。裏で秘密裏に会合を重ねているかもしれないじゃないかという向きもあるかもしれないが、これが「安倍政権を支える極右組織」の実態だ。日本会議については『日本会議の研究』で詳しく書かれているので、それも参考にして見てほしい。

膨大な公開情報を分析するのに便利なAmazonは「書店2.0」

Amazonの長所は、現在書店に流通している本も、絶版になって古書マーケットでしか流通していない本も同時に検索できることである。個人も蔵書を売りに出している。個人売買も含めた集合書店「書店2.0」として機能している。必要な本を見つけたら、画面から注文できる。かつては同じ文献のネット検索でも新刊本と古書は別のウェブサイトから検索していたから、この能率は革命的だ。もうひとつ、図書館のネット検索システムも公開情報探しでは威力を発揮する。私の場合国会図書館と東京都立図書館のサイトでまず書名や著者名を検索してみる。もし東京圏に住んでいるなら、図書館での書籍の調査はこの2ヶ所でほぼ足りる。

僕の場合、Amazonを回遊して題名が引っかかった新刊を注文する。たまに、ランキングで上位に来ている書籍を買ってみようかという感じで購入することはあるが、基本、題名と内容を見てギャンブル的に購入を決める。なので、現在は月25冊前後をクレジットカードの締め日の次の日に一斉注文をかける。残りの5冊はAmazonUnlimitedに加入しているのでそこからダウンロードしています。雑誌などはdマガジンで。新聞や雑誌などの情報をぶち抜いて横断検索してくれる便利な検索システムとして、有料オンラインデータベース「Gサーチ」なども紹介されていました。調べ物をする時、公開情報にあたるには最適かと思います。

発信者が不明な情報は捨てよ!

もちろん「匿名の情報発信はやめろ」と主張しているわけではない。ただ単に「匿名者が発信した情報を受け取る側は、信用性に最低点しか与えない」という事実を述べているに過ぎない。それを承知の上で匿名で発信していただくのは全く構わない。ただ単に信用されないだけである。少なくとも職業記者である私は一切信用しない。

ツイッターなどを暇暇に見ていると、眉唾もののツイートが定期的に流れてくる。機械的に同じツイートを繰り返している目的がなんだかわからない人も。リツイートで拡散されているものの中にも「なんだよそれ」と言いたくなるようなどうでもいいものも多くある。そもそもつぶやきなので、そこに重要性はもともとないと思っていた方がいいだろう。匿名性という観点で見てみると 今の世の中、匿名なんてありえないという事実を知ってか知らずか無責任なことをする人が多く見受けられる。匿名であっても犯罪を撮影した動画を匿名でアップすれば警察は犯人を特定できます。それは警察以外でも。実名を名乗った上で責任ある発信をするのが良いかと思います。

「炎上」を過大評価するな

ネットの匿名発信がさらに信用性を下げる要素は、一人の発信者が複数の別名のアカウントから発信することができる点だ。一人なのに複数や集団を装うことができる。

「炎上事件に伴って何かを書き込む人はインターネットユーザーの0.5%程度」「1つの炎上事件では0.00X%のオーダー」「人数に直すと、1つの炎上事件当たり数千人程度。このうち9割以上が一言感想を述べる程度」「そのうち実際に当事者に対して直接攻撃を行う人は数人〜数十人程度」

要するに炎上事件で騒いでいるのはごく少数の人間であって、大きな社会集団の代表とも言えない。参加者があまりにも少数の炎上など気に止める必要はないのだ。

フェアネスチェックの視点を持ち、発信者を疑うための作法、情報を健全に疑うためのヒントなども掲載されており、情報過多の時代を波に飲まれず泳ぎきるための知識が得られる書籍でした。

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