Book

哲学者にならない方法|土屋 賢二|哲学でビッグになるなんて世迷言を言い出す前に

哲学でビッグになるなんて世迷言を言い出す前に。奇天烈な寮生たちと麻雀、ジャズ、ドストエフスキー、『存在と時間』。土屋教授のおバカな青春の1ページ。

読書

大学に入って最初に夢中になったのは読書だった。小学校を出てからロクに本も読まなかったので、どんなことを人類は書き、どんなことを感じ、考えてきたのかを知ろうと、片っ端から読んだ。当時、大学生の必読書とされていたのは、阿部次郎の『三太郎の日記』と倉田百三の『出家とその弟子』だった。大学生になったらどんなレベルを要求されるのかを知ろうとして読んでみたが、どちらの本でも主人公がしきりに悩んでおり、なぜそんなに悩むのかわたしにはどうしても理解できなかった。大学生の必読書が理解できないわたしは、大学生の資格がないのだ。それが入学試験でなくてよかったと思った。当時は悩みが流行っていたのかもしれない。そのころ評判だったベルイマン監督の映画を見たときも、主人公が深刻に悩んでいるのは分かったが、何に悩んでいるのか皆目分からず、当然ながらなぜ名作とされているのか、理解できなかった。テレビがなかったので、映画はたくさん見たが、わたしには難解すぎる映画が多かった。当時は実験的映画が数多く作られ、大半は理解できなかった。ゴダール監督の映画が大好きだったのが不思議なほどだ。ベルイマンの映画やフェリーニの映画も難解だったが、難解さにかけては、アラン・レネ監督の映画『去年マリエンバートで』にかなう映画はなかった。現在と過去、現実と夢が混在している映画で、どんなに強引にこじつけようとしても、どんなストーリーで何を言おうとしているのかまったく分からなかった。映画オンチのわたしも、これほど不可解な思いをしたことはない。それから三十年ほどたったころ、深夜にテレビでこの映画をやっているのを見た。もう大人になったのだから分かるだろうと思ったが、結局、当時と同じぐらい不可解な思いをしただけだった。

僕の学生時代はゲーセンでゲーム、バイトもゲーセン。そしてそのまま就職してゲーセン店長にそんな青春時代→社会人だったが僕の中ではそれもまとめて青春時代。ゲーセンでの仕事を辞めてからは車を乗り回して毎日ドライブ。その後、遊び回った反動から真逆の趣味である読書と出会い1日1冊生活が始まる。そして、それもはや4年。継続は力なりと言いますが良くも悪くも知識は圧倒的に増えた。役に立つものから知ってるから何?というレベルのものまで。

芸術

音楽は衝撃の連続だった。子どものころから何度も衝撃を受け、そのたびに音楽にのめり込んだ。母が箏を教えていたから、生まれたときから江戸時代の曲や宮城道雄の曲など邦楽が耳の中に入り込んでいた。そのため、気がつくとすっかり邦楽が嫌いになっていた。ふすま越しに聞こえる邦楽がうっとうしくて、どこが面白いのか分からなかった。小学校のころ好きだったのは演歌だった。ラジオから流れる演歌に聞きほれ、将来は演歌歌手になりたいと思っていた。実際には、どうしても演歌歌手のような歌い方ができなかったので、家にある箏を勝手に調弦して、好きな演歌を自分で弾いていた。たいていの曲は聞いただけで階名を言えたから、箏で弾くのは簡単だったが、和音のことなど、まったく知らなかった。転機を迎えたのは中学に入ってからだった。初めてテレビで見た交響曲は衝撃だった。曲はドボルザークの「新世界」で、それまでオーケストラの演奏というものを聞いたことも見たこともなかったわたしは、買ったばかりの白黒テレビに映るオーケストラの迫力に圧倒され、テレビの前から動けなくなるほど心をゆさぶられた。わたしの全身を感動が貫き、この世界にこんなにすごいものがあることに驚きと喜びを感じて、音楽がとてつもなく貴重なものに思えた。もしこういう音楽のレコードと高級車のどちらかをやると言われたら、迷わず、高級車をもらうだろう。そして、それを売ってレコードを買えるだけ買うだろう。音楽の中に未知の宝を見つけた気がして、世界が新たな輝きを放っているのが見えたようだった。親にしつこく頼みこんで「新世界」のレコードを買ってもらい、何度も何度も夢中で聞き入り、そのたびに感動を新たにしていた。そのまま深入りしていたら、のちにはオーケストラの荷物運びぐらいにはなれていたかもしれない。

音楽好きだと一度は通るジャズやクラシック。僕もちょっとだけかじってみたもののやはり肌に合わず(高尚すぎるというかお金がかかりすぎる)。一時期はターンテーブルを買ってレコードを好んで買う時期もあったが、これもサブスクリプションによる配信などに置き換えました。

学生時代にありがちないろんな沼に足突っ込むというケースが笑えて共感。アラフォー世代以上には刺さるはず。今は趣味にお金をかけなくても楽しめる時代、もちろんお金をかければそれ以上の体験が待っているわけだが。

※この書籍はKindle Unlimited読み放題書籍です。月額980円で和書12万冊以上、洋書120万冊以上のKindle電子書籍が読み放題になるサービスが初回30日間無料となっております。PCの方はサイドバーのリンクより、スマホの方は下の方へスクロールしていただければリンクが貼ってありますので興味のある方はどうぞ。なお一部の書籍はキャンペーンなどで無料になっていて現在は有料となっている場合もありますのでその場合はあしからず。

【サブスク】 Kindle Unlimited

Kindle Unlimitedの詳細はこちら

僕が利用している読書コミュニティサイト

【本が好き】https://www.honzuki.jp/

【シミルボン】https://shimirubon.jp/

-Book
-, , , , , , , ,

© 2024 51Blog Powered by AFFINGER5