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アップル、グーグルが神になる日~ハードウェアはなぜゴミなのか?|上原 昭宏

モノのインターネット化(IoT)やAIなど急成長する市場で中核を担っているAppleとGoogle。僕らの生活を快適なものに変える一方、それらに依存する割合が増してきて僕らの行動までにも侵食してきている。ホームオートメーションからヘルスケア、自動車業界やサービス業まで新しい体験でこの巨大企業は何を為そうとしているのか?

テック好きにはお馴染みのBluetooth

ブルートゥースは、Wi‐Fiと同じく2・4ギガヘルツ(GHz)帯の電波を使用する無線通信規格ですが、データの転送速度はWi‐Fiに比べるとずいぶん低速です。その代わり、Wi‐Fiよりも消費電力は大幅に少なくなっています。

多彩な用途が想定されていたブルートゥースですが、2009年頃まで実際に使われていたのは、先述したヘッドフォンやワイヤレスキーボード、マウス、あとはモデム(インターネット接続機能を持った携帯電話とパソコンをブルートゥースでつなぎ、インターネットにアクセスするために用いる)くらいでしょうか。

パソコンや携帯電話などの電子機器をすべて無線でつなごうという大きな目標を掲げていたブルートゥースですが、普及の度合いは当初期待されたほどではありませんでした。

ブルートゥースの普及が限られた領域に 留まった一つの理由は、仕組みの複雑さにあります。ブルートゥースでは機器の種類ごとに「プロファイル」を持っています。プロファイルというのは、一言でいえば機器同士がデータをやり取りするための約束事。音声データをヘッドセットに送るためのプロファイル、リモコン機能を実現するためのプロファイル、電話帳データを転送するためのプロファイル、画像を転送するためのプロファイル、プリンタで印刷するためのプロファイル等々、たくさんのプロファイルが用意されています。

ブルートゥース規格では、機器がどのように使われるのかを想定し、それぞれの用途ごとにプロファイルを当てはめていきます。確かにマウスやヘッドフォンのように用途が明確な機器であれば、そのやり方は理にかなっているでしょう。しかしその一方で、プロファイルに規定されていない用途に使う機器を、ブルートゥース規格に則って作るのは難しくなってしまいました。例えば、周囲の温度、湿度と騒音を計測して、データを記録していく機器をブルートゥース規格に基づいて作るのは大変です。ヘッドフォンやキーボード、マウスくらいしかブルートゥース機器がなかった理由は、プロファイルによって用途がガチガチに固められていたからといえるでしょう。

Bluetooth機器は知らず知らずのうちに浸透してきている。ちょっと前まではマウスぐらいしか無かったが、今ではヘッドホンなどにもBluetoothが使われワイアレスが一般的に。いまだに高音質で聴くには有線という人もいるが、普通に聴く分にはワイアレスの方がコードの取り回しとかを気にしないで使えるので便利。難点といえば接続が不安定でヘッドホンの電源が入っているのに接続がうまくいかないことがしばしばあること。一般にはWi-Fiに比べて馴染みの薄い通信規格だがなくなったらそれはそれで不便。

日本の没落

スマートデバイスとクラウド、BLEによって構成されるIoTは、新たなエコシステムを生み出そうとしています。この章では、IoTが家電や半導体といったエレクトロニクス産業に与える影響について考えてみましょう。

2010年以降、パナソニック、ソニー、シャープといった大手電機メーカーは、毎期のように何千億円もの巨額赤字を垂れ流していました。パナソニックは大規模なリストラを推進し、事業の柱を家電から住宅や自動車へと移したことで業績を持ち直しましたが、今後の新規事業創出は大きな課題です。シャープもやはり大規模なリストラを行い、液晶パネルの部品メーカーとしての活路を模索しています。ソニーは毎期のように業績の下方修正を繰り返し、パソコン事業も外部に売却してしまいました。

半導体業界では、2012年にエルピーダメモリが会社更生法の適用を申請し、その後、米マイクロン・テクノロジーの完全子会社になりました。2013年には、ルネサス エレクトロニクスが、政府系ファンドである産業革新機構や顧客企業8社から増資を受け、実質的に国有化されました。

日本のエレクトロニクス産業が斜陽化した理由についてはすでにさまざまな論考がなされていますが、筆者からすると彼らは「技術」の意味をはき違えていたように見えます。

2000年頃まで、エレクトロニクス製品の開発は、極めてシンプルでした。デジカメだったら画素数を増やす。薄型テレビなら画面を大きくする。コンピュータは処理能力を上げて、記憶容量を増やせばいい。技術のトレンドにしたがって、性能や品質を向上させていればよかったのです。それが日本のメーカーにとっての技術でした。

しかし、半導体技術が進化してくるにつれ、技術それ自体は差別化要因にならなくなっていきます。台湾や中国のEMS(電子機器の受託生産サービス)が台頭し、ハードウェアを作ること自体は、どのメーカーでも容易に行えるようになりました。

トップを走り続けるのはなかなか難しいことなのだろうが最近の日本のエレクトロニクス製品は元気がない。日本が足踏みしている間に台湾や中国といった国が台頭しシェアを奪っている。大手電機メーカもものによってはまだまだ第一線で戦えるが全体を見ると落ち目。事業を外部に売却するなんてことも。

AppleやGoogleが実権を握る中、台湾や中国のEMS(電子機器の受託生産サービス)が台頭。日本は隅に追いやられている感が否めない。アメリカではこうした巨大企業の解体をもくろみ市場の活性化を望む声も。このままAppleやGoogleは神となるのかそれとも‥‥。

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