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教養として学んでおきたい哲学|岡本 裕一朗|なにかと難解なイメージだけが先行しがちな学問

哲学というとちょっと小難しくて敬遠しがちになるか、これ読んでますと言えたらちょっとかっこいいなという二つの気持ちが芽生えます。何かと難解なイメージが先行しがちな学問ですが、そうしたイメージを払拭すべく優しく解き明かし解説していきます。

人生100年時代の哲学

哲学の始祖とされるソクラテスは、人間にとって最も大切なのはよく生きることであり、正しい生き方をしているかどうか、あるいは、どういう形で生きていくかが問題である、というような話をするのですが、それは究極、〝人生論〟なわけです。

そこから時代が進み、例えば 20 世紀になるかならないかの頃に、ニーチェが行った議論も、言うなればほとんど人生論みたいなものです。社会でどう生きていくか、その中に自分自身の生き方の目的をどのように打ち出していくかといった人生論的な哲学が、伝統的にあるのは事実です。

ただ、日本で哲学というと、どうも人生に悩んだ青年が哲学に傾倒して自殺してしまう……なんて、ネガティブなイメージで捉えられがちなので、それを払拭する意味でも、あえて、「哲学=人生論ではない」と言っておきたいと思います。

どう生きるかというのは人生の一番の課題。それを手助けしてくれるのが哲学だと思います。難解な言い回しで頭が混乱して逆に病んでしまう人も多いのが実際のところ。ミュージシャンとかでもこの人哲学的な歌詞を書くなという人がたまにいるが、やはり人生に寄り添うものであるのは間違いない。

古代ギリシャから続く対立項

この2つの対立項の発端となるのは、ギリシャのプラトンとアリストテレスです。ライプニッツが書いた『人間知性新論』は、ロックの『人間知性論』に対する批判書であり、その内容は丸ごとロックへの批判になっているのですが、その序文において、「知性論の著者(ロック)は、私の称賛する多くの見事な事柄を述べているけれども、私たち二人の学説は大きく異なっている。彼の説はアリストテレスに近く、私の説はプラトンに近い」と述べています。

プラトン・アリストテレスの説と、ライプニッツ・ロックの説は、様々なところで違いがありますが、それにもかかわらず、大きく分けると、ロックの考え方はアリストテレスの系統に属し、ライプニッツの理論はプラトンに属するというわけです。

この流れにおいては、プラトンは「理性主義」「合理主義」の立場であり、アリストテレスは「経験主義」の立場で語られます。もちろん、細かな批判はたくさんあり、アリストテレスは単純な経験主義ではないと否定する人も少なくありません。

しかし、歴史的な伝統として考えると、プラトンが合理主義、アリストテレスが経験主義を代表するという流れで理解されており、この流れは、中世も近代も、おそらくは現代にも適応される分け方になっています。

これは哲学に留まらず、例えばAIの発展を考えるときも、理性主義的な規則主義で進むのか?

あるいは経験主義的なディープラーニングの方向で行くのか?

こういった流れは絶えず続いており、この2つを対立項として横軸に置けば、全体的な見通しが付きやすくなるのは間違いないと思います。

昔からあるこの対立項。現代でもそれを横軸におけば全体の見通しが付きやすくなる。理性主義的か規則主義的かその二つで今のAI、ディープラーニングの世界を見れば答えが見えてくる。

脳科学の事例

自然主義についての非常にわかりやすい例は、先にもお話しした脳科学的な事例で、私たちがものを認識するというのは、今までは意識とか心とかを考えていましたが、心や意識というものは、今で言えば、脳の状態に過ぎないわけです。

そうなると、脳を何らかの方法でスキャンして、あらわにすれば、脳がどういった状態であれば、どのような認識のあり方が可能になるかということがわかります。そこから、脳にスポットをあてて、脳の物質的な状態を解明し、それによって、心のあり方を理解するという動きが始まりました。

今までは、ものの理解が違うと言ったとき、言語が違う、文化が違うなどと言ったのですが、文化や言語の違いが、どのように認識に影響を与えるかということは、正直なところ、よくわからないのです。これもまた、ひとつのぼんやりとしたイメージでしかないからです。しかし、それを脳などの物質的なものにスポットをあてて、そこで解明していけば、抽象的で、目に見えない〝心のあり方〟というものを、目に見える形で、さらに技術的な形で検証することができるのです。

意識とか心を語るときに欠かせなくなるのが脳の存在。最近では脳科学も進んできていてあらゆる事象が脳のどの部位で起こっていることか研究が進んでいます。近い将来そんな脳科学が今より重要な学問になる可能性が。

哲学を「難しい」「どんなことに役に立つのだかわからない」と言った声に答えるかのような書籍。現代に当てはめ古典から学ぶその哲学は僕らの日々を豊かに変えることさえある希望の学問です。

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