楽観主義は元気の秘訣｜鈎治雄

楽観主義という武器を手にすれば人生の悲哀に支配されそうになったとき、挫折に立ち向かう原動力になります。人生100年時代の心のエンジンに火を灯せ！

長寿社会を生きる

この半世紀余り、まさに右肩上がりで、私たちの寿命は延び続けているのです。現在では、女性の平均寿命が高く、男性とのあいだに七歳のひらきがあることがわかります。日本人女性の平均寿命は二十六年連続で世界第一位です。日本の女性の生きる力、生命力は〝すごい〟の一言につきるといえるかもしれません。〝親孝行をしたいときに親はいる〟時代が現実のものとなりました。それでは、最後に、二〇六〇年（平成七十二年）の平均寿命を予測してみてください。これまでの推移を参考にして予測すると、どれくらいの数値になると思われますか。国立社会保障・人口問題研究所（二〇一三）の予測データによれば、二〇六〇年（平成七十二年）の日本人の平均寿命は男性で八十四歳、女性でおよそ九十一歳となるようです。これからの半世紀のあいだに日本人は男女ともに、今の平均寿命よりおよそ五歳延びる計算になります。

親が健康で子供が病気などになれば親より早く子供が病に倒れるなんてケースも徐々に増えていくだろう。そうなってくると誰が高齢者を支えるのか？今までもモデルが通用しない時代になりつつある。ほんの少し前まで65歳は高齢者という認識だったが、町内会などの会合に参加するとリタイアした長老的な人がたくさん。65歳はまだまだひよっこでパシリ扱いになるだろう。これからは定年後も働く人が増えていくというか、働かなければ生活が成り立たないフェーズに入ってきている。

アンチ・エイジングのすすめ

近畿大学アンチ・エイジングセンターでは、予防医学の観点から、アンチ・エイジングのためには、〝３Ｃ〟のプロセスの定着化を図っていくことが大切であることについて、言及しています。すなわち、①Check（診断）、②Care（健康指導・栄養指導）、③Cure（長期のスパンでの支援）の三つのプロセスが不可欠であるとしています。私たちが健康長寿を維持していくためには、特に、医学的な面から、①定期的な健康診断を欠かさない、②専門家の指導・助言を謙虚に受けとめる、そして、③医学的治療をはじめ、さまざまな専門施設や機関などからのサポートを、積極的に取り入れていくという普段の努力や前向きな姿勢が、とても大切になってきます。〝３Ｃ〟のプロセスや考え方を、日常生活の中に、しっかりと取り入れていくためには、本書の主題である楽観主義に裏打ちされた、前向きな生き方が求められます。見方を変えれば、予防医療の観点から、アンチ・エイジングによるさまざまな実践に挑戦し、生活環境を整えていく努力を怠らないことが、ポジティブな生き方や楽観主義に根ざした人生を歩んでいく上で、大切になってくるのです。

アンチ・エイジングは美容だけでなく様々なところで浸透しつつある。抗年齢という自然の摂理に逆らう技術は必要か否かは別として、長生きが常態化すればより元気な状態で歳を重ねたいと思う人は増える一方だろう。お金はかかるが美容の分野でも若さを取り戻すためしわ改善などが人気となっている。

食生活の五つの秘訣

サケには、特に、ビタミンＤが豊富に含まれています。骨や歯の形成に欠かせないカルシウムは、日本人に不足しがちであると言われますが、このカルシウムの吸収を助けるのがビタミンＤです。「抗酸化作用」という点でも、サケがよいようです。サケの身の色は、だいだいや赤味がかった色をしていますが、この色を赤くする成分が、アスタキサンチンです。この色の成分であるアスタキサンチンには、大変強い、抗酸化作用があるとされています。アスタキサンチンは、細胞に入って活性酸素をなくし、血液をさらさらにするとされています。血行の改善や、眼の疲労回復など、優れた抗酸化力をもっています。抗酸化作用という点ではなかなかの大物です。サケが生きていくために必要な成分は、人間にも必要だということでしょうか。また、ＤＨＡ（ドコサヘキサエン酸）などのサケに含まれる脂肪酸もまた、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病に効果があるとされています。さて、果物では、どうでしょうか。これは〝果物では［リンゴ］がおすすめ〟が正解です。リンゴの効果については、さまざまな企業でも研究が進んでいますが、リンゴの中に含まれる〝ポリフェノール（polyphenol）〟には、先ほどの抗酸化作用があるとされています。私たちの食卓においても、リンゴを全部、食べきれないで、食べ残すことがよくあります。そんなとき、皮を剝いた、余ったリンゴをそのままにしておきますと、茶色に変色してしまいます。それは、このポリフェノールが酸素と反応して、みずみずしさを保持しようとする証なのです。ポリフェノールには、内臓脂肪がつきにくいという作用や、中性脂肪を減らす効果があります。ポリフェノールは、リンゴの皮のすぐ下あたりに多く含まれているので、リンゴの丸かじりなども、おすすめのようです。

食生活は日々健康や美容に良いという成分が発見され、あれこれ摂取した方が良いという情報で溢れている。実際に効能があるかエビデンスをチェックしたなら試してみるのも良いだろう。

楽観主義でこれからの世の中を生き抜くヒントを手に入れる。人生100年時代となり、今までは考えなくてもよかった様々な問題が噴出するようになってきました。そんな世の中を元気に生きるコツを紹介。

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