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人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門|中土井 僚

U理論はMITのオットー・シャーマー博士とマッキンゼーの知的連携により、世界トップクラスの革新的なリーダー約130人を調査した結果生まれたイノベーションの方法です。誰もが頭をかかえる人と組織の問題に対しても、これまでとは全く異なるアプローチにより、対症療法に終わらない本質的な解決をもたらすことができます。では、なぜそれができるかというと、我々が変革を起こそうとする際の「盲点」に気づいたからです。我々は革新的なリーダーが「何をどうやるか」に注目し、学んでもいますが、「どんな内面の状態から行動を起こすか」という行動の「源」には目を向けていなかったのです。本書はその「行動の源」を転換すべくU字型の谷をくぐり抜け、イノベーションを起こすU理論の入門書。原書『U理論』訳者で、変革ファシリテーションの実績を豊富にもつ著者が、現場のエピソードを盛り込んで、U理論の本質と実践法をわかりやすく解説します。

人と組織が「頭を抱える問題」を解決する

いま少し時間を取って、ご自身の中で、「よりよい状態にしたい」と願っていることや「解決したい」と思っている問題などを、一つ思い浮かべてください。それは仕事上のことでも構いませんし、家族や友人たちとの関係といったプライベートなことでも構いません。思い浮かべたら、それをよりよい状態にするために、問題を解決するために、これまでどんなことを手掛けてきたか、あるいは手掛けようとしているかを考えてみてください。いかがでしょうか。どんな内容を思い浮かべられたでしょうか?営業の仕事をされている方なら、「名刺を整理してみる」「顧客とのアポイントメントの数を増やす」といったことを挙げられるかもしれません。経営に携わる方であれば、「戦略を練り直す」「全社会議を開く」といった施策が挙げられるかもしれません。学校教育の関係者であれば、「生徒にインタビューをする」といったアイディアがあるかもしれません。家族や友人との関係を良くしたいならば、「一緒に旅行に行く」といった方法があるかもしれません。どの解決策も、仮説として素晴らしいと思いますし、実際に有効な施策もあると思います。ただ、ここで着目していただきたいのは、その答えのほとんどが、「何か(What)」に対する「やり方(How)」の話になっているということです。シャーマー博士はそれ以外のところに、より高いパフォーマンスを発揮するポイントがあり、それが、私たちが見落としてしまっている「盲点」であると指摘しています。 U理論が何かを端的に表現するとすれば、それは、「何か(What)」でも「やり方(How)」でもない領域である「誰(Who)」を転換することで、過去の延長線上にはない変化を創り出す方法である、ということです。そしてこの洞察が、類まれなる影響を周囲に与えてきたリーダーへのインタビューから生まれたことに、U理論の独自性や可能性がうかがえます。

何か問題が生じた際、何か、やり方などの解決方法を考えることはよくあるが、誰にフォーカスを当てるとちょっと違った視点から物事や問題に対処できるのだ。突出した能力で周りを巻き込み引っ張っていくリーダーたちにインタビューすることで解決策を練る。場合によってはそのリーダーだけに当てはまるレアケースで、再現性がない場合もあるが、多くのリーダーが同じような行動をとっていた場合、それは真理となりうる。

U理論が起こすパラダイムシフト

PDCAサイクルのような「過去からの学習」はこれまでも、これからも愛用され、引き続き効果を発揮すると思いますが、第1章で紹介したような複雑な問題に遭遇した時には、それだけでは十分ではないとシャーマー博士は主張しています。特に「出現する複雑性」のように過去に遭遇したことのない問題に対しては当然、過去からの学習には限界があります。U理論では、その過去からの学習に対して、「出現する未来からの学習」という新しい観点を提示しています。違和感だけでなく、抵抗感すらも覚えてしまいそうなこの言葉には、私たちの慣れ親しんだ「過去からの学習」とは全く異なる意味が含まれています。「過去からの学習」では、すでに起きた過去の出来事を振り返り、分析したり、新しい仮説を立てたりして、答えを導き出すものです。それに対して「出現する未来からの学習」は、自分の内面を掘り下げ、内側から湧き上がってくるものに形を与え、そこから肉づけをしていくというプロセスをたどります。それは、芸術家が内から溢れる衝動のままにまず手を動かし、それによって偶然生まれたものを土台に、また手を動かして最終的に作品を完成させていくやり方と似ています。実際、U理論の実践手法の中には粘土やカバンの中にある化粧道具、携帯電話、消しゴム、財布といった小道具を机において、あれこれ考えずにまず感覚に任せて手を動かし、形を作った後でその意味を考え、アクションプランを作るという方法が紹介されています。

マッキンゼーやMITの知恵と世界トップクラスのエリート、リーダー130人の実体験から生まれた画期的な問題解決のアプローチがここに。

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