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渋谷ではたらく社長の告白|藤田晋|孤独と絶望、そして成功のすべてを赤裸々に告白

サイバーエージェントの設立により実現した高校時代からの夢。しかし、社長になった彼を待っていたのは、厳しい現実。ITバブルの崩壊や買収危機、社内外からの激しい突き上げ。栄光と挫折、そして成功のすべてを告白するノンフィクション。

裏切り、それでも手放せなかった夢

「『日経新聞』を読んでいないやつはビジネスマンとして認めない」

そんな風に言われて、私はバイトを始めてから毎日隅から隅まで『日経新聞』を読むようになりました。渡辺専務の愛読書だった『日経ビジネス』も毎週読んで、いつもその内容について会話ができるようにしていました。

仕事だけでなく、映画に行ったり食事に行ったり旅行に行ったり、プライベートでもかなり親しく付き合っていただくようになりました。それはオックスプランニングセンターの社員たちが 訝しがるほどでした。

「専務、藤田ばっかりかわいがって……」

「なんか異常だよね……」

私は経営観だけでなく、人生観に至るまで、渡辺専務からたくさんの影響を受けています。

「藤田、大企業に入社して合コンに行って名刺出して威張るやついるだろう? あれはかっこ悪いよ」

「どうしてですか?」

「大企業にも、それを立派な会社につくり上げた人たちがいるんだ。その人たちが偉いんだ」

「はい」

「そういう人たちが汗水たらして必死になって立派にした会社にいまさら難しい試験をパスして入社して、偉そうにしていてもなぁ」

「確かにそうですね……」

確かに……。

そのとき渡辺専務は私を大企業ではなくオックスプランニングセンターに入社させようとわざと言っていたのかもしれません。しかし私は大いに感銘を受けました。

「よくおれたちみたいな新しい会社はすぐ実績を見せろって言われるだろう?」

「そうですね」

「それで毎回、『まだ実績はありません』って馬鹿正直に言ってたら、事業が立ち上がると思うか?」

「無理ですね」

「ハッタリでもいいから、とりあえず実績を口に出して言ってしまって、次に会うときまでに本当に実績を作ればいいんだ」

「実績ができなかったら?」

「もちろん、そしたらただの嘘つきになっちゃうけどな」

実績を馬鹿正直に言っていたら、実績自体が作れない。苦しい内情のベンチャー企業がゼロから何かを生み出すことができる理由を知った瞬間でした。

ハッタリで実績を語る人間を数多く見てきたが、確かに何か新しいこと行おうとするとき実績不足に見舞われるのは仕方がないこと。そこで自分を大きく見せるためにビジョン語りとかするわけだが、これが一般人の僕のような人からすれば「痛い奴」に見えて仕方がない。そんな痛い奴の中からごく稀に本物が出てくるわけだが著者はその典型。

バブル崩壊、孤独と彷徨

2001年9月。

ワラントの行使期限まで残り1ヶ月に迫った日のことです。

4─6月の四半期で黒字決算を発表したにも拘らず、株価は相変わらず地の底を彷徨っていました。

新聞は初の黒字化ではなくて、売上成長の鈍化のほうを報じていました。

日々まじめに一生懸命仕事を続ける社員からは、「お前のせいで評判が悪いんだ」と恨まれているような妄想にかられました。

株価対策は万策尽きた──。

「藤田が辞めることが最大の株価対策」

インターネットの掲示板にはそんなことが書かれていました。

株式保有比率を巡る交渉はぎりぎりのところまで来ていました。

私のプレッシャーも極限状態です。

そんなとき、熊谷社長から電話が掛かってきました。

「藤田君、ぼくは 20 億も御社に投資してるんだよ!」

普段は温和な熊谷社長が声を荒らげるのは初めてでした。

〈このままではGMOに買収されてしまう……〉

私は完全に追い込まれていました。

9月の上旬。まだ 10 月1日には1ヶ月近くの時間が残されています。  右にも左にも味方はいない──。

私の経営者としての可能性を信じている人は誰もいないように思えました。

買収を回避する一分の可能性が残されているとしたら、若い社長の会社を乗っ取ることに対する、社会的な批判は避けたいといったことくらいでしょう。追いつめられた私は、必死に残っている可能性を模索していました。

社内を見れば、社員たちが寝る間も惜しんで一生懸命仕事をがんばっています。

私はただ……ひたすら株式市場に振り回されているだけでした。

〈おれじゃない人が社長をやったほうが会社のためかも──〉

忍耐強く、辛抱強い。自分でそう思っていた心がついに折れた瞬間でした。

自分のたったひとつの夢。

何もかもを捨てて突き進んできた目標。 「21 世紀を代表する会社をつくる」

その夢はついに終わろうとしていました。

時代に翻弄された著者の会社。常人のメンタルでは乗り切れない不安や焦りを肌で感じながら乗り越えてきたからこそそこにドラマが生まれる。信念と共に。

サイバーエージェントの軌跡を描いたノンフィクション。ベンチャーから業界を代表する企業にまで育て上げたその手法は型破りでドラマがある。Facebookとかと同じで創業者のバイタリティの凄さを感じる一冊だ。

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