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世界一のサービス 十年前のお客様を忘れない|下野 隆祥

      2019/11/30

フランス最高峰のレストラン「ロブション」の日本第一号店の初代総支配人を務めるなど、日本を代表するサービスのプロが、自ら目指してきた「世界一のサービス」の神髄を語る。さらに、自身が審査員を務めたサービスの世界コンクールも紹介。超一流のサービスに必要な習慣、能力、思想とは。

レストランでの不快な記憶

レストランで食事をする一人の客として、私にはこういう不愉快な記憶があります。池袋にある大型電器店の最上階のレストランで食事をしていた時のこと。アルバイト(であろう)ウエイトレスが、脱いで椅子にかけておいた私の上着に、誤って料理のソースをこぼしてしまったことがありました。それ自体は珍しいことでもなんでもありません。ウエイトレスはすぐに私に謝りましたので、「いいよ、気をつけてね」といってその場は収まりかけました。ところが食事を終えて席を立とうとするころになって、いそいそと支配人がやってきて、名刺を出しながら私にこう言ったのです。 「今回は私どものスタッフが粗相をいたしました。申し訳ございません。クリーニング代をお支払いいたしますので、どうぞおっしゃってください」この言葉に、私の中のサービスマンとしての意識の中の何かが弾けました。「おっしゃってくださいとはどういう意味ですか?」私が訊ねると、支配人はなぜそんなことを聞かれるのかわからないという表情でこう言うのです。「いえ、ですから後日クリーニング代をおっしゃっていただけたらお支払いします、と──」私は瞬時にこう言い返していました。 「あなたは私に後日わざわざこの店に来て、クリーニング代を請求しろということですか?またそこで嫌な体験を思い出せということですか!」私の剣幕に、支配人は口ごもってしまいました。「いえ、そういうわけではないのですが──」私はもじもじする支配人に対して「老婆心ながら──」と添えながら、こう付け加えました。──こういう時は、封筒に入れた現金を渡して「もし不足があれば後日お届けします」と付け加えればもっとよかった。なぜそうできなかったのか。すると彼は平然と、こう答えたのです。 「それは会社の規則でできないことになっているのです」私はこの言葉に、本当に腹を立ててしまいました。この先のことは、これ以上書きたくもありません。

僕は飲食店で嫌な思いをしたことはあまり無いのですが、それは最初っから多少高いお金を払ってでも、評判の良い店を選んでいるからかもしれません。カフェなんかでいうと、スターバックのようにパートナーに接客の権限がある程度委ねられているお店に行きます。何か手違いやミスがあっても、それぞれのパートナーの裁量でサービスを提供できる店だからです。

先回りでお客の気持ちを察しろ

侍が戦場において敵と対峙した時に、相手の動きに反応していたら負けになるから、身体の動きを制御する相手の「意識」が動いた時に反応する訓練をつめ、ということです。これを私たちサービスの仕事に読み替えていえば、「お客様が態度で示す前にその要望を察しろ、気づけ」ということになります。お客様がいま何をほしがっているのか。トイレの場所を探しているのか。勘定を払おうとしているのか。水を欲しがっているのか。そういうことを、言葉で要求される前に察して(気づいて)、さりげなくそれをサポートできれば、こんな気持ちのいいサービスはありません。もちろん、それはお客様の様子を常に凝視していなければ、なかなかできないことです。

お客がどんなことを望んでいるかを察して、先回りするには、観察力が必要。店内隅々まで巡回していち早くお客のしてほしいことを先取りするのです。

お客様とのコミュニケーション

お客様とのコミュニケーションに情熱を込めるということ。これは日本人のメートルが全般的に苦手にしていることかもしれません。概して日本人のメートルは、「きめ細やかさ、手際の良さ、清潔さ、記憶力」については評価が高いですが、お客様とのコミュニケーションについては踏み込みが一歩足りないと感じられることもあります。ですから、日本人のきめ細やかさ、手際の良さ、清潔さ、記憶力に、西洋人のコミュニケーション力が加われば、世界一のサービスになるといえるでしょう。たとえば本場フランスのレストランに行くと、メートルがさりげなく近づいてきて、いろいろ話しかけてくれることが多いものです。もちろん言葉の壁がありますから、日本人同士のような会話は難しいのですが、「コンニチワ ゴキゲン イカガデスカ」「ワタシハ トウキョウニ イッタコトガアリマス」等々、カタコトの日本語を喋ってくれたり、通訳を通して料理の説明をしてくれたりします。日本人の観光客にとっては、ほんの少しでもメートルと会話が成立したら、それだけで嬉しいのです。料理の印象もレストランの思い出も、良いものになるに違いありません。つまり、本場のサービスマンたちはそんな日本人の特質を知っていて、言葉が通じないことを逆に利用しているのです。難しい異文化の壁をむしろ利用して、コミュニケーションをとろうとしている。その「努力」にこそ、サービスの神髄が宿っています。

お客とのコミュニケーションは苦手な人が多いのでは無いだろうか。積極的に会話するチャンスというのは意外と少ない。飲食店でも連れとの会話に割って入るようではもちろんダメだし、意外と苦慮している接客業の人は多いのではなかろうか。

世界一のサービスとはどういうものか?サービス業に携わる人には読んでほしい一冊。一流の接客とはどんなものかが学べます。

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