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『いちいち不機嫌にならない生き方』名取 芳彦

ささいなことで、つい顔を出す「不機嫌」。お坊さんだって不機嫌になりそうな瞬間はあるけど、「ちょっとした考え方で“寸止め"できる」。きれいごとの一切ない語り口で人気の“ほうげん和尚"が、仏教の目的でもある「自分もまわりも心おだやかでいるコツ」を面白おかしく綴る。

えこひいきする人に辟易している

かつて家内と歩いていて可愛いファッションをした二十代の女性とすれ違ったことがありました。彼女をチラリと見た私を、家内がチラリと見ました(チラリの連鎖です)。そして、「あなたって、若い娘が好きなのね」と言います。私は言い訳をするように、「そりゃ、男はみんな若い女の子が好きだよ」と言ってしまいました。もちろん、家内はプンとしました。私としては正直に答えたつもりですが、世の中には自分に正直なだけで他人に不誠実な人はゴマンといます。その時の私がそうでした。「男はみんな若い娘が好きだよ」が真実だったとしても、それを昔若かった、今は若くない家内に言ってはいけなかったのです。

普通に受け答えしているだけでも地雷を踏んでしまうことってありますよね。特に女性だと厄介。テレビでアイドルが出演している番組を見ていると、女性はライバル心むき出しで、この子は一昔前の美人よねとか、顔が大きいとか、難癖をつけてきます。ただ黙ってそうだねと共感してあげられれば良いのですが、男性の方も、それが推しメンだったりしたら反論したくなってしまう。それで地雷を踏むことに。若い女性をひいきするのを嫌い露骨に不機嫌になる女性もある意味可愛らしいと思えるくらい達観したいものです。

軽く扱われて面白くない

人が不機嫌になる理由はさまざまです。自分はもっと丁寧に、誠意をもって接してもらっていい経験や才能を持ち合わせた、それなりの立場の人間なのに、軽く扱うとはけしからんと憤慨している人がいるようです。そういう方は、テレビ時代劇の「水戸黄門」のシリーズを観て、考え方を改めたほうがいいかもしれません。黄門さまは自分が商店の隠居として軽く扱われたからといって、不愉快になりません。権威を笠に着れば庶民が心を開いてくれないのを承知なのです。同じように、地位をひけらかしたり、自慢しても、周囲はその意風になびくことはなく、かえって心を閉ざしてしまうでしょう。

軽く扱われてしまう人というのは、昨日今日、急にそうなったわけではありません。人を不愉快にする行為を幾度となく繰り返した結果そのような軽い扱いを受けるように。人から軽く扱われることを嘆くよりも、自らの心を軽く柔らかにしたほうがいいということです。相手にあまり期待せず、この人はこれが精一杯なのだろうと慈悲の心で接してあげると良いでしょう。

妻の料理に注文をつけたら大変なことに

「妻が作る料理がまずいのですが、料理にどうコメントすれば角が立ちませんか」という無茶な質問をする人がいました。味がないとか、食材に火が入っていないなどのコメントをすれば角が立つどころではなく、奥さんの頭にツノが生えて「文句があるなら、自分で作ればいいでしょ」と、楽しいはずの食事の場が修羅場になるでしょう。この場合、奥さんの反論のほうが的を射ています。文句があるなら自分で作ればいいのです。

女性だって人間です。苦手な家事ぐらいあるでしょう。奥さんの料理に不満があるなら、クックパッドとか見て自分で作ればいい。「今日は僕が作るよ」という旦那にNoと言う奥さんはあまりいないだろう。外食に出かけて美味しいものを見つけたら、家で再現するために二人でキッチンに立って、ああでもないこうでもないと試行錯誤してお店の味に近づけるのも良いだろう。僕は料理をする人は誰でなければならないという観念を持っていないので、相手が機嫌が悪かったり、体調が悪い時などは察して、自分で料理するようにしています。

いまだに人見知りが直らない

人見知りについて『ブリタニカ国際大百科事典』では「生後六ヵ月頃から始まる、見慣れない者が近づくと微笑を示さなくなり、さらに恐れを示すようになる反応」「人見知りは八ヵ月頃から激しくなり、一年近くで消えるものであるが、環境によっては二〜三年も続くことがある」とあります。

つまり、大人になって人見知りなんですと堂々というのは恥ずかしいことだということ。何らかの人間関係から人見知りと同じ症状が出るとしたら、それはちょっと病的かもしれません。人見知りのあなたも見慣れた人なら大丈夫なはず、ならば少しずつ見慣れた人を増やしていって、人見知りは卒業しましょう。SNSが全盛の時代、たくさんのメッセージが来て落ち着かないなんてこともあると思います。僕はSNS上でも人見知りはあると思っていて、気軽にDMを送ってきて住んでる場所とか何の迷いもなく聞いてくる人に「何で?」と思います。

世の中にあるさまざまな不機嫌になる要素。ケース別にどのように対処すれば良いか対応策が載っています。いつも機嫌よく過ごしたいあなたに贈る、不機嫌にならない生き方です。

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