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『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』佐渡島 庸平

みんな居場所がない。スマホによって大衆は分断され、その結果、モノの売り方が根本から変わった。同じ価値観でつながるコミュニティを作れるかが、いまビジネスでも成否を分けている。『君たちはどう生きるか』『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』を仕掛けたメガヒット編集者がたどり着いた、インターネット時代の「孤独」とその「処方箋」。Apple、シャオミー、楽天、ほぼ日。使われ続ける企業にはコミュニティが必ずある。

安心と自由、どちらを選ぶ?

今、僕らは、所属しているコミュニティを失いつつある。誰も僕らの生き方について、指図する人はいない。圧倒的な自由だ。しかし、ずっと欲しがっていた自由を手に入れて、気がついたら安全・安心を失っていた。その二つがトレードオフの関係にあることを、理解している人は少なかった。孤独の中で得る自由と引き換えに安全・安心を失った人たちは、不安の闇に突き落とされる。自由と安心、両方を同時に得ることは不可能なのか? 「not alone.」そんな気持ちを持たせてくれるのは、コミュニティだけだ。今までの物理的な必然性で生まれたコミュニティではなく、インターネットの中で、「好き」を中心にしてできたコミュニティに可能性があるというのが、僕の仮説だ。インターネットの力は、自由と安心、両方をもたらしうるのではないか。問題は、コミュニティをあまりにも自明のこととして捉えていたので、その知識をまだ誰も持っていないことだ。

リアルでのコミュニティがだんだん廃れるとともに、インターネット上のコミュニティは発展していってるように思う。現実世界のコミュニティと違い、好きなコミュニティにさえ属していればいいし、面倒な関係になったらそこから去ればいい。現実世界ではこうはいかない。自由なコミュニティであるがゆえに、安心といった面では現実世界での繋がりより希薄なものでしかないが、それでも人との繋がりがないよりはいくらか救われる。僕のような世捨て人のような生活を送っていてもネット上には居場所がある。

インターネットによる、なめらかな社会

Amazonが挑戦しているのは、「なめらか」にすることだけだ。欲しいと思ったら、すぐに家に届く。すごくなめらかだ。今までは、欲しいと思うと、それを売っている店を探して、その店に行く。在庫があれば買えるし、なければ注文をして、店から連絡をもらって再度行き、やっと手に入れていた。「欲しい」と「使う」の間にいくつもの工程が挟まれていたけれども、Amazonプライムならワンクリックだ。 それで十分便利になったと思う人は、自分を現状に合わせて満足する人だ。AmazonCEOのジェフ・ベゾスは、もっとワガママだ(ワガママは長い時代、悪徳だったが、今や美徳になろうとしている!)。

アマゾンプライムの即日配送サービスにはいつもお世話になっている。注文すれば翌日には物が届くので、買い物に行って品物を探すストレスがなくなった。今までは店舗に赴き棚から商品を選び出すだけでも結構な手間だった。それが検索をかければすぐに御目当ての商品にたどり着きすぐに決済。なんと便利な世の中だろう。

情報の可視化

ネットがつなぐのは、趣味だけじゃない。LGBTや女性のセクハラ被害の運動の広がりは、まさにインターネットの力によるところが大きい。アナログ社会ではマイナーとされてしまう人たちが、インターネットの中ではしっかりと存在感を示すことができる。自分たちは、孤独ではない。自分たちの考え、嗜好をしっかりと世間に主張していいのだ。そのように自信を持った結果が、#MeToo運動だ。インターネットは、すべての関係をフラット化する。強者の発言も、弱者の発言も、同じ発言として扱われる。相対的に、今までメジャーとされていた人の力がさがり、マイノリティの力があがる。マイノリティは、今まで出会えなかった仲間に出会えて、インターネットの恩恵をいち早く受け取った。自分たちのあり方について日頃から自問自答していて、自分たちがどうしたいか、どう生きたいかを知っている人は、ネットによってすごく救われている。今まではコミュニティを作れなかった人たちが、ネットをきっかけにコミュニティを作って、従来の価値観にゆさぶりをかけている。ツイッターの#MeTooなどは、どれだけ技術が進歩しても、それだけでは起きなかった変化だ。

どんな情報も拡散するのがあっという間の社会。僕はツイッターをあまりやっていないので拡散する機会はないが、世間ではリツイートによる拡散を狙った情報の扱い方がスタンダードになっている。情報強者も弱者もマイノリティだって同じように今まで出会えなかった仲間に会えて活動することができる。

スマホ、SNSの普及によりオープンすぎる関係が多くなり、かえって大衆は分断されたという。逆にみんなの居場所がなくなってきているのではないかと疑問を投げかける。それにより物の売り方も大きく変わってきており経済の動きもこの現代の孤独にそった物となりつつある。同じ価値観でコミュニティが作れるかがこれからのビジネスの軸となっていくだろう。

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