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日本はスウェーデンになるべきか|高岡 望

   

リーマン・ショックは市場機能重視の「小さな政府」に暗い影を落とし、深刻化したギリシャ危機は「大きな政府」の問題点を露呈した。では、日本はどうするのか?万能薬とはなりえないが、一つの答えが「スウェーデン・モデル」である。同じ大きな政府の中でも、この国の財政は健全で、「世界トップクラスの所得・国際競争力」を誇り、年金・医療・雇用・税制にも個性的な政策が並ぶ。今、決定的に重要なのは、日本との立場の違いを明確にした上で、スウェーデンという国を深く多面的に理解することなのだ。

スウェーデン人の国民性

スウェーデン人の国民性として、清潔、能率的であり、決まりを守り、勤勉であるという点がよく指摘される。いずれも経済的豊かさを実現するためには有益な資質であり、先進国では教育上美徳とされるものである。そうは言っても読者の中には、「いやいや。スウェーデン人が勤勉、能率的だといっても、日本人ほどではないだろう」と思っている人がいるかもしれない。そういう人は、一度ご自分で車を車検場に持っていけば、疑いは晴れるだろう。日本の陸運局の受付時間は、だいたい午前8時 45 分から午後4時が一般的、民間の車検場でも、せいぜい午前8時から午後7時といったところか。これに対し、ストックホルムの車検場は午前6時から午後9時まで受け付けている。小雪のちらつく冬のある日、筆者は午後9時に予約を取って、市中心部から高速道路で 30 分ほどかかる車検場に向かった。 10 分ほど前に着くと、先客が2人ほど並んでいる。オフィスの事務員は何と女性一人しかいない。筆者の番になり、郵送されてきた車検の案内書を差し出すと、さっと機械で読み取ってから、手順を説明してくれた。「隣の車検場前に車を移動させ、そこでしばらく待っていてください。6つのガレージのどれかの入り口の上の電光表示板にあなたの車のナンバーが表示されたら、そこのシャッターが開くので、自分で運転して車を入れてください」とのこと(写真1)。車検場の前では雪の中を7、8台の車が待っていた。およそ 20 分後、5番のガレージに自分の車の番号が点滅、車を入れると担当の検査員が待ち構えている。今日は正午から午後9時までのシフトだという。ときどき隣の検査員が手助けに来て、手際良く検査は 20 分ほどで終了した。

働き者で勤勉と呼ばれる日本と並んでいるようなスウェーデン人の国民性。サービス業などで顕著に見られるこの特性は、最近の日本人は見習わなくてはならないかも。昨今、日本ではサービス業従事者が不足している。コンビニや飲食店では人材が集まらず、シフトが既存の店員でいっぱいとなり負担が増加しているという。働きやすい環境を整えるためにも人材確保は急務だ。

透明性の追求

スウェーデンにおける透明性の追求は徹底している。国会議員には公用のクレジットカードが支給され、その明細は1オーラ(0.1円)単位ですべて公開の対象になる。1990年から 91 年に労働大臣を務めた社民党のモナ・サリーン氏は、大臣在職時に公用のクレジットカードでトブレローネ(Toblerone)というスイスのチョコレート(別に高いものではない。空港の免税店でよく売っている黄色の三角柱の箱に入った棒状のもの)や上着等を購入していたことが、5年後の 96 年に、彼女が副首相として次期首相の有力候補にあがったタイミングで報道され、一時的に政界から引退することを余儀なくされたのは有名なエピソードである。  ちなみに彼女はその後 98 年に政界に復帰し、2007年から社民党の党首を務めて再び次期首相を狙うポジションまで復活した。しかし残念ながら、2010年9月の総選挙では社民党は歴史的敗北を喫したため、彼女は 11 月に至り辞意表明を余儀なくされた。労働者の党である社民党の支持者は伝統的にスキャンダルに厳しい。選挙戦で彼女が唱えた福祉充実のための増税の主張に対して、与党政治家からは、「請求書を国民につけ回す、まさにトブレローネ政治だ」と批判の声が上がった。

日本も公費はクレジットカード一枚で管理して明細はネットで公開とかにすればいい。誰でも閲覧できるようにすれば、何か不正な用途があったら国民から指摘があることになるだろう。

スウェーデンの政治の舞台では女性が多く活躍している。ビジネス分野のトップにも女性が多い。専業主婦率が2%未満というのも特筆すべきところだろう。日本でも徐々に共働き世帯が増えてきていていずれはスウェーデン化していくのかどうなのか。女性の活躍の場が広がれば、子育ても男女平等に行うのが当たり前となり女性の負担も減っていくことだろう。共働き世帯での子育てはどうしても女性主導になりがちな現在だが、未来はスウェーデンのようになっていくのだろうか。

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