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『医療危機』患者にできること、医者がやるべきこととは?

      2017/10/11

日本の財政が危機に瀕するなか、医療費の高額化が問題になっっている。その主因は高齢化と技術進歩であるが、人口の多い団塊の世代の高齢化もあいまって、日本の国民医療費は毎年数千億から一兆円ずつ増加している。危機の状況では医療経済学が説くように、旧来の日本の医療が達成してきたとされる「医療の良い質」「安いコスト」「よいアクセス」の三つの併存は不可能になる。生活者にとって大事なこれらのうち、何を削ればいいのであろうか。

データの活用

①電子カルテで得られたビッグデータから予測モデルを構築し、MSRA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)を保有する患者を識別する仕組みをEMRに入れ、その患者が入院するとヘルスシステムの医師に警告を送信する。

②予測モデルをクロストリジウム・ディフィシレ(下痢や大腸炎などの深刻な腸の疾患を引き起こす細菌)に感染しやすいハイリスクな患者にも活用している。

③予測モデルを使って三〇日以内に再入院するリスクを高/中/低とし、その情報をEMRに入れ、最近退院したハイリスクな患者のデータをプライマリケアの医師に送信。医師はそれを元に高リスクな患者には密にフォローアップのスケジュールを入れる。

このようにデータを活用することになって、医師の管理が大変になると言う見方をする人もいるが、意外と医師からの反発は少なかったと言う。これは医師たちが今後の医療ではビッグデータの活用などデータ化は避けられないと肌で感じているからだろう。最先端の技術に対し批判するのではなく一緒に学んでいこうと言う意識が、患者にとっても望ましい医療の提供につながるのだと思う。

周回遅れの国、米国

米国は皆保険制度を持たない、言い換えれば周回遅れの国であるとも言えよう。しかしその遅れのために患者や生活者の医療アクセスが悪い点を、主にICTを使って改善しようとしている。医療従事者の働き方にも変化が見られ、単に技術だけが優れている技術自慢の医師より、病院の理念に共鳴し、チーム医療を行える医師を「雇用」する動きもある。これらは、独自の考え方を主張するのではなく、標準化された医療サービスを提供すると言う流れにもつながり、レベルを保証するために国際的にはJCI(Joint Commission IAnternational、米国の非営利組織による国際的な病院認証制度)、国内ではTJCによる第三者認証が強化されている。

具体的には感染管理、医療の安全、臨床検査業務など医療周辺にも第三者認証は広がってきており、いずれ日本にも導入されると考えられる。トランプ大統領の就任で、医療保険についても、「オバマケアの廃止」が訴えられた。今後は先行き不透明な米国の医療制度だが彼の主張はこうだ。

  1. 保健は任意加入で、加入したい人だけ加入すれば良い。
  2. 州をまたいでの医療保険販売の規制緩和
  3. 個人の医療保険の保険料を税金控除の対象とする
  4. 医療貯蓄口座(HSA:Health Savings Account)を導入
  5. 全ての医師や診療所、病院などの医療機関は、価格を明瞭にする
  6. 各州のメディケイド予算の使い方の詳細は各州に任せる
  7. 海外の薬を輸入し自由に販売することを許可する

オバマケアの廃止と言うことばかり言われてきて、代替案が具体的に示されてこなかった(日本では報道されなかった)のだが、上記のような施策は果たして支持されるのだろうか疑問である。日本は国民皆保険なので病気に関していえば比較的安心して養生できる。それに加えて僕の場合任意の保険にも加入していたため(両祖母が保険の外交員だったため加入した)2回の入院、計6ヶ月ほどの入院費も保険からおりてずいぶん助かった。急速な高齢化で医療費がすごい勢いで増えていく中、高齢で体力がなくなってきたら自然な形で最期を迎えるよう求める人も増えてきている。僕も抗がん剤治療や、胃ろうなどは受けたくないので静かに死んでいくのが理想だ。

医療費が多いことは悪いことなのか

医療は、それこそ古代ギリシャ時代からあるものだから、あまりぴんとこないかもしれないが、日本においては二〇〇〇年に創設された介護保険をイメージするとわかる。要介護認定者数は年々増加し、二〇〇〇年の制度発足時の二一八万人から、二〇一三年で五六四万人で、この一三年間で約二・五九倍まで増加している。したがって、非常に多くの数の人に様々な介護サービスの需要があり、それを提供する組織が必要である。

日本の人口は減少傾向で、高齢化が進む中、団塊ジュニア世代が高齢者になる頃までは、医療費の拡大が問題となるが、その後は人口減少とともに減っていくのではないかと思う。医療技術も発達して、日帰り入院で手術が行えたりと進行すると治りにくい病気も、早期発見で素早く対応すれば負担も少なく元気を取り戻せるように。

僕のような病院が嫌いなので、がん検診が安く行える通知が届いても無視して検診にはいきません。検診は面倒だし、ガンが発覚した場合のショックの方が、進行に伴う苦痛より大きいのではないかと思うからだ。とはいえ、最近指の付け根が痺れてくるなど統合失調症以外にも病気の予兆とも取れそうな地味な体の変調があり、やっぱ検診にはいかなくてはダメなのかなとも思い始める今日この頃です。最近ではQOLならぬQOD(Quality of Death)などと言う言葉も出てきているそうで、人生も音返し地点に来た僕が健康について改めた考えさせられる書籍でした。

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