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なぜ「自分」は「オレ」「僕」「私」と使い分けるのか?

社会言語学という学問を紹介することを通し、私たちの間に流れる「空気」を科学することを目指した書籍。社会言語学を学ぶことで、ぜひその場に合わせた適切な言葉選びのセンスを磨いていこう。

衣紋掛け?いやハンガーでしょ。

小学校の時の同級生が我が家に遊びに来て、上着を脱ぎながら開口一番「えもんかけ、ある?」と言いました。彼は四〇代で、着ている上着はジャケットです。たしかに、「ハンガー」を「えもんかけ」ということはあるのですか、和装をした、貫禄ある七〇代の男性が言うのならともかく、ジャケットを着た四〇代にはふさわしくない言葉選びです。「ハンガー」と言う外来語を避けたかったのだとしても、せめて「洋服かけ」ならば違和感も少なくて済んだでしょう。ここからわかることは、言葉選びには「正しさ」だけでなく「ふさわしさ」と言う基準もあるということです。

たしかに年配者が「衣紋掛け」と言うのならともかく、まだまだ現役バリバリの人間が使うのはあ違和感がある。それでも通じるのだろうが、今の若い人たちには「衣紋掛け」と言う言葉を知らない人も多いだろう。ギリギリ知っている四〇代の僕でも衣紋掛けと言う言葉を使うことはない、使うシーンといえば旅館に泊まって和装に着替えたときぐらいしかないのではなかろうか。

方言も時に混乱する理由に

地元の友人に、「この店、混んでいるみたいだね。またあとで来ようね」と言われて、どこかで時間をつぶし、あとで戻ってくるのかと思ったところ、別の店位に入って食事を済ませてしまい、その店に戻ってくることはありませんでした。じつは、足利のあたりでは、「あとで」は「今度」という意味で使うのだそうです。ですから、地元の友人は「別の日に来ようね」という意味で「あとで来ようね」と言ったのでした。たしかに。「後ほど」だけでなく「後日」もまた「あとで」です。

僕は幼い頃、山口県に移り住み育ったせいもあり、神奈川県に引っ越した際は近所の友達から、マンツーマンで標準語を習った覚えがある。子供だったので吸収も早くすぐに標準語の世界になれることができた。それから月日が経ち、修学旅行で萩・津和野を訪れることがあったが、その時はもう郷土の言葉は話せなくなってしまっていました。

ぶっきらぼうな言葉は男性的、丁寧な言い回しで女性的に

一般に、ぞんざいな言い方をすれば男性的に、丁寧な言い方をすれば女性的になります。「静かにしろ」と注意すれば男性的に、「静かにして」と注意すれば女性的になります。「静かにしなさい」は中立的ですが、「静かにしろ」と並べれば女性的に、「静かにして」と並べれば男性的に見えてきます。日本語の男性語・女性語の場合、絶対的な男性語・女性語は少なく、むしろ相対的に決まってくるケースが多いことに注意しておく必要があります。

相手に伝えようとする際も、これだけ男性的・女性的が分かれて入り乱れている国は珍しいのかな?男女で違う名詞を使う国もある一方、日本はこれだけ幅をもたせたフレキシブルな言語なので、使う際はその場の空気にあったものを選びたい。

多様な幼児語

同じ「ネコ」を表すのでも、「にゃーにゃー」「みゃーみゃー」「にゃんにゃん」「にゃー」など、家庭によって違うこともしばしばです。もう一つは、幼児語は育児語(caretakerspeech)の裏返しであるということです。幼児語は幼児が話し、それを保護者が学ぶのではなく、保護者が幼児に教え、それを幼児が学ぶものだということです。とくに、子育てのさい、母親が幼児に話しかける母親語(motherese)はよく知られ、しばしば研究対象になっています。

猫の呼び名だが、僕は小さい頃「にゃんにゃん」と言って育ち次第に「ネコ」というふうに呼び方を変えてきたわけだが、ある時親戚の子が猫を見て「あ!猫だ!」と言って猫を追い回しているのを見てびっくりした覚えがある。その家庭では、幼児語を極力使わず、大人と同様の言葉を学ばせていたのだと思うが、なんだか子供っぽくなくて違和感を覚えた。これも日本語における「空気」の違いからくるものだろう。

一人称の人称表現

一人称の人称表現の選択には、話し手のアイデンティティが現れる。とくに、成長におうじて「ゆうちゃん/ゆうた→ぼく→おれ/自分→ぼく→わたし」(男子の場合)、「まりちゃん/まり→うち→あたし→わたし」(女子の場合)のように変化し、男子のほうが変化が先行して起こるという現象が見られる。このような一人称の特性を生かして、マンガやアニメなどではキャラの色づけがおこなわれる。

ブログを書く際の一人称は「僕」を使っています。普段の話し言葉では「俺」を使いますが、ブログでは未熟さやなんかを読み取ってもらえるのではないかと「僕」を使うようになりました。

日本語は使う言葉によって醸し出す空気を変えることができる言語だとつくづく感じます。使いこなせば空気を変えることだってできる。そんなヒントがふんだんに盛り込まれた書籍でした。

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