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入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~|中村 和彦|「人」「関係性」に働きかける最新理論

戦略や制度のような組織のハード面だけでなく、人や関係性といったソフト面にも作用するアプローチの組織開発が脚光を浴びている。組織開発が必要とされる理由、特徴と歴史、理論と手法などを具体的な事例を交えて紹介。

職場生活の満足度

私は大学に勤めているので、必然的に大学生と関わる時間が多くなります。学生たちは卒業する際、そろって社会人になることへの不安を口にします。また、実際に社会人になって働き始めると、仕事や会社はほんとうに大変だと言う人たちも多くいます。

「仕事は大変、お金を稼ぐことは大変」というのは当然のことかもしれませんが、日本の場合、そのように考える人の割合が他国に比べて高いのが特徴です。そのことは実際にデータが示しています。

まず、職場生活に対する満足度を見てみましょう。2007年に調査が行われた第8回世界青年意識調査で、 18 歳から 24 歳の青年に対して5ヶ国で同じ質問をする調査が行われました。

その中で、仕事をしている人に対して「あなたは職場生活に満足していますか」という質問をしたところ、日本の青年は「満足」と答えた割合が 32・8%、「やや満足」と答えた割合が 42・1% でした(「満足」と「やや満足」を足すと合計 74・9%)。  一方、アメリカの青年は「満足」が 46・4%、「やや満足」が 37・2%(合計 83・5%)、イギリスは「満足」が 58・2%、「やや満足」が 27・4%(合計 85・5%)で、職場生活に満足している人の割合は、欧米に比べて日本の青年は低いという結果が出ました。

別の調査結果も見てみましょう。平成 22 年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査では、 20 代から 50 代で、悩みやストレスがあると答えた人は約半数を占めました。その原因として最も多く挙げられたのが「仕事」で、悩みやストレスがあると答えた 20 代から 50 代の男性の約6割から7割、そして、 20 代の女性の5割強を占めました。これらの調査結果から、仕事にストレスを感じ、仕事に活き活きと携わることができない日本企業の社員の姿が浮かび上がってきます。

仕事への満足度が欧米よりも10%ほど低く、ストレスや悩みを抱える人の割合も高い日本。これは従来型の無駄に役職が多いピラミッド構造をした日本の組織図の影響かと思います。上司の太鼓持ちみたいな輩が出世するクソみたいな組織ではストレスが溜まって当然。ビッグモーターの不正事件のように社員は役員に、役員は社長の息子に気を使い、それをいいことに社長の息子はやりたい放題みたいな会社はどこかで綻びが出て事件になったりするわけです。

日本発の組織開発の手法

組織開発の手法は欧米から日本に導入されたものが多いのですが、日本生まれの組織開発の手法もあります。それが、品質を向上させるために職場ごとで行われる自主的な小グループ活動であるQC活動や、全社的に品質を管理する取り組みであるTQC(Total Quality Control)です。これらは日本で誕生して発展し、組織開発の手法としてアメリカに導入されました。そのため、日本では組織開発が盛んだと考えているアメリカの組織開発研究者もいます。

また、KIやオフサイトミーティングも日本で生まれた手法で、日本型の組織開発の手法として位置付けることができます。KI(Knowledge Intensive Staff Innovation Plan)はナレッジワーカーを対象として、付箋を用いたワイガヤミーティングを行いながら課題を発掘し解決していくと同時に、「団体戦」ができるチームになっていく1年間のプログラムです。

また、オフサイトミーティングは、自由で集中的な話し合いが可能となるように社外でじっくりと対話を行う方法です。スコラ・コンサルトというコンサルティング会社によって、スコラ式オフサイトミーティングが体系化されています。

日本発の組織開発手法が注目を集めることもあるが自国のマーケットが比較的大きい日本ではやはりガラパゴス化は否めない。世界で戦おうとしたら優秀な海外の人材というのも必要になってくるため、それでは事を成さない。世界標準の組織開発が求められる中、それに抵抗するかのような日本式組織開発がどこまで通用するというのか。

「人」や「関係性」に働きかける最新の組織開発理論を日本から!ガラパゴス化した日本の組織の改革に一石を投じることは可能か!?

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