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水の危機をどう救うか 環境工学が変える未来|丹保 憲仁

      2020/02/15

水の星地球だが安全安心な飲料水が供給されていない国はいまだにある。インフラとしての水道を普及させるべく活動している団体もあり、世界のそうした国に貢献している。歴史を振り返りつつ水道の歴史を見ていこう。

世界の人口

地球が収容できる人口は、これから人びとがどのようなものを食べるつもりか(どのような暮らしをしたいか)によって先行きは大きく違ってきます。穀物だけを食べたら140億人ぐらいまでいけるのではないか、という人もいます。国連の統計を見ますと、100億人前後が地球人口の飽和値のようなのですが、今時点の推計ではあまり当てになりません。どういう暮らしを求めるかによって、飽和に近づいた時の推定世界人口は 10 ~ 20 億人ぐらいも大きく上下に動き得ます。ここで私が頭の中に描きたいのは、地球の環境容量(carrying capacity:‥ 環境収容力)というものなのですが、そのようなものは一義的にはありえず、「人口と人の活動度」と「地球資源利用の倫理と論理」の相対関係で決まってくる複雑な現象です。サステイナビリティ(sustainability:‥ 持続可能性)という言葉も定義がずいぶん難しく、人それぞれに都合よく使っているふしさえある言葉です。日本がそうであるように、人口だけ見ても、ある時点で到達した最大人口は、周辺地域の余力(成長可能量)をある時期借りて成長を続けられるものの、周辺地域が成長飽和に近付くにつれてその成長余力をわけてもらえなくなり、その結果、自身の能力(空間と資源)では人口を維持しきれなくなってオーバーシュートした(限度を超えた)状態になり、減少すると考えられます。

一部の国に人口減少の傾向が見られるが地球全体でみると人口は増加傾向。100億人前後が許容量という見方もあるが、実際のところ人間の暮らし方によってもその許容量は変わってくるだろう。サステイナビリティという言葉がこれからの地球ではキーワードになってくるだろう。僕が生きている間は目一杯になることはないだろうが、未来について考えると目を背けられない問題だ。人口が増加した国はより大きな経済成長を求め後進国や新興国に手を伸ばします。日本や中国がアジアで覇権を争っているのはそのせいだ。しかし、地球全体としてはこれ以上の活動度は受け入れ難くなっている事実もある。

ローマの水道

ローマの水道/下水道には水処理のための技術はほとんどなく、沈澱槽を持つのみでした。ローマの水道は、基本的に水質の良い上流域の原水を延々と引いてくることによって水質を保証しようとしました。したがって、水量確保のために新設された、水質の劣る水源の水道水を混合することがなく、若干水質の劣る水源による水道はそれなりの用途に充てられていたようです。すなわち、多元(水質)給水です。ローマ水道の導水路は前述のような自然流下の開水路で、市の城壁の天端に着水します。市郊外のカンパニア平原に高架水道橋を延々と連ねたのも、市の城壁に着水する際の水位を高くとり、市内の各戸への配水/給水する水圧を確保するためでした。市内への給水系は城壁の天端の高さを駆動静水圧として、貯水槽を介して用途別に分離送水する現在と同じような圧力管路給水(低圧給水)法を採りました。新しい水道ほど、着水位を高める努力がされて(アッピア水道 20 m、マルキア水道 59 m、クラウディア水道 67 m)、給水圧に余裕がでるようにしていました。管材料としては鉛板を巻いた管が用いられ、ほとんどの給水点には水栓がなく、流し放しでした。鉛管の毒性についてローマ人は知っていたかどうか、さまざまな議論がありますが、いま一つ定かではありません。同じような水道/下水道システムがローマ帝国版図の各地に造られ、現代にまで残っています。

ローマの時代にも水道がインフラとして整備されていた。水の問題は現代でも同じで、渋谷の地下に豪雨への対策として貯水槽を作ったり抜かりないように大変だ。

人口100億人超の時代の標準

世界人口100億人超の時代の水システムを構築するに当たって重要なことは、基本的な水使いと排除の方式が、集落/産業/農業などを通じて、さらに流域、国際間で共通な思想(概念)とそれを支える基本技術から成り立っていなければならないことです。そうでないと、部分的に良かれと思って提案/施行された水システムが、広域/国際間で整合性を失い、新たな紛争のきっかけにもなりかねません。「個別技術(思想)の採用による部分最適化という、近代システムの縦割り構造の桎梏」を根源から脱却する道を求める必要があります。その基本を一言でいえば、あらゆる水システムは「自らに発した代謝のあらゆる過程と結果についての責任は、すべて自分で取る」ということを前提に、水文大循環サイクル内で自立化を最も高めた形で、システムを設計し運用するということに尽きます。

僕らの生活インフラとして普通に与えられている水道もありがたいことと思って使う必要がある。水問題を解消するために様々な設備投資も行われているという事実を知ることによって水への意識を変える必要がありそうだ。

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