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宇宙人と出会う前に読む本 全宇宙で共通の教養を身につけよう|高水裕一|宇宙で本当に必要な科学知識とは

宇宙ステーションに乗り込んだあなた、そこで遭遇した宇宙人が繰り出すさまざまな質問に回答。そのうちに本当に必要な科学知識や宇宙思考法とはどのようなものかが理解できるようにプログラムされた書籍。

宇宙人を興奮させた図

すっかり意気投合した二人の、カフェでの会話が続いています。とはいえ、あなたはまだ何を話したものか頭がまとまらず、ほとんどは彼の質問に答えているだけですが……。次に彼は、こんなことを聞いてきました。

「ところで、あなたは何でできていますか?」

またしても、思いもよらなかった質問です。まさにハトが豆鉄砲を食ったような顔になって、あなたは考え込みます。いったい、どう答えればよいのでしょうか。

肉と骨でできている? いや、そんなことを聞かれているのではない気がします。だったら、タンパク質や脂肪や炭水化物とか? これもピンときません。だいたい、これらは宇宙共通のものかどうか怪しいので、答えとして不適切な気がします(そう気づいたあなたは宇宙偏差値が上がっています)。

たぶん、もっと基本的で、もっと普遍的な何かを答えるべきだろうとは思うのですが、それが何なのかが思いつきません。あなたは何かヒントでもないかと思って、バッグにしのばせていた『ブルーバックス科学手帳』を取り出し、「資料編」のページを繰りはじめました。

彼はその様子をにこにこしながら見ていましたが、あなたがあるページを開くと、急になにごとかを叫び、興奮した様子でそこに載っている図を指さしてきたのです。びっくりして見ると、その図には「原子の電子配置」というタイトルがつけられていて、大きな1つの同心円と、 18 個の整然と並んだ小さな同心円が描かれていました。そして彼は、あなたの肩に手を置き、ぽかんとするあなたを見ながら、こう言ったのです。

「なんだ、知ってるじゃないですか」

宇宙人がいたとしても多分彼らは僕らと同じ「原子の電子配置」によりできていることは確実。それがこの本のように表記されているかはちょっとわからないが概ね理解されるのではなかろうか?

ダークマターの正体は?

ではここで、ダークマターの正体について、地球人が2021年現在、どこまでわかっているかをお伝えしておきましょう。

まず、よくある誤解として、ダークマターが暗黒であることから、正体はブラックホールではないかという考えがあります。当初は有力候補と考えられていましたし、いまでも、一部のブラックホールは、ダークマターの量として誤って見積もられている可能性はあります。しかし、ブラックホールは光と反応しますし、あくまでバリオンである星の超新星爆発で形成されるものです。そう考えると、バリオンの5倍にもなるダークマターを、ブラックホールだけではまかないきれないことがわかってきました。

では現代の物理学では、どう考えられているのでしょうか? いくつかの素粒子が候補として挙がっていますが、どれも決定打がない状況ですので、軽く眺めていただければと思います。

まず、現在の標準的な素粒子モデルには該当するものがないので、何か拡張した、新しい高エネルギーの物理に頼るという考えが浮かびます。その一つとして有力視されているのが、第4章でもふれた超対称性に絡めるアイデアです。

もし超対称性というものが実在しているのなら、ある粒子には必ずパートナーとなる粒子が存在します。そこで、現在見つかっている粒子に未知のパートナー粒子があると仮定して、それを候補とする考えです。具体的な候補としては、力を媒介するボソンのパートナーのうち、電荷がない(電気的に中性な)「ニュートラリーノ」という粒子が考えられています。電荷があると、光と反応してしまうので、電荷がなく質量が比較的大きければ、ダークマター粒子の候補となりえるわけです。名前の最後の「リーノ」は、超対称性パートナー粒子につくイタリア語の接尾辞です。なんだか響きが可愛くなりますね。なお、ニュートリノはこの粒子とは無関係です。

ほかに似たような超対称性パートナー粒子として、重力を媒介する重力子のパートナー粒子もあります。これは「グラビティーノ」と呼ばれています。ただ、重力子そのものが未発見なのにその相方を出されても……という印象はあります。近年は宇宙のガンマ線を観測するフェルミ衛星が、グラビティーノがダークマターなのかを観測的に証明する実験を計画しています。

2020年に、ダークマター観測に関する面白いニュースが流れました。XENON(ゼノン)という実験プロジェクトにおいて、地下に約3トンにもなる液体キセノンの水槽を設置した実験装置で、ダークマターの候補である「アクシオン」と呼ばれる粒子が崩壊する様子を観測した可能性があるというのです。アクシオンとは、「強い力」についての実験で現れた「CP対称性の破れ」、すなわち自然界でごく少しだけ対称性が破れているという現象が、なぜ起こるのかを理論的に説明しようとするときに導入される仮想粒子です。太陽からも、このアクシオンが出ているというシナリオが考えられていて、それを観測したかもしれないというニュースだったのです。

その真偽はまだ議論されている最中ですが、これがもし確かなことなら、地球人はようやくダークマターの直接観測をなしとげたことになります。そうなれば、ポーキング博士が地球人はなめられている、とぼやくこともなくなります。今後の進展に期待したいですね。

ダークマターなどまだ謎が多い物質について詳細がわかれば宇宙観測も大幅に前進することだろう。徐々に明らかにされていく宇宙を構成する物質。宇宙開発を行う上で重要なことなので科学者が必死になって研究するのだが普通に暮らしていてそれらが役に立つ日はまだ遠そうだ。

宇宙人に遭遇したら我々はどのような行動をとるだろう?地球人に興味津々の宇宙人に自分達のことを説明できるだけの教養を身につけるための書籍。斬新な設定で宇宙や地球について学べます。

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