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老人漂流社会|住まいを追われ、“死に場所”を求めて漂流する高齢者が、いまあふれ出している

高齢者が体調を崩して自宅ではもう過ごせない状態になっても病院や介護施設は満床で入れない。お金があれば有料の施設という選択肢があるが、金銭的余裕がなければすぐに貯金は底をつき、行き着く先は生活保護。住まいを追われ漂流する高齢者のリアル。

終の住処を選べない時代

頼れる親族がいない大井さんのもうひとつの大きな問題は、「頼れるカネ」も十分に持っていないことだった。縁がなければ、カネで補う時代──そのカネさえ持てないとき、何が起こるのか。

居場所を転々としている大井さんは、小さな黒いポーチに「資産」をしまい込んで持ち歩いていた。大井さんに了解をもらって、ポーチの中を見せてもらうと預金通帳とたたんだお札、年金手帳が入っていた。年金額は国民年金と厚生年金合わせて、1か月6万5000円。貯金は 80 万円ほどであった。公共料金や家賃などの滞納はなく、入院したあともすべて引き落としがされていた。

大井さんを担当する、基幹地域包括支援センター担当スタッフのアルマルカウィ恵子さんは、対応の難しい高齢者を支援してきた経験から、貯金通帳を見れば高齢者の暮らしぶりがわかると語ってくれた。

「高齢者がある日、突然体調の悪化で病院に運ばれると、入院中に通帳などの貴重品を一時預かることはよくあります。そうしたとき、通帳を見れば、その人の暮らしぶりがよくわかるのですが、大井さんはきちんと生活していたのだと思いますね。年金が入金される口座から公共料金などが引き落としできるように、しっかりと金銭管理を行っています。借金の様子もないですし。ポーチの中に貴重品をまとめて保管しているという点でも、きちんと生活していた方だと思いますね」

年金額が減っていくこれからの時代、僕らもこの例のような状況になりかねない。老後3000万円問題と言われるぐらい年金に頼れない世の中では貯蓄が大事。若い人の中には今から自分年金を積み立てる計画性を持った意識の高い人も。事前の準備が老後を決める。

どうすれば老後の安心は得られるのか

有料老人ホームのようなところは入居に数百万かかるところもあり、富裕層向けのものも少なくない。費用が比較的安い特別養護老人ホームは、入居するまでに数年待ちという実態だ。他にもさまざまな高齢者向けの施設があるが、年金が200万円に満たない人たちのニーズに対して、十分に応え得るものとはなっていない。

高齢者はどこで老後を過ごし、療養すればいいというのだろうか。

そういうときに相談にのってもらえる場所がある。第1章でも取り上げた「地域包括支援センター」だ。いわば、高齢者のためのよろず相談窓口である。全国に約4300か所、各地の自治体が主体となって整備を進めている。

寄せられる相談は、さまざまだ。 「在宅で医療を受けたいのだけど、どこに相談すればいいですか?」 「体が弱ってきて、日常生活が思うようにいかない。介護を受けたいのだけど……」 「親が認知症になったようだが、どうすればいいのか?」

地域包括支援センターに寄せられる声は、高齢者やその家族からのせっぱ詰まったものばかりだ。対応にあたるのは、保健師か看護師、主任介護支援専門員(ケアマネージャー)、社会福祉士だ。専門の職員が、健康状態や暮らしぶりを把握して、必要な医療や介護サービスなどにつないでくれる。

困ったときは、まず、地域包括支援センターに問い合わせてみる。自治体に問い合わせれば、連絡先は教えてもらえる。もし、あなたが、介護や生活の不安を抱えていたら、まずは自分の住んでいる地域の支援センターに、相談してはいかがだろうか。

老後困った時に相談できる機関を知っておくのも大事。あなたが老後苦労しているのを助けてくれる重要なサービス。しかし、その存在を知らなければ恩恵を受けることすらできない。ここにも情報弱者の問題が。向こうから「あなた大変そうなので面倒見ますよ」と積極的に働きかけてくることはないので事前にそうした情報を得ていなければならない。

老後漂流しないために必要な知識とあなたにも訪れるかもしれない老後のピンチを知らせてくれる書籍。決して人ごとではないのでぜひ知識として読んでほしい。

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