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女子の本懐 市ヶ谷の55日|小池 百合子

小池百合子氏の防衛省トップ時代のあれこれをまとめた書籍。特に面白いことは書いてなくて、日記を読まされているような気分に。ファンの方は面白いだろうが僕のように支持者でもアンチでもない人間にとってはあまり面白いものではなかった。

いざ防衛省へ

電車での移動中、女子高生に携帯電話での撮影をせがまれる。へえ、女子高生も、私が日本の防衛大臣だということを知っているのかと感心。新幹線に乗り換え、「姫のトラ退治」として全国的に注目を集める岡山・倉敷へ。片山虎之助候補応援の会場では、前環境大臣として、「トラの保護に参りましたぁ」と叫ぶなり、やんやの拍手が起こった。片山候補には、参議院自民党の幹事長として、私も幾度か厳しいご指導を受けたことがある。いわゆる頑固親父のタイプである片山議員のような人が日本、政界にいなくなった ことを指摘し、「絶滅危惧種を守りましょう」と叫ぶと、またまた会場は拍手、拍手。さあ、どんな結果がでるのやら。選挙の後半、私に割り当てられる選挙区は、勝敗予想が五分五分のところだ。全国的な注目選挙区というだけでなく、参議院での片山議員の存在が大きいだけに、なんとか勝利してほしいものである。夜、東京へ戻り、来日中のデービッド・アッシャー氏と夕食をともにした。国務省でアーミテージ国務副長官と北朝鮮問題に取り組んできた一人だ。私が日本の朝銀問題に取り組み、アッシャー氏がバンコ・デルタ・アジア関連に取り組むなど、ともに北朝鮮がらみの金融問題を扱ってきた仲間である。最近の情勢分析や意見交換など、有意義な時間を過ごした。

姫のトラ退治、懐かしい。そういえば選挙戦そんなんだったな。女性で政治の道に進み防衛大臣にまで上り詰めたこと、東京都知事を務めること。尊敬はするがあまり好印象とはいえない今日この頃。何にでもかみつけばいいってモノじゃない世の中で、孤軍奮闘する姿はちょっと奇異に映る。メディアへのアピールの仕方を熟知しているからこそ、最近の彼女の姿勢はちょっといただけないような気にもなる。

「ひとり二・二六」との攻防

朝のワイドショーでも、防衛省の次官人事が華々しく取り上げられている。お盆休みの真っ最中で、参院選後の新人議員の話題も、赤城大臣の話題もひと段落し、ニュースひでりである。コメンテーターと言われる人たちが、限られた情報、それもあること、ないことをごちゃ混ぜにしながら、的外れの議論をしている。防衛省人事問題でスタジオが盛り上がるという状況だった。防衛省人事で二十分稼いだ後は、朝青龍問題で二十分というのがパターンとなっていた。談合や不祥事以外で、これほど防衛省に国民の目が向けられたこともないだろう。午後、守屋次官を大臣室に呼ぶと「後任が西川では納得ができない。別の人にしてほしい」との申し入れがあった。防衛省に昇格したのだから、もはやよその省庁からの人を次官にする時代は終わったとの説もある。そこで、山崎信之郎運用企画局長を後任にと提案してきた。山崎氏本人も驚いたという案である。要は、守屋氏が次官続投をようやくあきらめたということだ。次官退任後は顧問を務めるように要請すると、「顧問では生活できない」という。そのストレートなもの言いに、私は返す言葉がなかった。守屋次官に言わせると、西川氏は警察出身であっても情報保全分野には 疎いという。しかし、西川氏は和歌山県警本部長を務めていた時、情報セキュリティー、ITセキュリティ分野でも先駆的な取組みを行った。毎年、白浜で開かれる全国警察のITセキュリティ対策シンポジウムは、西川氏が立ち上げたもので、現在に至るまで続いているという。それに防衛庁から防衛省昇格で、最も汗をかいたのは西川官房長であったことは、防衛関係議員の誰もが知るところだ。

ワイドショーやなんかのコメンテイターは一般人目線で政治について物を言わなくてはならないので少し的外れぐらいがちょうどいいと思う。間違った解釈はMCが軌道修正すればいいだけのこと。

日本女性の就業状況

日本女性の就業状況を年齢別に示すグラフは「M字カーブ」を描くことで知られる。子育てと両立できずに退職する人が多いと、子育て世代の就業率が落ち込み、M字を描く。かつて、日本同様、M字型だった欧米諸国は、労働環境の改善や、子育て支援の充実、何よりも社会の意識変革を重ねた結果、今では「逆U字カーブ」へ変化している。男性による育児休業制度についての政府による調査を見てみよう。〇六年度でわずか〇・五七%。ゼロに近いのが現実だ。厚労省の「子ども、子育て応援プラン」では、男性の育児休業取得率を二〇一四年までに、一〇%とする数値目標が掲げられているが、このありさまである。男性の育児参加でも、イギリスは一日平均六十分、スウェーデンの六十七分と比べても、日本の二十五分は少ない。そもそも日本人男性の自由時間は三時間五十分で、ノルウェーの五時間三十七分と比べると二時間近く短いという調査もある。こう書き綴りながら、「だから、女性政治家はわかっちゃいない」「現実を知らない」「子供のために、男が会社を休めると思っているのか」と、男性読者から叱責を受けるだろうことを予測した。「女性の高学歴化が、少子化の原因」と言い切った政治家もいた。真実も含んではいるが、ならば、タリバンのように、女性を家庭に縛り付け、「産む機械」とさせることに徹すればよいのか。最悪だった〇五年の合計特殊出生率一・二六から、景気回復もあり、〇六年には一・三二へと回復した。ただし、出生率低下が大きな流れであることに変わりはないだろう。未婚化、晩婚化、少子化といった女性を取り巻く環境と、非正規雇用、フリーターなどの労働環境の激変……。これらの要素が年金構造に揺らぎをもたらし、そのことが国民の不安を募らせ、年金不払いへとつながっている。

良くも悪くも日本人の女性の先鋒となっている彼女。これからの女性の働き方やなんかを示す指針となっているのではないだろうか。出処進退、女の決断、女子の本懐がここに。

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