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イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」とは?

      2017/11/07

10年以上にわたって外資系コンサルティング会社で経営コンサルタントとして働き、その途中でビジネスの世界を離れ、科学者として脳神経科学(ニューロサイエンス)の研究を行ってきた著者。そして、ここでもう一つ気づいたことがある。それは分野がビジネスであろうとサイエンスであろうと「本当に優れた知的生産には共通の手法がある」ということ。その共通の手法とは?

悩まない、悩んでいる暇があれば考える

「<考える>と<悩む>、この2つの違いはなんだろう?」僕はよく若い人にこう問いかける。2つの違いは、次のようなものだ。

「悩む」=「答えが出ない」という前提をもとに、「考えるフリ」をすること

「考える」=「答えが出る」という前提をもとに、建設的に考えを組み立てること

この2つ、似た顔をしているが実はまったく違うものだ。

「悩む」というのは「答えが出ない」という前提に立っており、いくらやっても徒労感しか残らない行為だ。僕はパーソナルな問題、つまり恋人や家族や友人といった「もはや答えが出る・出ないというよりも、向かいあい続けること自体に価値がある」という類の問題を別にすれば、悩むことには一切意味がないと思っている(そうはいっても悩むのが人間だし、そういう人間というものが嫌いではないのだが‥‥)。

特に仕事で悩むことは馬鹿げている。仕事というのは何か生み出すためにあるので、変化を生まない「悩む」という活動に時間を使うのは無駄以外の何物でもない。このことを頭に入れておかないと、「悩む」ことを「考える」ことと混同し、無駄な時間を過ごすことに。悩んでいることに気づいたら、すぐに休んで悩んでいる自分を認識できるようになろう。10分以上真剣に考えてもラチがあかない問題に遭遇したら、そのことについて考えることは、一旦やめたほうがいい。それはもう「悩んでいる」可能性が高いからだ。「悩む」と「考える」の違いを意識することは、知的生産に関わる人にとってとても重要。仕事や研究でなすべきは「考える」ことであり「答えが出る」という前提に立っていなければ意味がない。

踏み込んではならない「犬の道」

世の中にある「問題かもしれない」と言われていることのほとんどは、実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない。世の中で「問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば、今、この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題は2つか3つくらいだ。マトリクスのヨコ軸である「イシュー度」の低い問題にどれだけたくさん取り組んで必死に解を出したところで、最終的なバリューは上がらず、疲弊していくだけだ。この「努力と根性があれば報われる」という戦い方では、いつまでたっても右上のバリューのある領域には届かない。

何も考えずにがむしゃらに働き続けても、「イシュー度」「解の質」という双方の軸の観点から「バリューのある仕事」まで到達することはまずない。10000回に1回程度しかまともな仕事は生まれない計算になる。多くの仕事を質の低いアウトプットで食い散らかすことで、質の高い仕事を産むことができなくなる可能性が高い。つまり「犬の道」を歩むとかなりの確率でダメな人になってしまうのだ。本当にマトリクスの右上の「バリューのある仕事」にたどり着きたければヨコ軸の「イシュー度」を上げ、その後にタテ軸の「解の質」を上げていく必要がある。

イシューを見極める

問題はまず「解く」ものと考えがちだが、まずすべきは本当に解くべき問題、すなわちイシューを「見極める」ことだ。ただ、これは人間の本能に反したアプローチでもある。詳細がまったくわからない段階で「最終的に何を伝えようとするのかを明確に表現せよ」と言われたら、きちんとものを考える人であればあるほど生理的に不愉快になるだろう。よって、「やっているうちに見えてくるさ」と成り行きまかせが横行するが、(多くの人が経験しているとおり)これこそがムダが多く生産性の低いアプローチだ。あるいは「やらなくてもわかっている」とイシューを見極めるステップを飛ばすことも同じように失敗のもとだ。

今、行なっていることは何に答えを出すためのものかを明確にしてから問題に取り組まないと、後から必ずほころびが生じる。ビジネスであれ研究であれ1人で取り組むことはほとんどないなか、チーム内で「これは何のためにやるのか」という意思の疎通を大事にし、立ち帰れる場所を作っておく必要がある。生産性が下がってきているなと感じたらチーム全体で基本に立ち返りイシューの意思合わせを行うことが必要だ。

2週間でできると思っていたことが2ヵ月かかることがわかる。厄介ではあるがこうしたことは頻繁に起こる。このような時には人に聞きまくることだ。それなりの経験がある人に話を聞けば、かなりの確率で打開策のアイデアを持っているものだ。現在ならGoogle様に聞きまくるのも一つの手だろう。聞きまくれる相手を持っていることはスキルの1つと勘定しても良いだろう。生産性を上げるために必要な考え方を学べる書籍。あなたは今〝悩んで〟いませんか?

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