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東京・大阪の快適通勤のために歴史とこれからを見ていこう

2016年9月小池百合子東京都知事が誕生。選挙戦から「満員電車ゼロ」を公約の一つに据え都民に訴えかけた。政策目的として「満員電車ゼロ」は適当であるか?運賃が高額になったり、鉄道会社の経営が危うくなるのならば、旅客もそこまでは期待しないのではないか?東京と大阪の路線の歴史を振り返りつつ、様々な課題の解決策を提示する。

満員電車の誕生

鉄道が通勤に使われるようになるきっかけとなったのは、大正12年9月1日の関東大震災である。震災によって焼き出された東京の市民が知人・縁者を頼って近郊部に移り住んだ。また、東京の西側郊外に開発された田園都市は、最初は分譲地の販売は不調であったが、関東大震災の後は、日本橋あたりの裕福な商家の人たちが競って購入するようになり、住まいは山手、職場は都心と職住分離したことで、毎日通勤する人々が生まれるようになった。

僕の住んでる近辺は関東大震災よりずっと後に開発された地域だが、今では新規に建てられるマンションはどこも駅から遠かったりと不便な場所が多い。マンション等は開発し尽くされた感がある。最近では駅近辺のビルが取り壊され新たなビルが建設中だったり、大学病院の新しいビルができたりと利便性は増しているが、新規にマンション建設されそうな土地は、農地ぐらいしかない感じだ。都心への通勤は田園都市線を使うことになるが通勤時間は乗車率も高く、遅延も多いので乗る気がしない。通勤時間を早めたりする働き方改革もなされているが、満員電車の改善には至っていないのが現状だ。

乗車率250%ってどのくらい?

  • 100% 定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる)
  • 150% 広げて楽に新聞が読める
  • 180% 折りたたむなど無理をすれば新聞を読める
  • 200% 体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度ならなんとか読める
  • 250% 電車が揺れるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない

僕は職場を転々とし赤坂見附、駒澤大学、渋谷と変わっていったが、出勤時は毎日、満員電車に揺られていた。身動きもできないのが当たり前で、乗車数の多い駅では押し込むようなかたちで乗車しなければならなかった。今は、そうした満員電車のストレスからは解放されたものの、収入が少ないというトレードオフの関係に悩まされています。

利用交通機関のシェア

東京都区部では、鉄道の比率が48%に達し、自動車の利用は11%と非常に小さい。川崎市と横浜市も自動車の利用に比べて鉄道の比率が高いが、鉄道の比率は34%に低下する。郊外に移ると、一般的に鉄道の比率が落ち、その分自動車の比率が高くなるが、東京多摩、さいたま市、埼玉南部、千葉西北部、千葉市、神奈川では鉄道の比率が20%を超える。東京から見てその外側になると、もはや鉄道の比率は10%以下で自動車の利用が絶対的に多数となる。

僕は病気を発病してからは電車が苦手に。徒歩圏内に僕の生活の全てがあるといっても過言ではない状況なのだが、唯一徒歩圏内でない精神科の受診には家族の車で通院している。便利な世の中になったものでAmazonなどの通販を利用すればたいていのものは手に入る。自動車免許は更新の際、病気を理由に免許取り消し処分となり、もう自分で運転できないので、いざとなったら苦手な電車に乗るしかない。病気といっても、ちゃんと運転できるのだから、免許取り消しはひどすぎる。人の車を煽ったり無謀な運転で事故を起こしたりするよような輩の免許が有効だったりするのが納得いかない。

輸送能力向上による混雑緩和

南武線

南武線の平成26年度(2014)の混雑率は、武蔵中原→武蔵小杉間の195%だった。南武線も広幅車のE233系への置き換えが進行したことにより輸送能力が3%程度増加しているが、これでも190%を超える混雑である。

田園都市線

東急田園都市線は、池尻大橋→渋谷間が最混雑区間で、平成26年度(2014)の混雑率は185%、平成27年もほとんど変わらず184%である。現在、朝ラッシュ時1時間には、最大10輌編成を29本運転して、すでに輸送力は限界である。

最近テレビなどでも武蔵小杉が取り上げられることも多いが、南武線から東急東横線に乗り換えるのが不便極まりない。駅付近のタワーマンションが取り上げられることも多いが、急激な人口増加により、電車の輸送能力が追いついていないようだ。乗車率180%程度なら我慢できるがそれ以上だとストレスでしかない。首都圏での満員電車のストレスは今に始まった事ではないが、これからは都心にある会社も通勤に関して考えていったほうが良いだろう。会社に出勤しなくてもできる仕事は、自宅でやったりするのを奨励したり、勤務時間をシフトしたり。こういった制度を導入する会社が多くなれば満員電車での通勤も緩和される方向に向かうだろう。

前半は電車の歴史。これは電車自身に興味のない僕にとってはちょっとだるい感じだった。首都圏と大阪圏をクローズアップしている書籍なので、その他の地域で働いている人にはあまり馴染みのない話となってしまうかもしれないが、それでも興味深い話が展開される。普段満員電車に揺られて通勤している人なら楽しめると思います。

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