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「いじめ」と「脳内ホルモン」の危うい関係とは?

      2017/11/12

「いじめを根絶しよう」といった理想はこれまで長く語られて来ました。また、文部科学省の指導により、学校でもいじめをなくすための様々な方策が講じられています。しかしながらいじめに苦しみ、自殺を選択する子供達のニュースが報じられます。人間集団における複雑かつ不可解な行動「いじめ」について科学の視点で解きあかそうという研究が世界中で行われています。実は社会的排除は、人間という生物種が、生存率を高めるために、進化の過程で身につけた「機能」なのではないか?人間社会において、どんな集団においても、排除行動や制裁行動がなくならないのは、そこに何かしらの必要性や快感があるからではないかと。誰かをいじめると楽しいという脳内麻薬、いじめが起こるメカニズムを脳科学的観点から解説。

誰かをいじめると楽しい

例えば、子どものいじめを回避するためには、「相手の気持ちを考える」「相手の立場になって考える」といった指導では不十分であったことは、私が指摘するまでもないでしょう。これはいくら「相手の気持ちを考えましょう」と教え諭したところで、子どもの脳は「共感」の機能が未発達であるからです。「共感」の機能はじっくり育てていくことが大切なのですが、いじめを回避したい場合には間に合いません。とくに子ども時代は、「誰かをいじめると楽しい」という脳内麻薬に対して、共感というブレーキは働かないため、これを止めるには「自分が相手を攻撃すると損をする」というシステムが必要です。

いじめ対策として、学校中に監視カメラ(教室、トイレ、更衣室など)を設置し抑止力とする学校もありますが、多くの学校では、校門付近のみ監視カメラを設置しているだけの学校が多いだろう。現状、学校現場では、誰も見ていないところで相手を攻撃すれば自分が損をすることはない。つまり、「攻撃した者勝ち」なのです。イギリスでは9割の学校で防犯カメラが設置されています。学校や教師による不祥事も抑止できる効果もあるので、学校経営においては、いじめ同様効果があるものと考えます。監視社会云々という議論もあるかとは思いますが、通常社会においても、監視カメラやドライブレコーダーの普及により犯罪を抑止する効果は一定数認められるし、犯罪の動かぬ証拠として機能しています。いじめを犯罪と位置づけ許さない社会を目指すには、閉ざされた世界で苦しむ子供達のためにある程度の監視の目は必要かと。

過剰な制裁(オーバーサンクション)

例えば、ルールを破ろうとしているのではなく、ルールを知らなかっただけの人や、体が小さいがためにみんなの役に立たなさそうに見えてしまう人、さらにはちょっとだけ生意気だったり、みんなの常識と違った格好していたり、標準的な可愛さよりもちょっと目立つ可愛さがあるなど、みんなのスタンダードと少し違う人。こういった対象に向けて、制裁感情が発動してしまうことがあります。これを、「過剰な制裁(オーバーサンクション)」と言います。この現象は学校内や会社といった組織でも起こりうることです。そして、これが「いじめ」が発生してしまう根源にあるメカニズムなのです。

「出る杭は打たれる」そんな世の中でうまくバランスをとって(空気を読んで)日常生活をおくれれば良いが、僕はそういうのが苦手。持ち物一つ取っても、欲しいものは欲しいし、それがちょっと他人と差がつく物だったりしてもあまり気にしない。なので、上司より高い家賃の物件を選んで失敗したり、車も新車で買って疎まれたりと失敗を挙げたらきりがない。そんな暗黙のルール的なものには抗って生きたいし、それによってグループから排除されるのも受け入れている。孤独は悪いものだとも思っていないので、その中で楽しいことを見つけられれば良いかと思います。

オキシトシンがいじめを助長する

オキシトシンが分泌されると、相手への親近感や信頼感、安心感が生まれ、そして、心理的、精神的なストレスも緩和されます。愛する人、仲間と一緒にいることで大きな幸福感を感じたり、誰かと握手をしたり、肩を組んだり、目を見て話したりすることで仲間意識を感じるのは、オキシトシンによる効果です。(中略)しかし、共同社会作りに欠かせない側面がある一方で、オキシトシンが仲間意識を高めすぎてしまうと、「妬み」や「排外感情」も同時に高めてしまうという、負の側面をも持った物質であることもわかっています。

オキシトシン自体は良くも悪くもなく、仲間を作るために必要だから分泌され、仲間を大切に思う気持ち、良い仲間を求め選別しようとする機能は表裏一体で、良い仲間を選別しようという気持ちが強くなるとサンクション=いじめが発生します。

いじめが発生するメカニズムと同時に、集団で生活する以上どうしても避けることのできないいじめ問題について再認識できる書籍でした。エスカレートすると相手を自死にまで追い込む危険性があるいじめについては、厳罰化でのぞむしかないのではなかろうか。結果自分の利益につながらないとなれば、いじめも減るのではなかろうか。自分の子のいじめを立証するために証拠集めとして探偵を雇うケースもあるのだとか。ちょっと驚きだがそこまでさせるに至るオーバーサンクションはやはり許せない。

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