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「恋する力」を哲学する|梅香彰

人は恋してしまうもの。しかも特定の相手に。ある時は一目惚れ、ある時は友人だったはずの人。ひとたび火がつけば、その人のことしか考えられなくなる。その激しい感情のメカニズムとは?フロイトとユングの心理学を重ね合わせながら、ニーチェやキェルケゴール、プラトンの思想を軸に恋愛を哲学する。心の中に眠っている恋のエネルギーは、自立した人生を始めるための、かけがえのない起爆剤であることが語られる。人間特有の不思議な心理構造を通して、自分らしく生きる意味を真摯に考える哲学エッセイ。

恋とは相手あってのもの?

恋というのは、一般的には、相手が現れてはじめて芽生えるものだと考えられている。「それはそうだ、相手もいないのに恋などできるわけがないだろう!」というみなさんの声がいまにも聞こえてきそうだ。しかし、ほんとうは恋人が現れるはるか以前から、自分の心の中には潜在的な「恋する力」というエネルギーが存在している……と( 臆面 もなくと思われるかもしれないが)私はここで断言したい。この恋する力は、恋人が現れるまでは意識されずに眠っている。そのため、自分では意識できないけれど、しっかりと潜在能力として心の中に存在している。プラトンも、恋は人間がもっとも美しいと思う相手を求める根源的な欲望であるといっている。恋愛を心に内在するひとつのエネルギーとして理解していたと考えて間違いない。

特定の相手に恋い焦がれる恋もあれば、アイドルや俳優に恋心を抱く恋もある。その情熱の度合いは人それぞれ。恋するエネルギーとは相手が偶像でも成り立つので、生身の人間である必要はないのだ。アニメのキャラクターに恋する人もいれば、その中間である声優さんに恋する人も。恋にも色々あるということだ。

周りにみんな恋人がいるのに‥‥

周りのみんなに恋人がいるのに、自分だけいないのは恥ずかしい……といった気持ちは、ことに若いうちは往々にして抱くかもしれない。そこで、だれでもいいからあたりかまわず適当な相手を見つけ(見つかるだけ立派であるが)、無理やりにでも自分が恋愛しているかのように思い込もうとする。心当たりはないだろうか。スタンダールがこのような分析をした背景には、おそらく彼の生きた時代に、かなりいかがわしい恋愛が横行していたのだろう。貴族社会などでは、趣味恋愛や虚栄恋愛といったものが数多く存在していたのかもしれない。では現代社会において、そのような恋愛がなくなったかといえば、そんなことはない。自分では情熱恋愛をしていると思い込んでいても、肉体だけに囚われたり、趣味的であったり、虚栄心を満たすためであったり……。意識せずとも、そんな恋愛に 現 を抜かしている人たちはたくさんいるではないか(!)。そういう意味では、相手に結晶作用を引き起こすような情熱恋愛なるものは、その人の生涯において何度も体験できるようなものではないのかもしれない。幻想のような気さえしてしまう。本物の恋愛、純愛などと表立って口にすると、「バカじゃないの!」と冷笑されてしまいそうだ。でも、だからこそというべきか、私たちは心の奥底では、本物の恋愛が必ず存在すると信じていたいし、求めつづけてもいるはずだ。

僕も学生時代は恋人がいたがそれも束の間だった。周りの人は結婚していくのにとかいう状態は僕にはなく、友達がいない僕は結婚式にさえ呼ばれたことがない。結婚式に呼んでくれる友達がいるだけあなたはマシですよと言いたい。病気になって会社から離れ、社会との接点も薄くなっていく中、液晶の向こう側のアイドルや俳優、スマホの向こうの女優の卵に心奪われるように。孤独でもそれなりに楽しみを見つけられる良い世の中になったもんだ。

恋愛論

スタンダールが『恋愛論』のなかで示してみせた四つの恋愛形態――情熱恋愛、趣味恋愛、肉体恋愛、虚栄恋愛。恋している私たちは、よほど心が歪んでいないかぎり、それが情熱恋愛だと信じて疑わないだろうし、決してスタンダールのいう趣味恋愛、肉体恋愛、虚栄恋愛だとは思わないだろう。しかし、現実の恋愛にはさまざまな要素が混じってくる。一見すると情熱恋愛に見えても、じつは肉体恋愛であったり、趣味恋愛や虚栄恋愛であるかもしれないし、ほんとうは金に目が 眩んでいた……なんてこともないわけではない。離婚率が年を重ねるごとに高くなっている今日、その理由のひとつは、よくいわれるように、女性の社会的・経済的地位が高くなり、夫と別れても生活していけるからだということはある。ただ夫婦が別れる要因はというと、突き詰めれば、一緒に暮らしてみたら、自分が相手に期待していたのとはぜんぜん違っていた、ということに集約されるだろう。 「こんな人だとは思わなかった!」そういう失望感が何かのきっかけで爆発し、案外と簡単に別れてしまうことがある。「こんな人」と知って失望するのは、当然「違う人」だと思っていたからだ。その思い込みには、その人のアニマ・アニムス、あるいは現実的な利害が入り混じっている。

恋愛形態を具にみていくと自分の恋愛はどれに当たるのかがわかる。女性の社旗的地位が高くなり、自立した女性が増えてくると、恋愛形態もスライドしてくるだろう。

「恋する力」を哲学的に考えてみると、そこには新しい視点が!恋愛が現在進行形の時は気づくことすらないかもしれない様々なことを客観的にみることで自分がどのような恋愛形態にあるのかがわかる。

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