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LISTEN──知性豊かで創造力がある人になれる|ケイト・マーフィ|You're Not Listening

人の話を聞くということは自分では考え付かなかった新しい知識を連れてくること。自身の考え方にとらわれず新たなアイデアに巡り会えます。話をじっくり聞く人はこうした側面からも柔軟な人が多い。しかし、どんな会話も我慢が必要。そんな技術を知っているだけで人生は驚くほど豊かに!!

ソーシャルメディア

ソーシャルメディアは、「あらゆる考えを世の中に向けて発信する、仮想のメガホン」と、「自分に反する考えを取り除く手段」をすべての人に与えました。

人々は、電話をわずらわしいと感じ、留守番電話のメッセージを無視し、テキストや絵文字でのやり取りを好むようになりました。何か聞くとしたら、自分だけの安全な音の世界に入り込めるヘッドホンやイヤホン。遮断された世界の中での、自分の人生という映画のサウンドトラックです。

その結果、孤立や空虚が忍び寄ります。そして人はより一層、デジタル・デバイスをスワイプ、タップ、クリックするようになっていきます。デバイスは気を紛らわせてくれますが、心の栄養になることはほとんどありません。

ましてや、感情に深みを与えるなどさらにないでしょう。感情の深みを育むには、相手の声が自分の体と心の中で共鳴する必要があります。

本気で耳を傾けるとは、相手の話によって、身体的にも、体内物質のレベルでも、感情的にも、知的にも、動かされるということなのです。

SNSのDMでのやり取りとかすら数が増えてくると煩わしく感じるもの。好ましい相手からの連絡だったらまだしも、勧誘のDMなどを最後まで30秒読んだとするとそのたった30秒でさえ返してほしいと感じることも。これは電話でも言えて、よく知らない番号から電話がかかってきて出てみるとカード会社により委託を受けている保険商品の販売だったりするわけで、またその説明がながったらしくて耳を塞ぎたくなる。こうした経験から電話には出なくなりより一層SNSの比重が高まって狭量になりがち。

うなずいたり、おうむ返しは「聴くこと」ではない

いかにして良い聞き手になるかの手っとり早いアドバイスは、巷にたくさんあふれています。そのほとんどは、ビジネス・コンサルタントやエグゼクティブ・コーチによるものです。

わざわざ、「ソニックワールドの共有」や「コ・コンテキスト化」など、新しい造語で表現しているのですが(ひねりすぎて笑ってしまうようなものも…)、実はどれもコンセプトは同じです。

彼らの方法論は要するに、聞いている姿勢を見せましょう、それには、アイコンタクトをする、うなずく、ところどころで「そうだね」を入れることが有効ですよ、さらには、話をさえぎってはいけない、相手が話し終わったら言葉を繰り返したり、言い換えたりして合っているか確認し、合っていなければ直してもらえというものです。そして、聞き手であるあなたはここまで待って、話していいのはやっとここからですよ、ということです。

なぜこのような聞き方が「いい」とされるのでしょうか。

それは、この方法を実践すれば、自分が欲しいものが手に入る(つまりデートする、売り上げを上げる、最語条件を交渉する、企業の出世階段を上る)という前提があるからです。

うなずき、相づちを打ち、おうむ返しをし、時には相手の話を要約する。そんな話し方が良いとされているが、僕のような捻くれ者からすると、「ああまた傾聴テクニックね」と察知してしまいかえって悪い印象を持ってしまう人も少数だがいるのではないだろうか。街中で女性に好きな男性のタイプは?と聞いたら十中八九「清潔感がある人」「さりげなく車道側を歩いてくれる人」というようにテンプレート化したものだと。

人として成長する唯一の方法は、反対意見に耳を傾けること

「アクティブ・リスニング」という言葉をつくった心理学者カール・ロジャーズは、人として成長する唯一の方法は、反対意見に耳を傾けることだ、と述べています。

ロジャーズの著書を見てみましょう。

「自分の考えを修正したり、古いものの見方や考え方を投げ捨てたりするのはいまだにいやなことです。しかし、このような苦痛を伴う再構築こそ、学習と呼ばれているものであること、またたとえ苦痛を伴うとしてもそれは、人生をより正確に見ることができるというさらなる満足を常にもたらすものであること、このことに私は、より深いレベルでかなりの程度気づくことができるようになりました」(「ロジャーズが語る自己実現の道』岩崎学術出版社)

逆にいうと人との会話の中で相容れない意見が出たとしても寛容であることが重要だということ。決して相手の話を遮って持論を展開することや話題を変えてエスケープすることは好ましくない。相手の話に乗ってあげる余裕は欲しいですね。

聞くことに特化したスキルや考え方が満載の本。各種実例や研究成果をもとに書かれているので信頼感、納得感が半端ない。久々にこの手の本で震えた!!これは殿堂入りの本として売らずに取っておこうと思った一冊です。

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