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PRE-SUASION──影響力と説得のための革命的瞬間|ロバート・チャルディーニ

PRE-SUASION(プリ スエージョン)
Persuasion(説得)の冒頭のperをもじって、pre(前)+ suasion(勧告・説得)としたチャルディーニによる造語。
説得前のプリ・スエージョン(下準備)こそが成否の鍵だった。
膨大な文献とプロフェッショナルたちの言動から説得に並外れたパワーをもたらす要素を明らかにする。―そして今、『影響力の武器』は新たなステージへ・・・
『影響力の武器』の著者、チャルディーニ博士による33年ぶりの単著。六つの影響力の武器(返報性・行為・権威・社会的証明・希少性・一貫性)に真の威力を与える、第七の武器が明らかにされる。膨大な文献を渉猟し、社会心理学者の武器である科学的根拠を身近な例を挙げながら示した、著者渾身の書き下ろし。

カルトの勧誘プロセスに注意!?

カルトの勧誘プロセスは往往にして、現状に(満足しているかではなく)不満はあるかという質問から始まります。以前私は、こういった言葉を選んで質問してくるのは、カルトにつきものの過激な考え方に傾きやすい、大きな個人的不満を抱える人物を選ぶためだと考えていました。しかし今では、「満はありますか」という質問が、単なる選別ツールではないと確信しています。それは、相手の意識を必要以上に不満に向けさせる、不正な勧誘ツールでもあるのです(じつのところ、カルトは自らの内部に、反抗的な人間を抱えたいとは思っていません。求める人材は、基本的に前向きさと熱意をカルトの目標に向けることのできる、精神的に安定した人間です)。

カルトの勧誘作戦は巧妙で許し難いものです。一方で、カルト信者は勧誘員も含め自ら進んで自己欺瞞をしていることで知られています。聞き手の自己イメージをわずかの間変える以上の効果を示す証拠とは?下準備のプロなら聞き手を何かする気にさせたり、同意させたり、本当に価値あるものを提供させたりできるだろうか。

販売促進の仕事をしている人たちは、顧客情報を重要視します。見込み客を満足させるのに必要なデータを販売側に与えるという目的に、こうした調査は役立ちます。営利団体や企業は顧客や見込み客が求め、必要とするものの情報を持つ利点を認めている。実際、各業界の大手は相当な額を投じてこういったデータを収集しています。

ネットのバナー広告の影響

ネット上のバナー広告にも同様の狡猾な効果が認められました。私たちの誰もが、ネット上のバナー広告などに何の影響も受けず、無視できると考えていますが、緻密に実施されたこの実験が示した結果は、その考えが間違っていることを明らかにしました。具体的には、実験参加者に、あるオンライン教育関連の記事を読んでもらう間、画面に繰り返し新製品のカメラのバナー広告を表示し、記事を読み終えた後もう一度同じバナー広告を見せて、広告への好感度を尋ねました。すると、彼らの好感度は、繰り返し見せられなかったグループよりも、ずっと高くなったのです。印象的なのは、バナー広告は記事本文の近くにあり、一度につき五秒現れただけだったので、実験参加者たちはそれを見た記憶がなかったのに、この効果が現れたという点です。

僕のブログにもGoogle AdsenseやAmazonアソシエイトのバナーが貼ってあるが、今時、バナー広告なんて自分じゃクリックしないよなと思いつつ、それでもクリックして商品を購入する人が未だ一定数いることにいつも驚く。ありがたいことだが、バナー広告の効果はある程度あるということの証明でもある。ネットでのショッピングが、パソコンからスマホへと変遷し、ネットユーザーも二分化したことによって、このような現象が起こっているのではないかと思う。そのうちこうしたクリックをする人は減っていきコンバージョン率も下がっていくことだろう。

金銭的な自己利益のもたらす影響

列に並んで順番待ちをしている人に「お金を払うから前に入れてほしい」と持ちかけた場合、払う金額を増やせば多くの人が交換に応じるだろうと考えていました。結果のそのとおりでした。提示額一ドルのときは、二人に一人が順番を譲りました。三ドルにすると六五パーセントがそうしました。提示金額をさらに増やし、五ドル、十ドルとしたときには、承諾率はそれぞれ七五パーセントと七六パーセントにまで上昇したのです。

これは実験だからいいが実際にこれをやると、譲ってくれる人より後に並んでいる人からひんしゅくを買うのでやめたほうがいいだろう。日本人は行列するのが好きだ。限定商品など希少価値の高いものならなおさら。店舗やブランドによっては、この行列が迷惑になるため(先頭に並んでいる人による買い占めなどが問題になったことも)、行列をやめさせるために、事前申し込みの抽選制にするところも出るほどだ。こうした商品をネットオークションで転売する目的の輩が後をたたない。

名前が同じだとその相手の好意が増すとか素敵なお世辞だけで人は二ヶ月間は生きられるとか影響力を行使する方法は様々。私たちが選択を行う直前に、注意という観点から見て私たちがどこにいるかでどんな人間かが決まります。その作られた瞬間は、下準備として働くことがわかる書籍。

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