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かけひきの科学 情報をいかに使うか|唐津 一|情報をどう駆使すれば目的を達成できるのか

黒いものでも白と言って言いくるめることができなければ、交渉ごとで勝利できない。アメリカに後塵を期している日本はそうした「駆け引き」が苦手であるからとも考えられる。相手の行動を予測し備え、切り札となる情報を駆使して目的を達成する方法、「駆け引き」の本質を解明。

孫子の兵法

孫子の兵法の有名な一句「 彼 れを知り 己 れを知れば百戦 殆 うからず」というのがまさにそれで、敵を知るには、近ごろいわれるプライバシーもなんのその、相手を裸にするくらいの覚悟でスパイを入れなくては、現実には不可能である。「人権」を主張するアメリカでも、ニクソンをはじめ大統領による盗聴事件は珍しくないし、公的機関であるCIAが外国大使館員の電話を聴くことについては、法的には合法なのである。

つまり、かけひきに勝つには、すべてを本音で語り、しかもそれを堂々と実行するのでなくては、成功しないのである。

かけひきというと、とかく伏し目がちになるが、ここに新風を吹き込んだ二人の天才がいる。そのひとりは今日のコンピュータの原理を考えたハンガリー出身の数学者ジョン・L・フォン・ノイマン、もうひとりがオーストリア生まれの経済学者オスカー・モルゲンシュテルンである。

この二人は、第二次世界大戦の終了直後『ゲームの理論と経済活動』という著書をプリンストン大学から出版した。彼らがこれまで軍事や外交といった特化された分野でのみ論じられていた「かけひき」の問題と行動原理を、科学的思考方法という体系のなかで解きほぐし、普遍化したのである。

その昔、寺田寅彦 がいったことがある。 「みんなが、どのようにいえばよいか口をモグモグさせているときに、ズバリとその本質を説明してくれる人がいる。それが天才である。そこからさらに新しい進歩がはじまる」

いわれてみれば、アルベルト・アインシュタインの相対性理論、ニールス・ボーアの量子力学は、まさにそうだった。

相手の情報を知るために盗聴までするのが正しいか否かは別として、それだけ丸裸にされたらなかな勝負に勝つのは難しいだろうと感じる。ていうか日本の電気街で盗聴器が普通に売られているのは何?と良く思うのだが、盗聴被害がなくならない原因はこの辺にあるのかと思います。

情報の威力

情報をできるだけ多く手に入れるためには動機づけが必要である。もっといえば、好奇心こそ情報収集のすべてであるといっていい。

私はときどき外国から講演を頼まれるが、そのときにはかならずその国を実地に歩いてみることにしている。先だって、ハワイで開かれる建設業界の勉強会での講演を頼まれた。

私はそういうとき、決まって現場を見せてもらう。現場には紙に書けない膨大な情報があるからだ。このときは、建設工事現場を二カ所見せてもらうことになった。ひとつの建物はほとんど完成していて、エレベーターを使って上に上がることができたが、もうひとつはエレベーターがまだ動いていなかった。ところが現場を見たいと私がいったため、一二階までハシゴを登らされた。

さすがにヘトヘトになったが、上がってみて驚くべきことを発見した。最上階の現場で働いている作業員のほとんどが、フィリピンからきた人だったのである。その人たちが、あぶなっかしい足場の上で、なれない手つきで仕事をしている。一二階まで上がったおかげで、ハワイの建設現場には、労働管理についても技術や安全についてもどういう構造的問題があるのかを具体的に知ることができた。このことをさっそく講演会で話したら、よく知っているねとみんながびっくりしていた。要は、なんでも見てやろうという精神が、人に先んじて情報を得ることになるのである。

現場100回じゃないけどそこには数々の上には上がってこない情報がある。警察の捜査が地道な作業なのもこの辺から来ているのかも。ひたすら現場付近の防犯カメラの映像を見るような作業は根気がいるが重要な証拠として意味をなす。

駆け引き、交渉ごとに強くなるためにそのメカニズムを解明していく書籍。実際の例を踏まえながら順を追って解説。読み終わる頃には変わった視点で世の中を見ることができるように。

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