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『「やさしさ」と「冷たさ」の心理』加藤 諦三

劣等感の強い人、いわれなき罪悪感に苦しんでいる人、自分におびえている人、何か自分の存在は許されてないと感じる人、そういう人ほど、不思議なことに自分の弱点を刺激する人にひかれ、つき合いを深めてしまう。その結果、弱点がさらに強められ、ますます相手に心を支配されていく。―なぜか?それは、自分の弱点克服に努力するより、そうしているほうが楽だからである。しかし、それではいつまでたっても弱点は解消されないし、相手との「冷たい関係」も清算できない。こういう人がもっと成長していくためには、自分の弱点を含めて“ありのままの自分”を受け入れてくれる「やさしい人」とつき合うことだ。そうすれば、弱点は気にならなくなり、生きることが楽になって、いろいろな才能が花開く。この大切な人=「やさしい人」を見分け、いい関係をつくるために重要な「人間の見方・心の読み方」を体験から助言する。

生きることが楽になる自分と他人の見方・考え方

小さい頃、情緒的に成熟している大人に囲まれていた人は、自分は愛されるに価する存在であると感じることができるであろうし、情緒的に未成熟な大人に囲まれて育った人は、自分は愛されるに価する存在であるとは感じることができないであろう。自信があるとか、ないとかいうことも、煎じつめれば、小さい頃、自分は愛されるに価する存在であると感じられたかどうかによって、決ってくることであろう。私は親が子に与えるメッセージについて、交流分析から多くのことを学んだ。小さい頃、「あなたは望まれているんですよ、愛されているんですよ」というメッセージを受けとった人がいる。しかし逆に、「あなたは望まれないのに生まれてきてしまった」というメッセージを受けとってしまう人もいる。小さい頃、「あなたはここにいていいのですよ、あなたはここにいる権利があるんですよ、あなたはここにいる資格があるんですよ、誰もあなたがここにいることを責めたりしないですよ」というメッセージを受けとる人がいる。

小さい頃しっかり親の愛情を受けて育ったかはのちの人格形成に影響を及ぼす。最近はよく虐待などで死に至る子供の報道をよく見かけるが、残念でならない。虐待まで行かなくても、日頃から親に否定的な言葉を投げかけられ続けるとやはり成長過程で問題行動を起こす場合が多い。子供に対して肯定的な態度を示してあげるだけで、子供は愛されていると感じ他人との間にも同じような関係を築くことができるわけだ。

気が楽になる〈人づき合い〉の方法

お金持の仲間に入りたくてしかたない人が、自分はそれほどお金持でないくせに、お金持の人と一緒になって貧しい人を軽蔑する。この時、この人は、ほかならぬ自分を軽蔑しているのである。そして、このような人は、立派な人格を持ったお金持とは決して接しない。他人を軽蔑することで自分の自尊心を維持しようとするような、卑しいお金持とつき合うことになる。自分を否定する人は、自分を否定する他者とつき合う。自分を受け入れていない人は、自分を受け入れない人とつき合う。自分を傷つける人は、自分を傷つける人にひかれていく。わざとらしい人とわざとらしい人とが一緒になっているのをよく見かけるのは、このせいである。

相手に完璧を求めると人間関係において亀裂が生じる。人間関係を良好に保つには、人間は神ではないので完璧を求めないと良い。欠陥も込みで相手と付き合えれば相手を肯定できるのだ。お金持ちの仲間に入りたくてお金がないのにお金持ちと一緒になって貧しい人を軽蔑すると、それは自分を軽蔑していることになり余計に辛くなるわけだ。他人を否定するようなお金持ちとは付き合うのをやめて、自分を肯定することが大事だと思う。

気が楽になる自分と他人の心の読み方

他人のほめ言葉を素直に受けとることを自分に許すこと、行きたいところに行くことを自分に許すこと、お金があれば自分の買いたいものを買うことを自分に許すこと、お酒を飲んで楽しむことを自分に許すこと、時に怠けることを自分に許すこと。それらに口実をつくらないことは大切である。本当は行きたくないんだけど行かなければならないんだとか、お前のためにだとか、くだくだくだくだ言わないことである。また、自分のしたいことをするのに、他人の許可など必要ない。いちいち他人の許可を求めて、妙な理屈をつける人がよくいる。依存心の強い人であろう。さて、では、この全く逆の人を考えてみよう。お金があっても、自分のためには買いたいものも買わない。行きたいところにも行かない。行く時は、たとえば必ず家族と一緒。怠けることなく働きつづける。お酒を飲んだりして楽しむこともなく、すぐに家に帰ってくる。他人にほめられると、すぐにそれを謙虚に否定する。こんな人は、実際どんな影響を周囲に与えるのだろうか。おそらく自分が買いたいものも買わないで我慢したお金を、他人がパァーッと使えば不満になるだろう。自分が行きたいところにも行かないで、他人が行きたいところに行けば面白くないだろう。怠けることなく働きつづければ、ストレスは高まるばかりでいつもイライラしていることになるだろう。お酒も飲まず楽しむこともせず家に帰ってくれば、不機嫌に坐っているだろう。

お金があれば無理に節約を美徳とする必要はないということ。自分の買いたいものを買ってストレス発散するのも他人に非難される理由はどこにもないのだ。

この世にはびこる「冷たさ」の心理を「やさしさ」でおおう方法を提示する書籍。自分の成長に必要な相手を見誤ると辛い人生が待っている。

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